高輪三十六士

「高輪ゲートウェイ」と聞いて、まずはやっぱり「中央フリーウェイ」を連想した。で、少し遅れてアース・ウィンド・アンド・ファイアー。タモリ倶楽部かサンジャポあたりで流れるかも。

まあ、以上なんだけども。なんとか膨らませよう。まず、山手線の新駅名は公募やってたはずで、ニュースによれば1位は「高輪」だったらしい。で、「高輪ゲートウェイ」は130位。別に「一番多かったのにします」と言ってた記憶もないからいいんだけど、最初から「1位のやつに『ゲートウェイ』ってつけて駅名にします」っつって募集したら面白かったのにな、とは思う。

で、気になるのは、「高輪ゲートウェイ」の130位ランクインである。130位を「ランクイン」と言うのかどうかはわからない。NHK NEWSの記事でも「多いほうから130位」って思わず書いちゃってるからな。「これ、少ない方から数えて?」っていう、まさかの質問を無意識に想定してしまうレベルなわけだ。「オリコン週間チャート130位にランクイン!」とは聞いたことないし。

繰り返すようだが、別にこの順位自体をくさす意図はない。いや、ちょっとあるけど、本筋ではない。問題はこの、「高輪ゲートウェイ」をして130位に大躍進せしめた、実に36件もの応募の存在だ。ちなみに1位「高輪」は8,398件だったらしい。

その、たまたま「高輪ゲートウェイ」って結論にたどり着いた36人、何なの?いや、別に糾弾しようってんじゃないんだ。ただ、「山手線の新しい駅名、公募するんだ!なんか考えてみよう!」って時に、まあ、手堅いとこで「高輪」か「泉岳寺」あたりは当然理解できるし、いっそ泉岳寺の赤穂浪士の墓にちなんで「高輪ちゅうしんぐら」とかまで行けば、まあ調子乗っちゃったのかなあ、みたいな納得の仕方はできなくもない。

しかし、ピンポイントで「高輪ゲートウェイ」に行き着いた人は、なんかもう理解の範疇を超えてる。

「高輪ゲートウェイ」は130位でしたが、社内の選定委員会で検討した結果、国際交流の拠点を目指すことやこの地域には古来より街道が通っていて、江戸の玄関口としてにぎわっていたことなどから、「ゲートウェイ」のことばを使ったということです。(NHK NEWSより抜粋)

「待てよ、あの辺りは昔から街道が通ってて、江戸の玄関口、つまり『gateway』だったはず…これだ!」…天才だろう。絶対目ぇ据わってる。目ぇ据わったやつが36人もいる。何か静かな衝撃を覚えた。重低音だ。「高輪ゲートウェイ」について思うところは一重にそれだけだ。あ、でも強いて言うなら、「たかなわゲートウェイ」にしてほしかったな。東京にいる、「東京スカイツリー」は読めないけど「とうきょうスカイツリー」なら読めるという超ニッチな層にまで配慮した東武鉄道のダサさを見習ってほしい。

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