ブタンガス以上の墓地に墓参る

死刑囚トーテムポール仕上げつつ

定吉の史後硬直の略史書く

顎の無い鰐しかいない電波網

複製の羊歯植物で隠す魔羅

鰻変態するテリー・ファンクの死

あり得ざるマックス・ヘッドルーム皿

慶応の仮定のなかに撞木鮫

かずかずのかやくごはんを炊く銀河

ファミコンを略さずに言う仮面劇

加ト吉を脳裏における脳とする

武蔵野の広さのあまり貼るシール

二足魚が残暑の町に倒れ臥す

藪を出てポニーテールがふり向かず

レスリング讃歌の止まぬ熊耳家

物質の叶姉妹が飼うさなぎ

日本語にするとあなごの叩き売り

妹の卒塔婆が沈むカリブ海

雹降ってたちまち偽のカリブ海

光市の熱い空気に揺らぐ星

童貞の星新一を載せた都市

蹴鞠して遥か南のレコード屋

ファシストのなかに更なる真田虫

嘲笑の晩夏のなかに茄子を飼う

螺子釘に美をあたえられ夏終わる

猿を呼ぶまでの人間昆虫記

オノデンに仮面貴族の仮面借り

弁慶が座るところを経度にし

ツトムらの先土器時代つづくなか

疑惑あり味噌を知らない赤味噌屋

タキオンのどこにも居ない皇太子

わたくしを鏡の家を出て憎む

サージャント・ペッパーと切る視神経

精虫がじょんから節をただ聴いた

虹が立つパイプカットの怪談後

分銅をクリスチーネが写生する

貝塚とテリー・ファンクに死が在って

白夜明け藤波辰爾動かざる

とらわれの前田日明に言語論

ミュータント渕正信がばらん捨て

亀を喰う宴とテリー・ファンクの死

ソナチネに関わる人の人名句

物神がずっと曇りと言い淀む

高速の閻魔大王砂つかむ

点描の明治乳業闇のなか

乳牛に四肢ありテリー・ファンク死す

板ずりの後にわたしの死があった

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