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【行動経済学から見る】部下のモチベーションとパフォーマンスを高める目標設定法

3月決算の会社は10月からの半期目標を立てる時期が迫っているのではないでしょうか?

突然ですが、世の中の上司の皆様へ質問です。「皆さんは、部下にどの様に目標を立てさせていますか?」

たかが目標設定と思うなかれ、ちょっと主観にはなりますが、離職の多い会社は総じて“部下に目標設定させるのが下手”です!

そこで今回は、行動経済学の視点から、社員に目標を設定させる際の効果的な方法についてご紹介します。


なぜ「行動経済学」なのか?

 皆さんの会社では、なぜ社員にわざわざ目標設定をさせるのでしょう?おそらくですが、

  • 評価をし易くするため

  • 『行動』を促し、高い結果を出して貰うため

この2点なのではないかと思います。

今回「行動経済学」を用いる理由は、これが「(消費者の)意欲を高め(購買という)『行動』へ繋げる」学問であり、

部下の行動をどう促せばいいのか?というヒントが詰まっているからです。


離職の多い会社の典型的な目標設定

多くの離職が見られる会社では下記の様なやり取りが行われます。

 上司「今期の部署の目標は〇〇だ、君はどうやって会社に貢献する?」
 部下「...こんな感じですかね?」
 上司「もっとできるだろ!あと目標なんだからもっと具体的に書け!」
 部下「...」

大大大前提として、世の中の会社員のほとんどは、会社の利益や成長に関心などありません。どーでもいいのです。

つまり、価値基準を「会社だけ」に据えても行動に繋がらない。あくまで価値基準「部下の持つ欲求・価値観」に据え、そこに会社や部署が持つ目標との重なりを見つけ擦り合わせるという、目標設定が必要になります。

見学させて頂きた企業の中で、サイボウズなどの社員のパフォーマンスが高い企業は、この目標設定にかなりの時間と根気を費やしています。


行動を促すために「情動」を刺激しているか?

行動経済学において、行動を促すために2つどちらかの情動を刺激する必要があるとしています。

  • 願望を成就させたい

  • 損失を回避したい

 つまり、目標は数値化・言語化するだけよりは、

「達成したとしたらどんな感じ?」
「達成できる自分だとしたら、どんな感覚?」

など、達成時の感情や感覚を想像させると、より行動に繋がり易くなります。


しかし、行動を促す効果が高いのは、実は後者の「損失を回避したい」という情動です。

だからと言って、部下に対して「今持っている地位や権限、給与を失う」様脅しをかければいいかと言うと×。

目標が設定が小さくなる他、誤魔化しや取り繕いに時間を使うようになってしまいます。(会社員は就労時間の2割を誤魔化し・取り繕いに使っているという統計があるほど)

 あなたが上司として、何を求め、何を許さないのか?を明確にし、「信頼」に反する行為をした際にどうなるかを明示することで、「損失回避」の情動を刺激することが大切です。


定期的なフィードバックの重要性

最後に、目標設定だけでなく、定期的なフィードバックの重要性について。

世の中のあらゆる店舗が「スタンプカード」を配りまくっている理由を知っていますか?

これは、『エンダウド・プログレス効果』と呼ばれる「人はゴールに向かって”進んでいる感”を感じると、継続的な行動・衝動を促し易い」という心理作用を利用しています。

これは、部下の目標達成にも言えることで、特に人の脳は「できていないこと」を優先して認識するようにできている為、「できていること(≒進んでいる感)」は外部から認知を促す必要があります。

つまり、目標を設定させぱなしにするのではなく、1on1などの定期てきなフィードバックを行うことで、部下の目標達成力は大きく変わるのです。


まとめ

今回は「欲求」「行動」に着目し『行動経済学』の観点から、目標設定の方法についてお伝えしました。部下の欲求を刺激し、定期的なフィードバックを通じて行動を促すことで、是非高いパフォーマンス高いチームを作って下さい。


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