裏裏ひよこ日記。朝もやの銀世界
深夜映画観ながらポップコーンたべ、ホットドッグをそれぞれ2つずつ食べたら眠くならないわけがない。おやすみと互いに挨拶したら、言うが否やにひよこは気絶するみたいに寝た。それはもう健やかにスウスウいって寝た。
いや、いいけどな。外遊び存分にやってあんなたくさんいろんな物食べたら寝るだろ。
そりゃ何も期待しないわけではないけど。
しばらくモゾモゾ寝返り打っていたらひよこが寝言か起きたのかわからないくらいはっきりした口調で何かいった。
?!て振り向くがやっぱり寝てた。
自分にウケる。
隣に誰か寝てたら温かい。特にひよこが隣に寝てたらじんわり温かい空気がこっちまでくる。もうすぐしたら寝返り打ちまくるはずなのでその前に抱き込んで寝るのが一番いいな。
一応寝てるひよこに声をかける。
寝付けないから貸して。と断りを入れてから後ろから抱き込んですっぽりハマる位置に納めるとポワンとあたたくて柔らかい香りがしてそれでやっと眠りに落ちた。
いつでも出来るさ。今無理やりしなくったって。
夢をみる。あっちのひよこがあっちのオレに
見たー?ちょっとちょっと紳士じゃない?
お前悪趣味なんだよ。覗き見するなって。
覗き見じゃないもん。視えちゃうんだからしょうがないじゃない。
まあ、、でも結構やるな。
でっしょー?もー、ひよこちゃんはかわいいがすぎるしフレッドは大事にしてるのわかるし。もーわたし幸せで鼻血でるかも!
…落ち着け
だって尊いじゃないよー。
あの2人そういうのはじめてじゃないのよ、でも初々しいのー。なんか尊くない?
…それだけ大事なんだろ。
もーもーときめきで爆死するかもっ!
ああほんと幸せになるのよ。ヤバい泣けてきた。はー、羨まし。
…落ち着け息を吸うんだ。ひとりで盛り上がるな。(オレがいるのになんであっちにときめくんだよっっ!!)
あっちの2人が特にあっちのひよこがひとりで盛り上がりまくるのをあっちのオレがなだめている様子がなんか面白かった。
いつものように日の出前に目が覚める。
クリスティの世話に行かないと。
しばらく会ってないから寂しがっているかもしれない。
ネルシャツにセーター、作業用の分厚い風除けジャンパー、コーデュロイのパンツに分厚い靴下に長靴で表に出る
朝もやと雪で一面銀世界。吐く息が白い。誰もいないこの時間のこの空気感が結構気にいっていてサクサクと雪を踏んで厩舎に行く。
飼い葉桶や鋤、バケツに水を汲んでそれから厩舎の掃除。吐く息が白い。クリスティ風邪引いてないといいけれど。
クリスティおはよう。今日はまた寒いな。具合はどう?ヒーターはちゃんと効いていたか?
ブルルッってクリスティが返事する。
クリスティに挨拶をして健康チェックをする。
餌もちゃんと食べているし水も減っている。
…よし大丈夫。
じゃあオレ今から掃除するからちょっとまってな。
藁を鋤で集めて床の掃除。新しい藁と入れ替える。
それから水飲み場の水を一旦全部捨て新しい水を入れる前にブラシで汚れを落として新鮮な水をいれる。餌はちゃんと食べたか確認。うん、大丈夫。餌入れも同じように掃除して新しいものに入れ替え。
クリスティがじっと見ながらジャンパーのポケットをつつくので食いしん坊め。と言いながらにんじんをあげる。
ブラッシングをしながらオレの独り言のような独白をクリスティはじっと聞いている。
クリスティは帰るたびにひよこの話しをさんざん聞いているから別にひよこの事は嫌いではなくむしろそんな好きならはやく貰えという態度をみせる。
クリスティはひよこが来てるとオレをつつく。その何分か後に厩舎にひよこがやってきた。
ひよこはクリスティに一生懸命話しかけている。人間の女の子に話しかけてるみたいにお友達になりたいといっている。
クリスティはひよこに許可をだした。
気性が荒い訳では無いがクリスティは人を選ぶ。賢いクリスティはひよこを認めた。
ほら主、わたしが認めたんだから早くこの人を名実ともに家族にしなさいよ。と言わんばかりの目をした。
朝もやの銀世界でひよこはクリスマスプレゼントは女子力とボン・キュッ・ボンのスタイルが欲しいですとサンタクロースにお願いするとか言っている。
既に持っているそれらをこの人は持ってないと思っているらしい。持ってないから何にもしない。と思われたら困るので伝え方に注意を払い、きちんと持っていると伝えた。
オレ健全な男子だぞ?
本能と理性の戦いぶりは相当なもんなんだけど。
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