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「本番に強くなる!アヤコ流」を読んで

岡本綾子氏は広島県出身の日本女子ゴルフの基盤を築いた元プロゴルファーで、現在はゴルフの指導者としてご活躍されております。

本書はゴルフのレッスン書というよりはゴルフに対する心構えについての著述になります。そして本書を読むとゴルフをプレーしない人たちにとっても参考になることが多々ある事が分かります。

ゴルフスイングで大切なものの一つにリズムがあります。スイングのリズム。自分の中に刻まれたリズムをいつも維持しながらスイングをすることで、再現性の高いスイングとなります。ゴルフボールがクラブヘッドの芯に当たると気持ち良い音を出しながらナイスショットが打てます。しかし芯に当てようとすればするほど往々にしてスイングリズムは乱れてしまいます。
氏は必ず芯で捉えなければならないという固定観念は捨て、リズムを大切にするよう述べています。

必ず成功しなければならない!!
私達はそんな思いに駆られる場面が多いと思います。
しかし「成功しなければ!」と思えば思うほど自分のリズムが崩れ、失敗する確率は往々にして高くなります。
著者は、全盛期の時であってもプレー中にクラブヘッドの芯に当たるのは1ラウンドに1回あるかないかだったそうです。プロでも完璧なショットはほとんど出ないのですね。

初めからそう思っていれば私達も少し肩の力を抜くことが出来るのではないでしょうか。「成功する」なんてことは滅多にない。裏を返せば、失敗するのは当たり前のこと。

ただし、氏は言います。

練習しない人には開眼は起こらない

物事に取り組んでいる時、突然霧が晴れたように「分かった!」と視界が広がることがあります。そしてその開眼が成功につながる場合もあるでしょう。この開眼という体験を得るためには、普段から筋肉にある種の記憶を蓄積させるために練習を積んでおくことが必要とのことです。

そして、成功したときにはなぜ成功したのかを立ち止まって考えることが大切であると述べます。「分かった!」という感覚がなぜ得られたのか。

振り返ってみると、私は失敗した時はなぜ失敗したのかと思い悩み、成功した時はそれ程深く考えずそのままにしてしまう事が多い気がします。
ゴルフプレー中、ミスショットをするとその場で立ち止まり首を傾げながら素振りを繰り返し、ナイスショットだと喜び勇みそのまま前に進むということは多くのゴルファーが経験されていると思います。

著者によるとナイスショットを打てた後こそ立ち止まりなぜ上手く打てたのか考えることの積み重ねこそが「分かった!」という開眼につながるそうです。

己の力を把握し、リズムを崩さず呼吸を整えながら練習に励む。
成功はごく稀であり、失敗することの方が遥かに多いのは当たり前。
成功した時こそ立ち止まりなぜ成功したのか振り返る努力を怠らない。


本書を読み、岡本綾子氏のパワーの源を僅かながら垣間見たような気がします。

最後に、氏の美しいスイング動画をご紹介します。ゴルフをやらない方もこの美しいアークを描くスイングは見ているだけで気持ちが良いものと思います。ご本人の解説と共に是非ご覧下さい😊


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