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THE SECONDの誤解と弁解

生放送から半月

THE SECOND2023の生放送から半月が経ちました(もう!?)。
あの時感じたことや反省点など、時が経つにつれて忘れてしまうので
来年の自分のためにも書いておこうという気持ちです。

優勝したギャロップさんには先日お二人で
「酒のツマミになる話」に出演していただきました。
6月23日(金)に放送予定ですので是非見てください。
いや、絶対に見てください。

ギャロップさん、大忙しおめでとうございます。

あと東野さんがABCのホンモノラジオで
THE SECONDの感想を喋ってくださいました。
「地獄の2分ショート」についても語ってくださってました。

(打ち合わせの話は本当ですが
 そんなに高圧的には言われてないです。とても和やかでしたよ!)

今回「誤解と弁解」だなんて大層なタイトルをつけてしまっていますが
これは、懺悔でも反省でもなく、色んなところでお褒めの言葉を頂いて、
ものすごくむず痒い気持ちがあります。
作家の飯塚さん曰く、「日置さ〜〜ん!」になってるらしく・・・
(なってない)

飯塚 今、井口くんが言う「あぁ~」系(※)の人の、「佐久間さーん!」が「日置さーん!」になってて。

※編集部注:芸人の裏側を知ったときに「あ、あ、あぁ~! こんなに考えてたんだ~!」というリアクションを取るお笑いファンのこと。「3月のお笑い」で登場した言葉。

お笑いナタリー

僕はそんな大層な人間ではないと言うことと
この大会が完成形ではなく、まだまだ発展途上であることを伝えたいと思い
このnoteを書き始めた次第です。

正直自分でも読み返すのが面倒くさいぐらい長いので
読んでくれる方、すみません。ありがとうございます。

カメラロールを見返してみたら、得点CGを作るためや
漫才師さんのセンターマイクまで着くストロークを確認するため
そして漫才師の目線から見える客席との高さの調節をするために
生放送1ヶ月前にスタジオでやったシミュレーションの映像が出てきたので
そちらも自分の忘備録として後日アップしたいと思います。

今回初めて有料部分を作りました。
ただ半分以上は無料で読めるようになっております。
多分無料部分でお腹いっぱいだと思います。
有料部分は番組作りにおいての裏側的なことや
あまり大声で言いたくないことを書いていますので
本当に食べ足りない方がデザート感覚で読んでいただけたら幸いです。

エモの誤解と弁解

お涙頂戴は禁止!

「番組冒頭のVTRに漫才前のVTR
 生放送中のこちらが提示する映像に関して
 涙を誘うようなことは絶対やめましょう。」

これは映像制作班と最初に決めたことです。
16年以上漫才を続けてきた人たちですからきっと
辛いこと悲しいこと、誰のために漫才をしているのか、支えてくれた家族
涙を誘うようなストーリーがあちこちに転がっていると思います。
でもこの大会は不幸自慢の大会じゃない、漫才の大会です。
なので事前のVTRでこの人に勝たせてあげたいと思ってしまう
お涙頂戴的なVTRは不公平になるのでやめましょうと話しました。
特に審査員を一般の方に委ねた以上、VTRに審査が引っ張られることは
絶対に避けたい。

ただ、漫才師さんにとっては「晴れ舞台」だから
とにかくカッコ良く、家族が「お父さんカッコイイ!」とか
ずっと応援したきたファンが「@@さんカッコイイ!」と
思ってもらえるものにしましょう。と
結果「ちょっと泣かせにきてる」VTRに仕上がってしまったことは
完全な誤解というか誤算です。
本当にこちらとしては「漫才師をカッコ良く見せる」ことに
こだわった結果ですので弁解させていただきたいです。

滝沢さんビジュ爆発現象

そんなわけでカッコ良く演出できたからなのか
マシンガンズの滝沢さんがカッコイイと話題に・・・(笑)
いや、確かに僕も生放送中に画面見て
「滝沢さんってイケメンなんだな」と思ったけど!

「田中圭だ!」「いや長谷川博己だ!」「いやいや、戸次重幸だ!」
は各々でやってください。

そんなわけで「エモにならないように」と決めていたのに
結果として「エモい」と言われてしまったことに関しては
こちらの意図しないところだったという弁解でした。

4時間10分の誤解と弁解

4時間10分は長いのか?

先に言っておきます。僕は長時間番組は好きではありません。
どんなに好きな番組でも「3時間スペシャル」
ましてや「4時間スペシャル」なんてなかなか見ません。
でもそれは「録画」の場合です。
毎年見るM-1グランプリ(3時間半)や
キングオブコント(3時間 ※過去には4時間の時も)は
リアルタイムで最初から最後までテレビに齧り付いて見ています。

僕がお笑いが好きだから、そしてこの仕事をしているというのもありますが
「優勝者が決まる」というゴールに確実に向かっているから
最後まで見届けようという気持ちになるのだと思います。

これを長いと感じるのは人それぞれなので何とも言い難いのですが
「3時間でいいんじゃないか」という人は是非ご自分で
シミュレーションをしてみてください。
漫才の尺、得点発表、ルール説明、さらにCMの数などなど
どんなにテンポ良くやったとしても3時間には入らないと思います。
つまり生放送の賞レースで一番あってはならない
「尺バースト」です

尺に入らないということは生放送中に優勝者が決まらないということです。
優勝者は決まったとしてもその喜びの言葉を伝えられずに
駆け足で放送を終えるということです。
それこそ「尺バースト」からの「大炎上」です。
1ヶ月、いや1年、もっと長く炎上します。
「2度とフジテレビはコンテストをやるな!」
そう言われます。後輩たちにも迷惑がかかります。
ただでさえ「フジテレビです!」だなんて胸を張って街を歩けないのに
石をぶつけられるに違いありません。
おまけに「芸人ファーストなんです〜」なんて調子こいて
僕はインタビューに答えているわけです。
「尺も入れられないのに何が芸人ファーストだ!」と
批判されるに決まってます。

※僕は生放送が大失敗して、この記事を引き合いに出して
 ネットで叩かれる夢を何度も見ました・・・・

とにかく「ノー炎上賞レース」を目指しているわけですから
多少オンエアが冗長になったとしても「尺バースト」は
絶対に避けなくてはなりません。
「いや、漫才を6分じゃなくて4分にすれば入るだろ」
「客審査にしなければ済む話だろ」
っていうのは論点が違うのでご了承ください。

尺を余らせろ!

4時間10分もあるから
「番組の冒頭は20分ぐらい今までのダイジェストや煽りVTRを流して〜」
と最初は考えていたのですが
4月上旬の台本会議で「これ尺に入らなくない?」となりました。

ノックアウトステージでは1つの対戦にかかる時間が大体25〜30分
そこにCMが入ったら1対戦35分・・・
これが7対戦あるから245分(4時間05分)・・・
あれ?オープニングやエンディングは?

「まぁ、テンポ良くやって貰えばいけるでしょう」
何も責任がなければこう言えるのですが
僕は総合演出として「ノー炎上賞レース」を掲げています。
最悪の事態をたくさん考えないといけません。

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