すきとおる牛蒡の比喩を比べあう

第三次大戦中に葱の佳句

月の下文明堂をいちぶ撮り

数理学特殊にんじんあり余り

感情の無い御殿場で鯉さばく

押し鮨を押せなくなったフーディーニ

ケネディと五木ひろしの宿に火を

吹替えているが催情部位だった

尾崎らとフランス窓を割りながら

ゲル状になるまで母と子と子と子

星図での蔑称がある冬の蛸

衝動に鈴木紗理奈の代名詞

脳味噌のかたちに並ぶ電機街

火の国のミドレンジャーが木を降りた

シェルターの手ぬぐいうばい合う兄ら

不定時にマサ斎藤の芋植えて

鳥取の知能指数をはかる鳥

コパンダの罠に単語として掛かる

そのものが餃子たり得ぬ真珠郎

千葉に都市魔法学校閉校す

チャネラーの兄を蒲田に置いておく

死を想えどちらを視てもしらす干し

シミケンが矢鱈について述べてから

陰干しの犬山城の聖骸布

ちんすこう脳内麻薬しぼりきり

キビシーが詩にコサックに擬態する

自慰果ててひとつの点がフッサール

韮と碑とヤマギシ会の合言葉

バイク屋が父もその他もみていない

ライオネス飛鳥自体へほうき星

野点にて神と相対する畳語

プログラム言語すべてのせみくじら

時の蝶ごはんですよのよを渡る

#川柳 #現代川柳 #詩歌 #文芸 #創作 #詩 #佐藤泰志 　

＊告知　明日（1/9）は川柳ノートの更新します。