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20歳の独立日記

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就職率99%の専門学校で就職せずに、フリーランスデザイナーとして独立した20歳の毎日。嬉しかったことも、悲しかったことも全部書きます。
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2018年6月の記事一覧

20歳の独立日記〜21日目〜

5月31日(木曜日) 今日は打ち合わせがたくさんあった。1つ目は、バンドとの打ち合わせ。1st single のCDジャケットの依頼だった。ライブハウスで働いていたときの後輩がギターボーカルをしている。今年20歳の代。これから売れたい。もっといろんな人に聞いてほしい。夢の話をたくさんした。こういう打ち合わせが好きだ。夢の話は「理想の話」とは違う。夢は叶えるもので、理想は見るものだと僕は思っている。バンドが夢を実現するために、必要な武器を僕は色々持っている。デザイン、ブランデ

20歳の独立日記〜22日目〜

6月1日(金曜日) 今日から6月が始まった。独立して、3ヶ月目。1ヶ月が短い。「社会人になったら1年が早くなるよ」本当にそうだった。毎日いろんなことが起きて、毎日人にお会いしている。100枚あった名刺はもうあと少しだ。決まった休みも無いので、ずっとオンの状態を保っている。この話をすると、「しんどくないの?」と聞かれる。物理的な疲労はある。寝てないとか、目がつかれたとか、歩きつかれたとか。精神的には全く疲労感は無い。「楽しい週末2日のために、平日5日間を頑張る」ことが僕は無理

20歳の独立日記〜23日目〜

6月2日(土曜日) 石川県の曽祖母がもうそろそろ、らしい。父は朝から車で石川県に向かった。僕は曽祖母に一度しか会ったことがない。義父の実家には一度しか行ったことがない。 石川県の輪島市というところで、石川県の先っちょだ。遠い。 お正月、大晦日は母の実家で過ごした。石川県は遠いから。 お盆は母の実家にいた。石川県は遠いから。 高校生の入学の報告もしなかった。石川県は遠いから。 専門学校の卒業の報告もしなかった。 避けていた。関わりたくなかった。でも、成人式の日に連

20歳の独立日記〜24日目〜

6月3日(日曜日) 朝からリフォームの準備だった。家の近所に住む祖母の家をリフォームすることになった。理由は高齢化。段差が多いらしい。祖母は脚が悪いから、もし転んだりしたら命にかかわる。しかも祖母は1ヶ月前に、くも膜下出血で倒れた。色んな理由から、リフォームをすることになった。 朝10:00。伯父(母の兄)と一緒に祖母宅に向かった。伯父はクマに似ている。身長が170cmで、体重は110kg。うちの妹は未だに、怖くて近寄れないでいる。そんな伯父は僕にとっても兄のような存在だ

20歳の独立日記〜25日目〜

6月4日(月曜日) 朝からバタバタしていた。音楽スタジオの店長の紹介で、塾のチラシのデザインをやらせて頂けることになった。 話を頂いたのが、2日前。納期は一週間後の6月9日。「できますか?」「もちろんです!」前にも書いたが、音楽スタジオの店長とは長い付き合いだ。税務のこと、仕事の相談にもたくさんのってもらっている。多少スケジュール的に厳しかったが、その人の紹介だから、受けるしかなかった。 僕は焦ることが嫌いだった。高校生のとき、食べ放題の焼肉屋のキッチンをしていた。地獄

20歳の独立日記〜26日目〜

6月5日(火曜日) 歩くことが好きだ。 街の生活音に包まれることも好きだし、ミッシェル・ガン・エレファントを聴きながら歩く夜道も好きだ。 好きになったきっかけは自転車がパンクしたこと。家から自転車屋さんまで20分。自転車を押しながら修理に行くのがめんどくさかった。 「あんた、修理いつ行くん?」 「明日部活やし今週中には行くわ」 半年以上放置した。うちのマンションは、4月に駐輪代を1年分まとめて払う。母は半年放置された自転車を処分した。移動手段は歩きしかなくなった。

20歳の独立日記〜27日目〜

6月6日(水曜日) 大好きな名言がある。 NHKで放送中の「プロフェッショナル仕事の流儀」。毎週、ある分野の最先端を走るプロに密着して、プロとは何なのかを探る番組だ。毎回毎回、胸にグサッと刺さる名言が生まれる。その中でもダウンタウンの松本人志の会が印象に残っている。 僕の生まれる前に、「ごっつええ感じ」という番組が放送されていた。 ダウンタウン、今田耕司、板尾創路などが出演する伝説のコント番組だ。 特に「キャシィ塚本」というコントが特に好きだった。お料理番組の講師とし

