永遠のテトラポッドがつくりもの

うすぐもり音響学の教授の死

マタマタの指人形をつくる日々

球体のままスペオペを読み聞かせ

セメントを仏陀が背負う劇画捨て

うたかたの日々の構造体が黒

整数のチーズバーガー買いあぐね

てり焼を交わし五重ノ塔が建つ

雨のなか誰が毬藻を持って来る

チョロＱが此の世に在ってしまうだけ

裏花火のした落語の日に眠る

辻潤がサイケどんぶり屋へ帰る

Ｔシャツの卍に耐えていなかった

主語のない村に教皇領のない

ゴムの木を揺すりどこまで三次元

螢死ぬまぎわ惑星直列す

チェーホフが木槌を叩く擬裁判

嗚咽せずアノマロカリス飼う夜は

きのこ派がディスコグラフィー綴じながら

サディストが鮫と云う字をおぼえ雨

パンの木を揺すらなかった二人島

劇作家まとも踊りを踊らずに

向日葵と１／２が枯れてゆく

アンテナを壊してからの温度計

シャンプーを貸す人びとに浄土充ち

領土からすててこと云う物が落ち

猫を飼うはずの暗闇サラダバー

物体と物質わかつあたま山

鋳物と名　ペンギン村に陽は落ちて

神智学者が歪めだすフラフープ

諸星が凍ったままで廻る星

乃木坂でふたりとも持つくさりがま

シム・アース餃子一皿焼きもせず

無意識のひとつの錐を舐めわたす

太陽の国がおさめるたいこもち

同じ鹿同じ市浮かぶ脳と脳

草笛で脳を鍛えている野武士

ガガーリンがら超訳をした「蒲団」

蝿生れる純三角を描くあいだ

金閣が在るかぎり在る漫才師

かまぼこに厳しいだけの偽番長

河馬を買うこと思い出すドーナツ屋

反時計廻りに老いた犬が来た

土瓶ともつながっている朱夏世界

上野駅内も外でも過酸化し

戦場の帰納だれでもピアニスト

支那竹をジブリパークへ売りに行く

筆ペンを別働隊が折って去る

それぞれの藤子不二雄の金ダライ

法皇が比喩のブラウン運動し

アシモフと解らなかった単騎待ち

スクショして夜行列車に外が在る

分銅があり過ぎていた逐語訳

下駄の名を失くしてポルノ映画館

東鳩を隠しつづける夢十夜

温室のジャズシンガーを手で押さえ

ぬばたまが捻転しないはずの夜

キリストに恥の文化の髭剃り機

ジョーンズの人形の脚さらにふえ

笛吹きがコスモ石油を吹きやめる

会話中滝が沈んでいる午前

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