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姿勢もファッションの一部 女優ローレン・バコールに学ぶ

映画の魅力は、セリフ、音楽、沈黙、ドラマといろいろあるが、「女優から学ぶ」となれば一番は、その“動き”だろう。

小さな動きとしての“しぐさ”については、すでに何回か書いてきた。個人的には、フランス女優のしぐさのチャーミングさは抜群と思っていて、映画の主題を忘れて見入ってしまうほどだ。

けれど、今回の女優はアメリカから。ローレン・バコール(Lauren Bacall)という女優をご存知だろうか。

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アメリカという国は、1943年(戦時中)にも映画を作っていて、彼女はそんな時代に映画デビュー。ファッションの歴史を少しでも勉強すると、1940年代は、「ボールドルック」と言って、肩パットのしっかりと入った、まるで戦争中の痩せた身体を隠すようなジャケットが流行っていたのだと分かる。

そのすっきりとして緊張感と存在感のある肩から、すっとおりた背中、つまり“姿勢”が抜群な女優こそが、ローレン・バコールなのだ。

最近、街へ出て人の流れを見ていると、姿勢の素敵な人が少ないなと思ったりする。自分も大丈夫だろうかと気になり、少しでも鏡やガラスがあるとチェックしてしまう。姿勢が悪く見えるのは、スマートフォンを覗きながら歩いているからなのか、心理的に周りを気にしなくなっているのか、または別の理由があるのかは分からない。けれど、靴の履き方、歩き方、電車内での座り方など、素敵な“姿勢”に出会えないのは残念だ。

“姿勢のよさ”がもたらす効果は大きくて、もしかするとファッションを選ぶ以上の力があるのかもしれないとも思う。そして姿勢のよさは、人物としての信頼感や信念、また視線やしぐささえも、重厚なものにしてくれる。

選んだ靴を丁寧に履いて、骨盤を意識して歩き、素敵な姿勢で街へ繰り出そうではないか。

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