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ボディビルダーの筋肉は使えない筋肉!?

ボディビルダーって、めちゃめちゃ太い筋肉を持ってます。めっちゃ力ありそうですよね。
でも、実際は。。という所を今回は紹介します。

最大筋力や最大パワーは、主に生理学的横断面積に依存していると言われています。
しかし、これはただの傾向を示しているだけで、厳密にそうだ!という因果関係を示しているわけではありません。

というのも、単位筋あたりの筋力(固有筋力)は変化しうるからです!

例えば、筋線維レベルで固有筋力は異なります。筋線維には、速筋線維と遅筋線維がありますが、速筋線維の方が遅筋線維より10〜50%ほど固有筋力は高いと言われています。
(だから、速筋線維だけを集めた筋の横断面積と遅筋線維だけを集めた筋の横断面積あたりの最大筋力は、面積が一緒だとしても差が出る事がわかります。)

また、一般人、パワー系アスリート、ボディビルダーで筋生検(筋を外科的に取り出す)して固有筋力を見た研究があります。
この結果、パワー系アスリートの筋線維は、最大パワーや筋量あたりのパワーは一般人より遥かに高い。
ただし、ボディビルダーの筋線維は一般人と最大パワーや筋量あたりのパワーは一般人と差がない事が報告されてます。

さらに、筋線維が太いと固有筋力は低いということまで報告されています。

つまり、
●パワー系トレーニング
→筋線維の力発揮、パワー発揮能力には影響を及ぼさない

●筋肥大系トレーニング(バルクアップ型)
→筋線維レベルの力・パワー発揮の点において、筋の質を低下させる可能性が!!

という事です。

では、何故ボディビルダーの固有筋力は低いのか。
まず、ボディビルダーの外側広筋の横断面積は一般人に比べて54%も大きい。
だが、筋線維横断面積の差は14%しか差がない事が示されています。

で、さらにさらに
この「筋線維横断面積が広くなった」という事は「収縮タンパクが増加した」という事とイコールではないという事。
(「収縮タンパク」というのは、ミオシンやアクチンといった実際に筋収縮をしている物質のこと)

筋トレを行った筋線維を電子顕微鏡で確認した研究によると、
筋線維横断面積が増加するのに伴い、筋原線維(主に収縮タンパク)は少なくなり、「筋形質」が占める割合が増加していることを報告しています。

つまり、筋トレによる筋肥大応答には、収縮タンパクの増加以上に、細胞内液、筋系質たんぱく質、グリコーゲンなどといった筋系質が増加することによる筋線維の成長が影響を及ぼしているという事が出来ます!!ここ大事

まとめると、
バルクアップ型トレーニングは筋肉をデカくすることには特化していますが、筋線維レベルでの力、最大パワーの発揮能力を落とす可能性もある事がわかります。

というと、スポーツにおいて、バルクアップ型トレーニングを行い筋が大きくなった。
→スポーツパフォーマンスも向上

という流れにはならない事です。
ので、スポーツとボディメイクではトレーニング方法が異なる事を抑えておいてください!!

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