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詩 デジタルには味がない

アマゾンのほしいものリストに
買おうとしていた読書ノートがあったのですが
さきほどその商品が消えまして
もはや表示されず なにやら跡形もなく
ノートはなかったことにされたような始末
ほしいからほしいものリストに入れていたのに
もうこの世にはないようなのです
0か1かのデジタルのような
わかりやすくも なんともつまらない味気なさで
その読書ノートは0とされてしまい
ぷしゅっと消えてゆきました
あれを買おうと思っていたのに
あれに書こうと思っていたのに
まったく腹立たしい アマゾンを殴りたい
画面上から殴りたい ネット越しに殴りたい
ともあれ こうなればひとつ
普通のノートに読書記録をとったればと
そうした算段から 普通のノートを買おうかと
なに 別に問題はないこと
書名に著者名 出版社と買った店
読んだ日付とお値段などを 定型的に書いたなら
あとは引用をずらずら並べるだけ
フォーマットなき普通のノート おやもしかしたら
ああもしかしたらこれこそが自由
私が決める書き方で 確かな品質のそのノート
私が埋める文字列で 安心と信頼のそのノート
ありがとうアマゾン おかげで私は目覚めた
自由とは自分で決めることなんだね
もう私に迷いはない ないのですよ諸君
ペンと紙との アナログなやり方で
古いがゆえに 味のあるやり方で
読んだものを記録していこうとしつつ
いまアマゾンで普通のノートをポチること自体は
半導体のにおいの 味のない
しいていえば とてもうすい塩味の
デジタルまみれのお話ですが



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