ド~する!オリックス・バファローズ

いきなり朝生のようなタイトルをつけてしまったが、問題はオリックス・バファローズ(以下オリックス)だ。
8月10日、twitter上で「#なぜオリックスを応援しているのか」というワードがトレンド入りした。両リーグ最速の借金10となったオリックスの勝負弱さが尋常ではないためだろう。

そもそもオリックスは本当に弱いのか?
そりゃあ今季の戦績を見れば弱いのだが、戦力は決して他チームに劣っているわけではない。山岡泰輔選手、山本由伸選手の両エースが存在し、外野手には吉田正尚選手というパ・リーグを代表するクラッチヒッターもいる。この3人を中心として、有望な若手選手も少なくない。特に投手陣には、投手を始めて数年で台湾代表にまで上り詰めたジャン・イー選手がおり、あの上原浩治氏も褒める才能の持ち主である榊原翼選手など150kmを超える真っすぐと、落ちる球を投げる投手が複数人揃っている。投手に比べると野手の層が薄いのは確かなのだが、それでも昨年ルーキーながら交流戦首位打者に輝いた中川圭太選手、高卒2年目にして2試合連続本塁打を放った太田椋選手などそれなりには有望選手は揃っている。
しかしだ、これがどうにも噛み合わない。1点差を追う試合終盤、ノーアウトで出塁したランナーがいきなり盗塁を試みてアウトになったり、連打で得点を積み重ねている最中に、無理に3塁を狙いアウトになるなど、もはや初心者のファミスタを見ているかのような試合運びなのだ。
我々ファンはその都度、三塁コーチであったり、投手コーチであったり、最後は監督に対して「弱い」呪詛の言葉を投げかけるしかない。なぜ「弱い」かといえば、「次はちゃんとやってくれるだろう」と思っているからなのだが、これがどうにも直ることがない。それどころか直す気がないのではないかと思ってしまうほど、同じ過ちを繰り返している。こうなると最早、選手は負けることにエクスタシーを感じているのかと思うほどだ。

プロ野球評論家がオリックスを語るとき、その論調は一つだ。里崎智也氏は「選手の力だけを見ればAクラスの力はありますよ。でもここはチームとして野球をやっていないもん」といい、デーブ大久保氏に至っては「私生活がなぁ・・・」という。これらの言葉を聞くと、チームとしての体をなしていないのではないかという、恐ろしい考えが頭をよぎる。
しかしである。思い当たる節はある。全く結果を残すことができず、取り立てていい野球をやっていたわけではないとしか思えない前監督がGMとなり、その下でヘッドコーチを務めていた人物が監督になる。要は負けた=結果が出なかったことを球団は重く見ていないのだろう。そりゃあプロ同士の戦いだから、毎年勝つなどというのは難しい。しかし凡そ四半世紀の間、優勝から遠ざかっているとなると、そこには根本的な問題があるとしか思えない。


だってたった6チームでの争いですよ。優勝確率が6分の1とするならば、25年の間には4回は優勝している筈だ。多少、チーム運営がまずくても1度くらいは優勝しても罰は当たらないでしょう。前回優勝したのは、あのイチロー氏が在籍していた96年。その時生まれた赤ん坊は、今や24歳。成人し、下手をすれば子どもがいたりするわけです。ということは、前回の優勝時に若く、勢いのあったファンはお祖父さんやお祖母さんになっていたりするかもしれないのです。

話を戻すと、今のGMはロメロ選手を放出した。理由は「ケガが多いので計算できない」ということだった。そのロメロ選手は楽天イーグルスに入団、本塁打王争いに加わり、チームの優勝争いを中心選手として支えている。
一方オリックスが獲得したアダム・ジョーンズ選手は打率2割5分、本塁打5本という、悪くはないが・・・という成績に留まっている。バリバリのメジャーリーガーであるだけに、慣れてくれば打撃面の数字はもう少し上がってくるだろう。そこは待つしかない。しかし問題は守備だ。メジャー時代ゴールデングラブ賞を受賞しているということだが、どうにも動きが緩慢だ。ジョーンズ選手がレフトに入った時、相手選手はレフトを狙い打ち、一つ先の塁を狙う。3塁まで行かれることもある。となればバッテリーは「レフトには打たせられるわけにはいかない」となり、インコースを使いにくくなる。そして外角で勝負にいったところを痛打される。この繰り返しである。普通の監督であれば、「ジョーンズはDHにしておこう!」となるはずだが、オリックスではそうはいかない。経験の浅い投手が投げる試合でも、容赦なくレフトにジョーンズ選手を入れる。若い投手に厳しい経験をさせて、成長を促しているのだろうか。目の前の勝利を犠牲にしてでも、数年後を見据えた采配なのだろうか。多分そんなことはない。

選手補強、起用、戦術と全てがちぐはぐなオリックス。このチームの着地点はどこなのだろう。ここまでくると、怖いけど結末が知りたくてホラー映画を見続けるようなものだ。怖くても席を立てない。こんな気持ちで応援するのは、巨人やホークスのファンには理解できないだろう。最早それが優越感に変わりつつある、悲しきオリックスファンの呟きでした。

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