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未来ひよこ日記。薔薇の花束、菫の香り。

アルベルトが仕事かえりに薔薇の花束を買って帰ってきた。とっても良い香りがする。

いい香りといつもありがとう!気分良く言うとアルベルトはなぜかいつも少しだけほっとしたような表情を一瞬する。

薔薇の花束はアルベルトしか買っちゃいけないのが我が家の暗黙のルールになっている。なんでかはわからない。

何年か前のクリスマスにイギリスに遅れてやってきたものすごい雪の日にどうやって調達したのかわからないほど大きな薔薇の花束を携えてやってきた。(ロンドンの花屋さんに前もって注文していたのかもしれない)これにはフレッドも目を丸くしていた。懐かしい思い出。

うちの家に飾られている花の数々は私やフレッドが買ってきたりしたもの。で、いまはフリージアとグリーンが飾られていて家がフリージアの香りで華やいでいる。春っぽくて家が明るく感じる

甘くて少し重たい香りのそれはアルベルトの愛情に似ているような気がする。わたしは自分ではそこら辺の野原に咲いているような名もなき花が自分ぽいなて思ってたのだけど、アルベルトに言わせると、もちろん野原でのびのびと咲いているような可憐な花もひよこちゃんぽいけど、薔薇の花と香りみたいなのが本質的なひよこちゃんだと僕は思うんだ。とぶっちぎりの手放しで褒めてくれる。くすぐったいけどわたしはそういう言葉を疑うこと無く受け止められるようになってきた。アルベルトがそういうならきっとそうなんだろうって。
そしてそう思ったほうがずっと自分が気分よくいられるってことに気がついたのはいつだっただろう?

そしてスミレのキャンディーはフレッドが私にしか贈らないモノとしてアルベルトは買ってこない。

2人はわたしが統合の段階が始まったときに
さんざん話とをしたらしく、その時からいくつかのルールができたぽい。

2人はお互いに暗黙のルールを守っているらしい


ありがとう。

こんなふうになるなんてだれが予想しただろう。


春のある日に薔薇の花を眺めながらスミレのキャンディーを口に転がして家から見えるパリの街を見下ろしている。




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