20歳の独立日記〜28日目〜

6月7日(木曜日) 今日は鳥貴族で打ち合わせだった。 佐藤翼という、グッドなメロディにグッドな詩をのせて歌うシンガーソングライターがいる。 自分の大好きなものに対して真っ直ぐで、正直な人。そんな人の作る曲が悪いワケない。 聴くと分かるが、どこか懐かしい。小学校のときに友達とふざけて家まで帰ったこと、高校生のときに朝まで公園で友達と喋ったこと、彼女に好きだと伝えたときのこと。なぜか頭に浮かぶ。 「いい音楽は情景をつれてくる。」 本当にその通りだと思う。佐藤翼(通称

20歳の独立日記〜29日目〜

6月8日(金曜日) 結局、人だと思う。 「バクマン。」という漫画がある。2人の高校生が、脚本と作画に分かれて漫画を作る話。いわば、漫画家の漫画。 友情・努力・勝利の要素が全て詰め込まれた大好きな漫画。 漫画という舞台設定場、肉体を交えたバトルは存在しない。漫画の面白い方が勝利だ。 七峰透という漫画家が登場する。 七峰は50人のネットユーザー、漫画好きな一般の人達と団体で一緒に漫画を作る。編集者の意見は無視し、自分が面白いと思う作品を、漫画有識者の意見を聞きなが

20歳の独立日記〜30日目〜

6月9日(土曜日) 月が綺麗ですね。 夏目漱石は「アイラブユー」をこう訳したらしい。僕の大好きなチャットモンチーというバンドの「8cmのピンヒール」という曲の中にこんな歌詞がある。 「月を見て綺麗だね、と言ったけど あなたしか見えてなかった。」 愛してる、あなたしか見えないの。これを知ったとき、胸がキュンキュンした。まだ聴いたことのない方は是非。 今、あるガールズバンドのCDジャケットを作っている。 愛がテーマらしい。 ライブハウスでの愛、日常で感じる愛。CDジ

20歳の独立日記〜31日目〜

6月10日(日曜日) 今日は人の家に泊まった。 よすだくんという面白い人がいる。よすだくんは無料で泊まれる宿を経営している。彼を知るきっかけはTwitterだった。何とも現代的な出会い。 会いたいと思ったときにはDMを送っていた。「よすだくんのとこ、泊まって良いですか?」「あ、全然良いすよ〜」 そして今日。 どんな人が来るか不安だった。 「あ、どもー、モリクラさん〜」 無料で泊まれる宿のオーナーは、とても気さくで、話し上手な方だった。色んな話が聞けた。お金2.0

20歳の独立日記〜32日目〜

6月11日(月曜日) 中学生の時、バンドをしていた。 hi step cornerというバンドで、ASIAN KUNGFu-GENERATIONのコピーをしていた。中学生ながら、「バンドマンとはこうあるべき」みたいなアイデンティティを持って僕はやっていた。 今思えば履き違えたロックンロールの塊で、夜に思い出すと枕を天井に投げたくなる。 でも、クラスからハブられていた僕にとってバンドをしているということは最後のカードだった。 こいつらにはバカにされてるけど、俺はギター

20歳の独立日記〜33日目〜

6月12日(火曜日) アートは知識、デザインは学問。 レオナルドダビンチに勝つために、人々はデザインを発明した。そして、センスは知識。これは僕に、多大なる勇気を与えた。センスは先天的なものじゃない。 「俺の恋人はグラフィックデザインや」 これは藤子・F・不二雄の「まんが道」の1シーン。あの天才だって、勉強して今がある。 才能のせいにしないこと。勉強を繰り返していく。出来ないことを認め、それを乗り越える努力をしていく。 その痛みに向き合うことを僕は大事にしている。

20歳の独立日記〜34日目〜

6月13日(水曜日) 遊べるうちに遊んでおきなよ、 大人になったら遊べないから。 そんなことを大人は、小さい僕に繰り返し言った。夏休み最終日、宿題に追われる僕は母に言った。「オトナは宿題なくて良いな」「その代わり、オトナには夏休みなんて無いからね」衝撃的だったから、よく覚えている。それから次第に、オトナになりたく無いと思うようになっていた。 そして高校生になってライブハウスに通うようになった。ライブハウスには2つの人がいる。夢を追いかける人と、夢を追いかけていた人だ。