社会詠多肉植物枯れきって

ベーコンが描かれもせず山水画

劇中の沢田研二がずっと雨

かわうその図鑑を焼きにゆく京都

ぬるゲーの壜を反実仮想する

劇画での二十二世紀ジャイ子の死

ニッパーを磨く人間三槓子

眼球の父の煙にとりすがる

雷撃にこぼす去年のホッカイロ

孔子死すＲＥＭ睡眠のずっとあと

ベジタブル・マンへ刺繍す５五の龍

北限のいわしを模している花押

六月の日本語版に油虫

たむし掻く宇宙がずっとここに在る

群島にはこばれていた蝶叩き

グーグルの翻訳こばむ滝行者

サーカスに青梗菜をみな失くす

蒸し風呂に未確認物体を抱く

鶏焼けば原罪論を説く父よ

風蒸して偽父のＩＣ外しつつ

時そばのヘロンが造るそば屋台

局外のノリスケ消える菩薩の記

狂乱のマレー半島からすだち

飼いパンダよみがえらずに時間蕎麦

蜿蜿と釘宮理恵の言う指紋

掌底の日の日めくりをめくらずに

ギガ盛りの武器よさらばを書き写す

転生の千年灸が無い地球

午後の陽よ稀代の悪にシール貼り

理研までビックリマンを貼りつづけ

水銀を野口五郎がしまう劇

ダイエーが大衆劇に用いた茶

綿の国星のベンツを解きほぐす

漫研の三葉虫をしらべると

エロパロの佐佐木を踏んでいる構図

猫柳ヨウレにくべる種の起源

イケメンの声優が立つ非在橋

旗本が出て来る森の擬似記憶

かはたれに埴輪を持って来る主体

馬頭斬るセンチメンタルグラフティ

タガログ語辞典をあつめ捨てにゆく

エロ雑誌記者の凍傷癒える梅雨

東野の野に二回目のビッグバン

除算中中島らもの演技視て

フジロック寒天仮面隠しつつ

スガキヤと呟くひとの頭に無脳

肢をみな肢湯に隠すバスカヴィル

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