連載小説【揺動と希望】 1−1
【1-1】
爆発。
極限にまで我慢したエネルギーがもうどうしようもなくなって一気に吹き出す。充満することに我慢しきれず、現実界を構成する誰かがその一歩を踏み出す。そこには一種のあきらめがあり、その後に開ける青空を見ることを渇望する意思がある。爆発という幸運がすべてに重なり合う瞬間。すべて望んだことが形になる。そう、世界は昔、そうして出来上がったのだ。
痛い、けど心地良いとミサキは思った。粉塵とコンクリートの破片が身体を叩く。防護服は引きちぎられ、ヘルメットからは休