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詩 クジャクが羽根を誇ること

クジャクの羽根の その意図は
雌をとりこにするために
そのためだけにあるそうです
たしかに羽根は美しく
インテリアのようにするのか
なかなかお高く 売られておるよう
縁起もよろしゅうようであり めでたいもので
そういうものはいいですね 日々を彩りますね
ヒトには羽根は生えないので
その代わりに何かを着飾りますが
ブランドもんなどを持ちますが
どうもこれではクジャクに勝てぬ
アルマーニがどう ヒューゴ・ボスがどうと
そうしたものはなるほどすごいが
自ずから肉体に 生命力を持って
そうして美しく咲くことのないものなので
やはり自前の羽根には負けるでしょう
この点でヒトはクジャクに敗北しました
やつらは美しさの天才 天賦の持ち主
羽根を揚々とひろげるさまに
私などは屈服する次第 なにしろ
こちらはいまジャージですからねえ
ジャージを着たおっさんとクジャクを比べたらねえ
美しさを競ったらそりゃ負ける
おっさんはヒゲも生えますからね
しかしときには 気合いを入れてスーツを着て
勤め人がつけないような色のネクタイを締め
ヒゲも剃ったり 眉を整えたりして出かけますが
そうして鏡を見ても おっさんがいるだけなので
とてもクジャクにはかなわぬ話
やつらが羽根を誇るのは 自覚によってであり
自分の羽根が美しいことを知っていて
あのように豊かに広げるのでしょう
いいなあ あの羽根があればと思っても
宝塚歌劇団っぽくなるんでしょうから
それで道を歩くのも 考えものでした



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