見出し画像

2022京都旅②


2日目
曇りのち雨


二度目の六角堂。
泊まったホテルが目の前だったのでお参りさせてもらう。
ここの幸福守りはほんと可愛いんだよなぁ。

水晶のハト

境内の鳩はぷくぷくしてて全然逃げなくってどっしりしてて、なんか本当に「幸せの象徴っすね」て感じで頷ける。


その昔、親鸞の小説にはまったことがある。

浄土真宗の開祖親鸞は、自ら己を凡夫といい放ち、人間味に溢れ、貧しい庶民に寄り添った人。神とは程遠いその人柄をとても魅力的に感じた。
比叡から下山して六角堂に籠ったとされる親鸞聖人。ここで聖徳太子によって夢告を受けたという有名な場所。
街中にひっそりと佇むこの場所は、どこか違う空気をまとっているような気がするのだ。

縁結びの柳が美しい

迷った。
迷ったのは朝ご飯。

前田珈琲本店
朝カレー

人気のおばんざい店の予約も断られ、他の店も恐らく似たり寄ったりだろうと、少し歩いて近場の、長らく愛されている老舗の喫茶店へ。
多くのモーニングメニューからこれを選ぶ女もなかなかおらんだろう。

満腹というか、まさにはち切れんばかりのお腹を抱えてお店を後にし、六角堂前の風情あるスタバに立ち寄ってほうじ茶ラテをテイクアウトしホテルへ戻る。
昨日と同じホテル内のスパに行く時間もあったのだけれど、多分人が多いだろうなぁ、となんとなく諦めて部屋のお風呂に湯をはる。ここも全然広くてきれい。
食べ過ぎた。
食べ過ぎたから出さねばならぬとチェックアウトすれすれまで部屋に籠って、NHK朝ドラ“カムカム・エブリバディ”を衛星放送で一気見する。
なんとよく出来た脚本。
この脚本家の「ちりとてちん」は朝ドラ史上、いやドラマ史上最も優れていたと言っても過言ではない。もちろんわたし史上。
そういえば、るいたちも京都に住んでいるんだっけ。

ようやく体を整える準備ができ、ホテルをあとにす。

青いボトルが愛らしい

東京のブルーボトルコーヒー日本1号店、清澄白河へ行った時を思い出した。
珈琲の味もわからないけれど、なんでかこの青いボトルがセンス良くって都会的で憧れたんだよなぁ・・
京都らしい佇まいの、京都六角カフェ。


その後、近くの京都文化博物館へ。

重厚感ある佇まい
 色彩豊かな浮世絵 

興味があるわけではないけれど、なんか旅に出ると、近くの美術館や博物館へ立ち寄るクセがある。
趣ある建物の、この京都文化博物館内でやっていた特別展を観ることに。
まあまあ人がいるため、思い通りには進めない。
さほど興味のないコーナーでも念入りに説明文を見やってゆっくゆっくり牛歩で進む。

久しぶりに教科書ではない浮世絵を見て
その特有の艶やかな色彩も構図も人物の描き方も
歴史を感じられ、斬新な展示で面白かった。

ただ
途中の怪奇コーナーでは
ばっさばっさと主に女が斬られる
浮世絵の群に少々辟易。
(その理由も浮気されたやら裏切られたやらただの勘違いやら)
いつの世も、女は男の暴力によって数々の理不尽な目にあってきた。
ここでもそれを思い起こされるのか、と
半ばヒーローもどきに祭り上げられる
勇ましい男たちの絵を見ながら
どこかうんざりした。
どこかで見たような豪華絢爛の吉原の構図も
悪しき日本が創り上げた場所を
煌びやかな場所に置き換える
見飽きた光景だった。

芸術とは一体何ぞや?
最近では海外でも日本でも大量に発掘される
裸婦像などを見てもそう思う。

京都文化博物館 特別展“挑む浮世絵”国芳から芳時へ


丸善のレモンケーキ

旅の最後は京都丸善カフェのレモンケーキ。
それにしても、場所が小洒落たビルの地下に移っていて看板も出てないのでびびった。
丸善といえば、文豪の小説やエッセイに幾多も登場し、さらにここ京都店で超有名な、ザ・情緒不安定男「梶井基次郎」とレモンの不可思議な関係性を知らない人はいないのでは。
もちろん爆発しない、映える美しいフォルムのレモンケーキを食して早々に店を出る。

新幹線の時間に間に合わない訳ではない。
ただ心配症で、いつも出発時刻の最低でも1時間前には駅に着いていないとダメなのだ。
だから今回も、降り出した雨に追われるように京都駅へ着いた。
2時間前。
レストランやカフェで休もうにもどこも混んでいる。

そう、薄々分かったとは思うけど、私は並ぶのが嫌なのだ。人混みも嫌いなのだ。(京都に向いていない人間)
それを避けるように避けるようにして至った時刻はまだ午後3時前。1時間後に新幹線に乗っても6時前には地元に着く予定なんである。
夜更けに辿り着いた駅の、あの、店も閉まり、だだっぴろい構内が祭りの後のように物哀しさを漂わせている感じが嫌なのだ。
人混みは嫌いだけど人がいなさすぎるのも嫌なのだ。

だから私は日も暮れぬうちに新幹線に乗る。
まだ帰りの車窓から夕陽が見える時間帯に。

ビールと焼き鳥

本当のシメはこれでいくことにした。
朝カレーが漸く消化しつつあって小腹空くも、どこのお店にも入れなかったためやむなし。
ちょい半端な居酒屋新幹線である。


ということで旅終了。
帰宅して早々、リベンジ京都旅の計画を練ったのは言うまでもありません。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?