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【良い会社認定 その2】世界で広がるソーシャルグッド&ベネフィットコーポレーション

今回の記事では、非営利団体B Labが認証する「Certified Benefit Corporation=Bコーポレーション」についてご紹介します。

非営利団体B Lab認証「Certified Benefit Corporation=Bコーポレーション」とは

米国ペンシルバニア州に本拠を置く非営利団体のB Labが運営している認証制度です。これまでに3,393社の会社、日本を含む71ヵ国で認証が進んでいます。(2020年7月1日現在 B Lab 参照

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2007年、スタンフォード大学出身のJAY COEN GILBERT|ジェイ・コーエン・ギルバート(右)と、BART HOULAHAN|バート・ホウラハン(左)によってB Labは設立されました。

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The B Economy(ザ・ビー・エコノミー)

Bコーポレーションが事業を行う目的は、”Redefine success in business.
”(ビジネスにおける成功を再定義すること)
です。資本主義の在り方を問われるようになってきた昨今の背景から、消費者の意識も変わってきました。

購入、サービスを受ける際には、環境に配慮している企業なのかが問われてきています。差別化を図るべく、厳しい審査を通った企業のみに与えられる小さな『Bマーク』は大きな判断材料となり、威力を発揮します。

これをB Labでは「The B Economy」と呼んでいます。

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認証制度

Bコーポレーションを名乗るには、以下の条件が必要です。

①Bインパクト・アセスメントテストの受講(公式ページはこちら

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ガバナンス、従業員、コミュニティ、環境、カスタマーの5つの分野で構成される200点満点の認証試験において、80点を獲得することが合格選定基準となります。事業規模や業種によりテスト内容は異なります。

テストを受けることが目的ではなく、如何に事業のアップデートを行い、ソーシャルグッドな社会実現に向けて活動できるかにフォーカスが当てられています。

STEP1 テストを受ける(90分弱)

テストを受けた後、B Labからスコアが返送されます。(80点以上マスト)

Patagonia, Inc.の事例
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STEP2 レビューとベンチマーク(比較)

テストスコアを他社(Bコーポレーション)と比較します。
可視化したスコアを社員とシェアし、意思疎通を行います。

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STEP3 改善する

スコアを伸ばせるよう、ロードマップの改善と努力を行います。
また、B Labからは無料の診断ツールも提供されています。

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②定款文書の変更(公式ページはこちら

国によりB Labのルールに則り、定款文書を変更する必要があります。
日本企業の場合、企業形態や定款を変更をする必要はないと記載がありますが、こちらの契約書にサインすることが義務付けられています。

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③レポートの提出(2回/年)

晴れて認証を受けた後からは、年2回のレポート提出が義務付けられています。レポートはB Lab公式ウェブサイトで一般公開され、透明性が保たれます。なお認定後も、社会状況は常に変化することから3年に1度アセスメントテストを再受講し、80点以上のスコア獲得がマストとなっています。

Patagonia,  Inc.の2018年レポート(クリックで詳細閲覧)

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④年会費

事業で得た収益の規模に応じて年会費を納めます。
以下は北米の基準です。(費用は各国で異なります)

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〜メモ〜

B Labは各国にグローバルパートナー制度を展開しています。日本はアーリーステージとして位置付けられており「B Market Builders」制度が設置されています。日本語でのサポートが受けれます。

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Bコーポレーションの代表例

【日本】
2020年7月現在、日本では5社が認定を受けています。

株式会社シルクウェーブ産業 群馬県 桐生市 (スコア93.9/200)
プラズマチタン技術で新素材開発、絹シルクウェーブ技術で新素材開発

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石井造園株式会社 神奈川県 横浜市 (スコア81.9/200)
公共施設工事・植栽工事、民間企業マンション外構工事、植栽、緑地管理

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フリージアハウス株式会社 東京都 千代田区 (スコア81.4/200)
ログハウス、スウェーデン住宅の設計・施工・販売、家具販売

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日産通信株式会社 東京都 江東区 (スコア88.3/200)
移動体工事、アクセス工事、セキュリティ工事

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株式会社泪橋ラボ 東京都 台東区 (スコア83.3/200)
国際協力、保健・社会福祉、その他・非営利活動に係る調査実施

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【海外】
記載した海外企業は、B Labトップページ掲載企業より抜粋しています。

Greyston Bakery, Inc. アメリカ ニューヨーク州 (スコア137.8/200)
ブラウニーの製造、販売

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Patagonia Works アメリカ カリフォルニア州 (スコア151.4/200)
アウトドアブランドの製造、卸、販売

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Cascade Engineering アメリカ ミシガン州 (スコア140.7/200)
工業用プラスチックの製造

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Natura Cosméticos SA ブラジル サンパウロ州 (スコア120.3/200)
化粧品ブランドメーカー、製造業

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New Belgium Brewing アメリカ コロラド州 (スコア136.5/200)
ビールの製造、販売

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まとめ

ここまでお読みいただきありがとうございます。

社会全体に対して呼びかけが必要なため、地道な草の根運動がBコーポレーションにとっては必要なようです。そのためYouTubeやインスタグラム等のソーシャルメディア、またBコーポレーションで活動している人々、*ツールを使用しているに人にフォーカスを当てたコンテンツを発信して拡散をしている様子です。

*SDGs Action Manager
SDGs目標達成に向け業績を見える化するツール


次回の記事では、もう一つの形態「Benefit Corporation Governance」について紹介します。

【著者プロフィール】
180株式会社(ワンエイティー)代表取締役 上仲 昌吾

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Twitter「@ShogoUenaka」でも発信しております


アメリカ・カリフォルニア州・サンディエゴで4年間過ごし、あらゆる価値観に触れてきました。現在ソーシャルビジネス事業化に向け構想中です。ソーシャルグッド、サーキュラーエコノミー、ベネフィットコーポレーションを実践されている方、是非とも意見交換をさせていただければ幸いです。