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詩 青春を売りました

青春は四千二百円で売れました
まあまあそんなところだろうと 納得はしますが
そこそこもっといい値がついてもと
半ば悔しい気持ちでもあるけれど
青春は遊びほうけていたので いったいもう何年前か
そればかりにかまけていたという遊び
カード遊びであって 当時私は負け知らず
確率論を理解する中学生でありましたから
百枚だか二百枚だかのデッキをつくる
そんなクラスメイトなど毎日撃破
確率論上の考えから こちらのデッキは四十枚
赤のゴブリンデッキには 地震や火葬に
ボール・ライトニングなどあぶねーカードも加え
まあ 負けませんでしたね
何を言ってるかわからねーと思うが
とにかく私は強かった ガチでヤバかった
放課後の学食の横のロビー
いちごオレなどを飲みつつの対局の日々を
なんとなく思い出しながら
懐かしみながらも 売っぱらいました
とはいえ売ったのは十枚ほどで
カードはまだまだ 大量に保有してございますから
その旨 ショップの方に申して
今度いっぱい持ってきますゆえと申して
そしたら頼もしく 査定させていただきますと
しっかりしたお返事をくださいました
ありがたいありがたい
今度もっと持っていって
また青春を売ります 切り売りします
私の財布も心持ち癒えるようです
思い出を売るかのような所業でありながら
日銭に消えるような はしたカネでも欲しいのでした



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