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裏ひよこ日記。クリスマスプレゼントは女子力が欲しいです。

朝。目が覚めたら隣で寝ているはずのヤツが居なかった。

えー…女子力とは?クリスマスプレゼントにぜひとも女子力が欲しい。あと、ボン・キュッ・ボンなスタイルとかもお願いします。等を思いながらガウンを羽織って窓に近寄る。

うわっ!雪がふんだんに積もっている。

控えめなノックにはい。と返事をするとマギーさんが入ってきた。

お目覚めのようですのでモーニングティーをお持ちしましたよ。

昨日はよく眠れまして?
はい。お陰さまで。ぐっすり。

まあ。それは良かった。

マギーさんから紅茶を受け取り温かい紅茶を飲む。

あったかい。美味しい。ありがとうございます。

フレデリック様は日の出前から厩舎にいらっしゃいますよ。

厩舎?

はい。ご自分の馬の手入れと世話をしていますよ。

そうなんですね。

いつも帰ってこられたら一番に挨拶に行って世話をしてから丁寧にブラッシングされていらっしゃいますよ。

にっこりしながらマギーさんは言った。

わたしも見に行って大丈夫ですか?

厩舎は寒いですから
しっかり温かい格好で参りましょうね。

ということでコロコロに着ぶくれしたわたしは厩舎に行ってみた。

突然やってきたらクリスティがびっくりするかもしれないので控えめに慎重に厩舎にはいる。

あのー…

ブルルッと毛並みがツヤッツヤの栗毛の馬がいなないた。

ねぼすけが起きたらしいぞ、クリスティ。と
笑ってブラッシングしているフレッドにふんっと鼻を鳴らしてクリスティは軽く顔を擦り寄せている。

わたしそっちにいっても大丈夫?

だとよ?どうするクリスティ?
フレッドはニヤニヤ笑ってる。

仕方ないわね。入ったら?みたいな顔してクリスティはどうぞ。的な挨拶をしてくれた。

えっとごあいさつにリンゴとにんじんを持ってきたんだけど、喜んでもらえるかな?

そりゃ喜ぶだろうよ。な?クリスティ?

賢いクリスティは贈り物に免じて近寄ってもよろしくてよ的な感じでわたしを見た。

あははははっ!!

フレッドがいきなり笑い出した


なに?

いや、なんかおかしくて。

大丈夫だからこっちにおいで。

昨日までのフレッドとはまた違う雰囲気がする。言い方がなんか丸い?ような気がする

おはよう、クリスティ。私達、そろそろ打ち解けてもいいと思うの。そろそろほんとうに友達になれないかしら?わたしはクリスティを見上げてそういうと、クリスティはまっすぐわたしを見てきた。

…間があく

ダメか…

がっくり肩を落としかけるとほんとに軽くクリスティが鼻を擦り寄せてくれた。

いいの?ほんとに?嬉しい。ありがとう!

お近づきのしるしにどうぞ
リンゴを差し出すとクリスティはたべてくれた。

うれしい。一軍女子に私達友達よ?っていってもらった位になんかこそばゆい。

なんだその表現は?とフレッドは更に笑い出した。

クリスティは一軍女子だもん。

へえー。良かったな、クリスティ。
一軍女子だってよ?

もし、クリスティが私達の言葉を話せるならきっとこんな感じかもしれない。

なんだ?

あたしの主人の友達なんだからちゃんとしたコじゃないと認められないんだけどあんたは一応わたしに敬意を払ってくれたからね。

てなかんじとわたしが勝手なアテレコをするとフレッドとクリスティは目を合わせた。

あー、クリスティ。ちょっといいか?
俺からも話しがあるんだ。
クリスティの背中辺りをポンポンと優しくさすりながらフレッドはコソコソとクリスティに何かを話している

と、言うわけだ。クリスティ。いいよな?
クリスティはフレッドの肩口に顔を寄せた

なんていったの?

ひみつ。

ええー。

朝食だって呼びに来たんだろ?

あ、そう。それもある。

そこで待ってて。

クリスティ、悪い。俺も朝食食べてくる。また後でな。今日は軽く散歩しような?

フレッドはそういって飼い葉桶とか鋤などを片付けはじめ、綺麗に手を洗い、最後にまたクリスティをポンポンと撫でて厩舎を出た。

帰りみちあるきながら

ラブラブですな。というと
だろ?ヤキモチやいた?

やいたやいた。

朝起きたらいなかったからまたものすごい寝相で蹴り出したのかと自分を呪いそうになった。

というと

頭をくしゃくしゃにされた。
寝相…は昨日はなかったな。

ほんと?

ああ。動かないようにホールドして寝たから

…対策ですね?

昨日夜中寒かったからそこに絶好の湯たんぽがあったらホールドするだろ?

湯たんぽ係任命ありがとうございます。

ウソだよ。

湯たんぽ係ではないと?

それもないわけではないけど温かいからぐっすり寝れるんだよ。安眠枕みたいなもんだな。

安眠枕に昇格したんですね?

そうだな

大出世ですね?

だな。

…じゃなくて。安心して眠れるってなんかいいじゃん?

まあ…

わたしクリスマスプレゼントに女子力とボン・キュッ・ボンのスタイルになれますようにってサンタさんにお願いするつもりなんだけど。

は?なんで?

…雪遊びしまくって寝る前にさんざん食べて終いにホットドッグ2つも食べて気絶するみたいに寝たから。なんかものすごい女子力なさすぎなんじゃないかって朝起きたらつくづくそう思ったの。残念すぎない?

あはははははははははっ!!

フレッドはバカ受けしている。

しばらく笑い倒してそれからムニっとほっぺたを両手で挟まれた。

にゃんですか?

ぶはははは、お前ほんとかわいいな。

ひゃい?

女子力なー…あるだろ。

ほっぺたのムニムニはつづいている

ボン・キュッ・ボンは…それぞれ個人の好みもあるだろうからなあ…

ムニムニが止まった。

お前そんな自信ないの?

真面目な顔してかがんで顔近づけてきた。
目を合わせて離さない。

いや、、どうでしょう?

いつだってそんな事いってるけどオレはそういったスタイルの持ち主だってちゃんと知ってるし、女子力がないとか色気がないなんてこれっぽっちも思ってないからな。

さっきクリスティにな。

うん

オレの奥さんになってもらえるように今一生懸命アプローチしてるから邪険にしないでくれ。
て頼んだ。

顔赤いぞ?

寒いからじゃない?

ふうん。じゃあこういうのも?

人で遊ばないのっ!

挨拶だよ。挨拶。

ご飯さめるよ?マギーさんに怒られるよ?

…そうだな、急ごう。





















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