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遺品整理で涙。金庫の中に平箱があり、その中に風呂敷、その中に母の『優しい心』があった。

遺品からの視点

金庫の中には、身に着けていた宝石や金の時計、そして古銭があった。
化粧箱があり、その中に風呂敷がその中に母の優しい誠を感じた。

まさか金庫の中にこれらの資料が収納されているとは驚きと感動であった。

そしてfrom JAPAN・・・to bio14 SLOVENIA 1994と毎日新聞の4つ折りがあった。

風呂敷と一緒に私の受賞記事が収納されていた。
毎日ID賞の新聞・審査委員浅田孝、栄久庵憲司、菊竹清訓、寿美田与一、鶴岡英世、野口瑠璃、
平尾収、皆川正、森政弘の各氏 専門委員・若林茂、川添不美雄、斎藤豊人の各氏
丁寧に赤線で詳細を読んでいたようだ。

特に母が読み返したところは、赤線が引いてあった箇所を
太文字でしるししておきます。

特別課題選評への思いの赤ライン

都市への提言に集中・小さな対象にも目を

 特別課の特徴は、みずからが条件を設定してデザインを行うことにある。それは、デザインというプロフェッショナルとしての人柄的な視点が問われることであり、プロフェッションとしての方法、すなわち職能としての専門的知識と方法を通して具体的成果物を創りだすことである。

今回で特別課題は第四回を迎えたわけだが、とりわけ今年の「自己のもとめるデザイン」は対象選択には自由なるが故にきびしいテーマであり、おそらく応募を思いった多くの人々に、あらためてデザインの意味の重さを感じさせたにちがいない。応募の傾向は、第一次審査に残された五点が、共通して屋外公共環境に対象を得たことで説明されるが、社会問題に直結される街づくりへの参加意識によるものが主流であった。

「このままでいいんですか」と訴えた特選入賞作は、工事中の道路にだれもが経験する不愉快さに素直な発想で挑戦した。
まとまりも無理をせず好感がもて、早速実現してほしいというニーズに応えた作品であったので、特選決定は審査員の一致意見であった。

しかし、入賞作を含めての傾向が、都市環境への提言であることは、インダストリアル・デザインの可能性の拡大において評価される一方、新たな専門知識の消化がのぞまれてくる。 特別課題設定の意義は、デザインによる社会提言の場が与えられたことである。回を重ねることで、課題の意図にせまるテーマ設定が多くなってきたことは喜ばしいことであるが、提言の趣旨がインダストリアル・デザインの方法において解決されていることが肝要であろう。

デザインの視点は生活者としての観察のたしかさが基盤である。 テーマを追うあまり、むやみに問題背景を大きくするだけでなく、むしろ、小さな対象にも新たな目をむけてみることも大切ではないか。

インダストリアル・デザイナー
野口瑠璃

特別課題については、文句なしに飯田吉秋氏他三名の<工事現場における囲いの問題が入賞。その他、自転車置場や都市の緑化計画、ゴミ分別収集提案など、公共性のある提案が目立った。

デザイン・コーディネーター
斎藤 豊人

from JAPAN・・・to bio14 SLOVENIA 1994

私は、幼少のころから、母から設計者になることを望まれていた。それゆえに作品や仕事のことについて留めていたようだ。

bio14 SLOVENIA 1994 CD STACK

ニューヨーク近代美術館(MoMA)に永久コレクションされた「PLATEON」

金庫の中にもう一つ、大切に保存されていたPLATEON 1986年10月発売したカードスタイルのソーイングセット「PLATEON」 ニューヨーク近代美術館(MoMA)に永久コレクションにされたものでした。

この商品は、最先端のノウハウや加工技術を駆使した技術融合によって生み出されたコンパクトで細部まで配慮した精微性を追求し日本を表現したと言われている私の代表作でもある。丁寧に所蔵してくれていた。
感動と涙が込み上げた。40年近く大切にしてくれていたのである。

親のありがたさが身に沁みた日でした。  2023年10月26日


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