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こよみだより *小雪*


今日の写真は、大分県 日田市の山の姿。
早朝にもやがかかっていた山々は、朝日に照らされながら、みるみるうちに明るくなってゆきました。

※文章の内容とは、リンクしません…。



2021.11.22
二十四節気の「小雪しょうせつ」入りです。
雪が降り始めるとされる頃。
北国からは初雪の便りが聞かれる時季です。

といっても、まだ本格的な雪の季節ではなく、そう たくさんは降らないことから「小雪」とされたそうです。


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二十四節気をさらに三つに分けた七十二候では、

■初候 虹蔵不見(にじ かくれてみえず)
■次候 朔風払葉(きたかぜ このはをはらう)
■末候 橘  始  黄(たちばな はじめてきばむ)

と続きます。

陽射しが弱まり、虹を見ることも少なくなるのですね。
また、「朔風払葉きたかぜこのはをはらう」とは、冬の訪れの 象徴のような風景です。
私の身近にある大きな欅の木を眺めていると、風に乗ってはらはらと舞う木の葉に、時折 陽の光がキラキラと反射して、とても美しい瞬間に出会えることがあります。
そうして舞い散った色とりどりの木の葉を、かさっ、こそっと踏み歩いてみれば、楽しいような、ちょっぴり寂しいような。


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そして末候の「橘始黄たちばなきばむ」の「」。
「橘」といえば、古くは 柑橘類の総称だったようですが、ここでは日本に古くから自生していた「大和橘ヤマトタチバナ」(別名 日本橘ニッポンタチバナ)を指すのだそう。

「大和橘」は常緑樹で、寒い冬にも枯れることなくツヤツヤとした葉を茂らせることから、「永遠」の象徴とされ、おめでたいものとして古来大切にされてきました。
その花や葉は、吉祥文様として着物やうつわ等に用いられ、文化勲章にも、橘の五弁の花、実、葉がデザインされています。

また、この大和橘にまつわる言葉として「右近の橘うこんのたちばな」があります。

平安時代から京都御所紫宸殿ししんでんの南庭に、天皇から見て右に植えられていた 橘を指す言葉です。
その左には桜が植えられていて、「左近さこんの桜、右近うこんの橘」として有名ですね。
ひな人形を飾るときに、桜と橘を左右に飾る所以です。


なお、大和橘は、現在 絶滅危惧種に指定されており、植樹の取組みなども見受けられます。ずっと残ってほしいものです。


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さて、私がこれまで綴ってきた『こよみだより』は、次の「大雪」で二十四節気を一巡することになります。

一巡を目標に綴ってきましたので、とりあえず次回で ひと区切り。
その後のことは、ゆっくりと、のんびりと考えたいと思います。


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ひとまず今日は、写真について少し触れてから、おしまいに いたします。


今回の写真は、先般、九州を巡った際に、大分県日田市の旅館『うめひびき』さんで撮ったもの。
充実した温泉や美味しいお食事に加え、宿泊室や露天風呂などから望む山々の風景が、心を癒してくれました。

とは言え、私の写真ではその美しさを お伝えしきれませんので...
よろしければ旅館のホームページをご覧ください。

きっと、パソコンで開いて頂くと、トップの動画で すーっと心が浄化されるような景色をご覧になれることと思います。


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徐々に冷え込みが強くなってきました。
ご自愛のうえ、すてきなお時間をお過ごしください。

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最後までご覧くださいまして、
ありがとうございました。






― 次の節気は、「大雪」です。―





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