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UPDRS Part Ⅱ 2-9 ~ 2-10

UPDRS PartⅡもこの9からは、運動症状っていうことでの項目が増えてきているように感じます。
理学療法士だからでしょうか。でも、これまで、みてきた食事動作は、生きていく上ではかかせません。

では、UPDRS Part Ⅱ 2-9の寝返りからみていきます。

UPDRS Part Ⅱ 2-9 寝返り

【引用開始】
2.9 寝返り
この1週間を通して、通常寝返りしにくかったですか?

0:正常: そのようなことは、まったくありません(問題なし)。
1:ごく軽度: 私は、少し、寝返りがしにくいですが,全く手助けなく
できます。
2:軽度: 私は、とても、寝返りが困難で、ときに人の助けが必要です。
3:中等度: 私は、寝返りするとき、しばしば人の助けが必要です。
4:重度: 私は、人の助けなしでは寝返りすることができません。
【引用終了】
【出典元】Official MDS Translation Copyright | Last Updated January 29, 2019© 2014 - 2019 International Parkinson and Movement Disorder Society

パーキンソン病患者さんは、起居動作のなかでにがてな動作に寝返りがあります。本当に苦手です。

頸部や体幹の回旋の関節可動域(ROM)制限があることも影響していましね!

UPDRS Part Ⅱ 2-10 振戦

【引用開始】
2.10 振戦
この1週間のあいだ、ふるえあるいは振戦がありましたか?

0:正常: まったくありません。ふるえや振戦はありません。
1:ごく軽度: ふるえあるいは振戦がありますが、どんな活動にも支障はありません。
2:軽度: ふるえあるいは振戦のために、いくつかの活動に支障があります。
3:中等度: ふるえあるいは振戦のために、多くの活動に支障があります。
4:重度: ふるえあるいは振戦のために、ほとんど、あるいはすべての活動に支障があります。
【引用終了】
【出典元】Official MDS Translation Copyright | Last Updated January 29, 2019© 2014 - 2019 International Parkinson and Movement Disorder Society

ガイドラインによると振戦の項目には以下のようになっています。

【引用開始】
静止時振戦は、パーキンソン病診断に極めて重要である。一方、その他にも姿勢時振戦、運動時振戦、orthostatic tremorが知られている。また、姿勢時振戦の一型であるre-emergent tremorは診断の価値が高く、静止時振戦が通常、動作開始により軽減されるのに対して、その姿勢を一定時間保つことにより出現する。日常生活では新聞を読んだり、電話を持った姿勢などでよく観察される。
【引用終了】
【出典元:パーキンソン病診療ガイドライン2018 第3章 Q and A 3-1】

ふむふむ。ふむ?
静止時振戦。はい。静止時に震えるやつです。よくわかります。
姿勢時振戦?ある一定の姿勢を一定時間保つと出現するもののようです。この振戦は、確かに、臨床上、みかけることはありました。
が、この振戦にも名称があったのを知りました。
やっぱり、UPDRSなどの評価指標や、ガイドラインをみるっておもしろい!!

というわけで、調べてみましょ。

姿勢時振戦とは、 上肢や下肢を、抗重力で保持しているときに最も顕著に出現する。振幅は5-8Hz。
【参考資料】
MSD マニュアル プロフェッショナル版
花島 律子.振戦の病態生理学.Rinsho Shinkeigaku 53(11), 1276-1278, 2013

なるほど、振戦という症状は、同じように見えても要因は色々あるので鑑別に使用することができるわけなんですね。脳幹、錐体外路系、小脳などなど。

そして、 orthostatic tremor ? 
起立性振戦というもののようです。これも、自分は初めてきいた。知らない!そして調べたけどあんまりないな。そして、まだわかっていないことも多い。

 orthostatic tremorとは
立っているときに不安定さがあり、下肢、体幹、上肢に13-18Hzくらいの速い振戦が生じる。座ったり歩くときには安定し振戦は出現しない。
【参考文献】
Julián Benito-León, Ángela Domingo-Santos Tremor Other Hyperkinet Mov (N Y) 2016; 6: 411. Published online 2016 Sep 22. doi: 10.7916/D81N81BT
PMCID: PMC5039949
動画で見るほうがわかりやすいけど。この動画が、パーキンソン病の起立性振戦かどうかはわからない。
【参考動画】Orthostatic Tremor

 そして、re-emergent tremor これは、再現性振戦です。
文章でみるとなんだろうってなりました。

【引用開始】
両手を前方水平に挙上すると振戦がいったん消失し、数秒~数十秒の潜時の後に再び現れるもの
【引用終了】
【出典元:パーキンソン病診療ガイドライン2018 序章】

や、

【引用開始】
静止時に振戦を認めるが、その肢お動作中は抑制され、肢が一定の姿勢を保っていると数秒ないし10秒の潜時を経て再現するタイプの振戦がある(re-emergent tremor)。
【引用終了】
【出典元:パーキンソン病診療ガイドライン2011】

となっています。

いやー振戦。いろいろあります。


勉強になりました。

次は、UPDRS Part Ⅱ 2−11 〜 2−13 です〜


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