見出し画像

物語作りに迷ったときのストーリーテンプレート

創作に正解はなく、ストーリー作りに正しいテンプレートなんてありませんが、
時々「まず何から描けばいいかわからない」「話の作り方がわからない」というコメントを頂くので
話作りをする上で難易度が低いと個人的に思う「描きやすい設定・ストーリー」を書いていこうと思います。

物語の流れというより、最初にアイデアを出す段階でのテンプレートとなります。

このテンプレートは
話作りに迷った時の叩き台になればと思います。

物語の骨組み
①舞台設定・現代にする
②ストーリー・1つの悩みで話を作る
③キャラクター・変なやつを一人登場させる

より読みやすくするコツ
①登場人物は3人まで
②回想シーンは最低限に
③要素を絞る


①舞台設定・現代にする


個人的に、話作りの難易度は現代物よりファンタジー世界の方が高いです。
現代モノであれば、学生服を着ていれば年齢がわかるし、スマホを持っていても「スマホとは何か」なんて一々説明する必要はありません。僕らに共通認識があるからです。

しかしファンタジー世界で一言に「魔法」と言ってもその世界によっています設定は異なる為、魔法とは何か?誰でも使えるのか?リスクはあるのか?等の説明がある程度必要になります。
世界観についても、文明はどの程度なのか…など、とにかくファンタジーは上手く描かないと説明だらけになってしまいます。

現代物というだけで、スタートの時点である程度土台が出来てるのです。
ファンタジーはその土台から作らなければならないので難しい…

特におすすめの舞台は学校
学生服を着ていればそれだけでたいたいの年齢はわかるし、教室での立ち位置でキャラの性格等も見せやすいです。
会社員などもわかりやすいと思います。

ファンタジーを描く場合でも、舞台は現代にする(呪術廻戦のような)と難易度は下がります。

②ストーリー・1つの悩みで話を作る


物語作りの失敗でよくあるのは「何をする話なのかわからない」というもの。
描きたいシーンや設定が先行しすぎて、そもそもの土台の部分がちゃんと作れていないという事があります。

それを防ぐために必要なのはキャラの目的=物語のゴール。
物語のゴールがわかりやすいものは読みやすくなります。
誰かに告白する、仇を打つ、大会で優勝する…
人見知りが勇気を出せるようになる、のような精神的な成長をゴールにするなど。

そういった「目的」はなるべく親しみやすい、想像しやすいものが良いです。

そのためにキャラの身近な「悩み」を一つ決めます。
その悩みを最初に読者に見せ、それを解決して成長する事をゴールとすると出だしと終わりが決まります。

その世界だけの悩み、ではなく、僕らの世界でもありえるような悩みであれば例えファンタジーの世界の話でも共感しやすくなります。
異世界転生モノなんかは、異世界でも主人公が現代の普通の人間だから読みやすいのかもしれませんね。

悩みと言ってもは深刻なものである必要はなく、日常のちょっとしたことでも大丈夫です。
そしてゴールの成長も、大きな成長ではなくても大丈夫です。Twitter漫画のような短編であれば、キャラの考えが少しが変わったりするくらいの「変化」でもOK。
二人のキャラの関係性が進展する…なども立派な成長です。

③キャラクター・ 変なやつを一人登場させる


物語の面白さはキャラクターとよく言いますが、面白いキャラとは言い方を変えれば「変なやつ」とも言えます。

小さいことにも変に気合の入ってるやつ、大きな出来事にも変に無関心なやつ、頭いいけど勉強方法が変なやつ…などなど…
変なやつと言っても見せ方は様々で、派手で明らかに変なやつもいれば、地味だけど変わり者もいます。

そして大事なのは、基本変なやつは「一人」にすること。
普通のやつがいてこそ変なやつのおかしさが際立ちます。
登場人物の中で一番変なやつを一人決めましょう。


より読みやすくするコツ

物語の骨組みを決めた上で、実際に物語を作る際のコツや注意点を書いていきます。

① 登場人物は3人まで


登場人物を増やすとそれだけ一人一人に割かれるページが減り、キャラの性格や魅力を伝えるのが難しくなります。
ストーリーがブレてしまう原因にもなるので、話の中心になる人物を一人、その友人、敵対する人、などメインは3人までにしましょう。
出来るなら2人で大丈夫です。

連載作品でも一話目の重要人物は2.3人くらいになっているものが多いです。
他のキャラを出すとしても脇役に徹するようにしましょう。
全部のキャラを目立たせよう!とすると、かえってどのキャラも印象に残らなくなってしまいます。

②回想シーンは少なく


回想シーンを入れない…とまでいかなくても、なるべく少なくしましょう。
回想は過去の話。過去の話は今現在に比べると興味を持ちにくいです。

長期の連載作品であれば、過去の話にも読者は興味を持ってくれますが、読み切りや短編ではまだ読者はキャラにそこまで愛着がありません。
知らない人の昔話って退屈ですよね…

作者にとっては回想や過去の掘り下げというのは描いていて楽しいですが…
回想シーンは効果的に使えれば一気に盛り上るものの、頼り過ぎは危険です。
使うとしても短めに。

③要素を絞る

これはここまでのまとめのような話になります。

物語作りに慣れていない人が描く漫画は、内容がスカスカの物語よりもどちらかというと詰め込み過ぎて闇鍋になってしまうパターンの方が多いです。
どんな美味しい食材でも、詰め込みすぎれば不味くなってしまいます。

これまで話してきた「要素を絞る」という事が出来ておらず、読者が置いてけぼりになってしまうのです。
話作りが難しい…と思う人はあまり大作を目指さず、シンプルで読みやすいものを目指してみてください。

壮大な世界観の話だとしても、その中の小さい一部の世界をキッチリ見せる事を意識しましょう。

そのために内容を精査し、ページをなるべく短くしてみてください。まず10ページ以内で描いてみましょう。
ページを制限すると、自ずと要素を削らなくてはならなくなります。それが要素を絞る練習になります。
それが出来るようになれば長編も描けるはず!


これまで書いたものはあくまで「作りやすい物語」についてです。
この描き方は難しい…という話で、この描き方は絶対にしてはいけない!という話ではありません。

創作は自由なものですが…
話作りがわからない、作れなくなってしまったという方の為にあえてテンプレートを作りました。
これを元に、自分なりに創作をどんどん広げて頂ければと思います!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?