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多言語で子どもと交流する日常

最初「バイリンガルの育児」とか「多言語の育児」にしようかと思ったのだけど、そういうのともちょっと違うかな〜と思ってこのタイトルにしました。先ずうちの子が「バイリンガル」なのかはちょっと微妙で、でも「マルチリンガル(3つ以上だという含みを持った)」とあえて言うほど中国普通話&広東語は強いわけではないし、あと多言語話者になることを目指したり維持させようとして育ててるのでもなく自然な成り行きなので、そこのところのノウハウとかが目的な人には肩透かしとなってしまうかなと。ハッシュタグで来た方、欲しい情報と趣旨がズレてたらすみません。

今月末の保護者面談(前回投稿の後で変更があったようでけっきょくほとんどの教科が対面となりました!頑張るゾー!)を前に、学習評価の中間報告が出たのですが・・引き続き数学の評価が低く出ていたのでどうしたものかとちょっと心配。この学校に入学した年には試験の結果が良かったもので選ばれて数学は一番上のクラスからスタートしたのですが、各種公式などを既に全て学んできたようなものすごい子ばかりでしんどいと言って一つ下のクラスにおとしてもらってから迷走が始まりました。先生の教え方が全く違うらしく、息子は「考え方」を教えてもらいたくて「やり方」はあまり押しつけられたくないタイプなのが軋轢を呼んでしまい、かといって上のクラスには戻りたくないしそもそも一つ下のクラスになってから評価がぐんぐん落ちて来たので上のクラスに引っ張ってもらえる要素も無い感じ。相変わらず試験をすればまあまあの成績が出るのですが、先生の方はそういう子どもは大っ嫌いだろうし、また息子の方も既に数学に対する情熱も失っており、親としては残念な限りです。息子曰く「分かってるんだから(先生からの評価が低くても)良いと思ってる」とのことだけど・・先生からの評価を基準に進学に関わるいろんなことが決まってくると思うんだけどなぁ。
で、息子にテキストメッセージを入れてたら電話して来てくれたのでちょっと話したのですが、そう言えば、私たちって話す時は日本語・英語混じりで話していて、だんだんこの日本語・英語混じりが適当でないシーンが増えて来たよな〜とあらためて感じ入った次第。

テキストメッセージやメールはうちは息子が日本語の読み書きができないこともあって、英語のみで交流しています。これ別に識字が弱い子でなくても、日本語以外の主言語がアルファベットのマルチリンガルであるという方が「日常的な文字やりとりはアルファベットの言語(往々にして英語)を使ってる」ケースは、多いのではないかと思います。アルファベット以外のキーボードが入ってるパソコンや携帯電話などのデバイスって基本的にその国に行かないと入手しにくいもんですが、逆にアルファベットならどこの国で買っても最初から入ってるから。フランス語みたいにアルファベットだけど英語のアルファベットとちょっと違う(言うなればアルファべ)場合は言語をインストールする或いは最初からパソコンで選択すれば支障無いのかも知れませんが、例えば中国語のストローク入力もロシア語もアラビア語も、最初からキーボードに刻印されてないパソコンを使っては、なかなかできるもんじゃないと思います。文字のコミュニケーションとして英語が強いのはこういうツールからくる理由もきっと大きいんだろうなと思う。

とういうわけで、うちは文字コミュニケーションは英語、口頭では英語・日本語交じりとなるのですが・・口頭で話してると時々「お母さん日本語で言えば良いのに」と言われることもあるけど私としては「お母さんが全部日本語で話したらあなた理解できるの?」という気持ち。息子が香港でインターナショナル校へ進学することになった日から意識してして来たことなのでそれで良いと思ってるのですが、私は息子に対して新しい知識や概念を教える時は調べてでも先ず英単語で入れて来て今に至るので、息子の中で英語の語彙が十分に溜まって来て自分で興味あるものを情報収集できるようになり、より深い話題や概念をシェアできる年齢となっても、少なくとも私の方からはその単語を日本語では教えてないし、全て日本語で話してしまって果たして息子が理解できるのだろうかと言えば疑問、という状態になってしまっています。絶対に伝えたいというようなことでも無い場合に、試しに日本語で言ってみたら通じることもあるので、息子は息子で私が教える教えないのレベルを超えて独自の日本語話者としての人生を生きているのだと思います(いま周りに日本語を話す友だちはいないのできっとネット通して観てる映画を含む動画や日本へ帰国してる時の経験からだと思う)が、それにしても例えば私が読み書きしたり日本人の友人相手に話すほどの日本語表現には程遠いと思っています。
だからと言って、私の英語にそれに取って代わるほどの表現力が有るかと言えば・・正直、息子の日本語能力と比べてどっちがどうって案外どんぐりの背比べ的になって来たのかも。息子が「お母さん日本語で言えば〜」と言うのは、私が英語で何か言おうとしてる時にいまいち意味がよく通じてないからなんだと思います。かといって日本語で言って通じるのか?という話に戻ってしまうけれども。

今日のケースでは、たまたま電話で一通り話し終わったくらいの時に突発的なことが起こって電話を切らざるを得なかったのですが、電話を切った直前では息子は「それはもう前に話した気がするけど」「methodとかの問題じゃないから」と苛立ってたようなのですが、電話を切ってから全部英語のテキストメッセージで私にとっては同じことをまとめて書いたところすんなり通じて、肩透かし。
私も海外に出てから長く、普段から仕事のメールは半分くらいは英語、学校や病院含む各種サービス関係とやりとりが必要な場合のメールも全て英語という人生なので、書く方ならまだマシというか、それは発音がまずいとかそういうことではなく、書き言葉だと出てくる英語の表現や文章構造があって、それを介してコミュニケーションをする英語がまだマシ、なのかも知れません。

自分の子どもなのに通じないのか?と言われれば、イエスともノーとも言える話で、自分でもお互いに完全に理解し合えるコミュニケーションが持てたら素晴らしいのになとは思ってますが、多言語環境下で関わってゆく親子関係というのもまた私たちの人生なので、まあ今は今できるやり方で日々を送って行ければ良くて・・それ以上を望むならば、そろそろ私の方がもう少し英語できるようになるか、或いは息子の方が日本語読めるようになったら(読んで獲得できる語彙は聞いて獲得できる語彙の比ではないから)良いなと・・まあ後者の方はちょっと芽が無い感じですが、思ったりしてる次第。
きっとただでさえ親と子の思考が離れてゆく年齢なのですよ。
そこに、多言語環境という環境要因が加わって来る。
ご両親とも日本人での多言語育児なのか国際結婚子育てなのか、言語的に「母国」に住んでるのかどうか等などいろんな条件があるとは思いますが、何事にもそれなりの利点があって欠点があるから、妙に凹んだりせず粛々と生きてゆくだけ。