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読書ノート 「地球を壊す暮らし方 帝国型生活様式と新たな搾取」 ウルリッヒ・ブラント/マークス・ヴィッセン

 監訳斎藤幸平。
 グローバルノースとグローバルサウスの地図を解明し、今われわれが行っている生活様式の闇を暴く。副題は「帝国型生活様式と新たな搾取」。「労働と資源を奪い、ゴミを押しつける先進国のライフスタイル。ドイツでベストセラーとなった話題の書」(岩波書店HP)とのこと。

  • 「コロナ危機は日本よりも欧州においてはるかに劇的であり、これからの世界のあり方に甚大な影響を及ぼしている」

  • 「私達の理解によれば、極右の台頭は、これまで帝国主義的な生活様式から除外されていた人々、あるいはこの生活様式のもたらす社会的・生物学的なコストを負担するべきだと宣告されてきた人びとの主張や要求に抗し、この生活様式を権威主義的な手段によって防護することに関心を抱く、主としてグローバルノースに位置する有力な勢力の企図に由来している」

  • 「無責任さを体系的に生み出すことを特徴とする社会のなかで責任を持って行動し生きるということは、いったい何を意味するのか」

  • 危機は常に執行付の出番をもたらす。

  • 企業と国家との連携によって利益が民営化され損失が社会化される。

  • 「帝国型生活様式という概念の核となる考えは、資本主義の中心部における日々の生活が、他所での社会関係と社会的な対自然関係の形成によってそもそもはじめて可能になっているという点である」

  • ヘゲモニー(覇権)とは、政治的・経済的・軍事的に抜きん出た国家が他国を支配・統制すること

  • グラムシにとってヘゲモニーは、広く共有された「統治されるものの同意」と伴うような支配の布置関係を意味する。支配における物質的かつイデオロギー的同意の要素は「常識」によって安定する。なぜならこの常識によって、社会的支配の中心をなす次元は疑念を抱かれることなく自然なものとして現れ、それゆえまさに支配としては感じられなくなるからだ。


 大陸であり、近隣諸国との関係で空間の限界をいつも感じているであろうドイツの方々の内省と欺瞞の告発をひしひしと感じる。「海に捨てればいいや」もしくは「嫌なら鎖国しよう」と流される海洋国家の日本とは思考の起点が違う。とはいえいまや我々も同様の思考で同様の搾取をしている。地球規模で考えればわれわれも帝国型生活様式をとっている国家の一つであろう。内容は刺激的。しかしもう少し平易な日本語でもよかったのではないか。

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