あとび

自分が書いたり思ったりしたことを置いておく場所として使っています。

あとび

自分が書いたり思ったりしたことを置いておく場所として使っています。

最近の記事

おまえはいつも重そうな鎌を抱えている

数ヶ月に一度会うか合わないかという友人がいる。 その友人はなんとも嫌なやつで,でもどこか愛嬌があって憎みきれないので今まで決別もできずに生きてきた。 ここ最近はめっきり顔を合わせることもなくなって旅にでも出ていたのだろうとばかり思っていた。 ふらりと見せた姿があまりにも変わらない姿でいるものだから,理由もなく泣きたくなってしまった。 そのくたびれた靴も,色褪せたコートも新しいものに変えることはしないのだろう。 喉が窮屈になって,視界の端が歪んだ。 その友人は嫌なや

    • 普通に生きること

      人間に本来正常な状態などは存在せず,みんながみんなちょっとずつおかしくて,そしてそれを許容して生きていくことが求められている。 言い換えれば,少しぐらいおかしいことが普通であって,逆に全てが普通で正常の人間は,この社会ではその存在そのものが異質となる。 そもそも他人同士である時点で,他人と生物学的に同じようには決してなれないわけであって,人はどこまでも孤独である。 ではなぜ孤独に生きないかと言えば人間には社交性が備わっていて,というよりも備えざるを得ない状況に生み落とさ

      • ジョーダン・ベイカーと私のその後

        私はジョーダン・ベイカーが好きです。どのくらい好きかというと、彼女と結婚したいがあまりに狂った投稿をするぐらいには好きです。あと意味ありげな感じでゴッホの描いた精神科病院の廊下をアイキャッチ画像にしてみたり(決して私が精神科にかかるべきということではなく)とか、最近何かと話題に上がるChatGPTに夢小説を書いてもらったりするぐらいに好きです。 しかしこのジョーダン・ベイカーという女、マジで二次創作が存在しない。本当にびっくりするぐらいない。あんなに魅力的なのに????なん

        • SDGsを題材にした短い小説

          課題の一環として書いたものです。きちんと理解することも向き合い方の一つかなと思ったので投稿してみました。最近はそこまで感じることは無くなったけれど、一時期は、何かにつけてSDGsだのサステナビリティだのと言われていたような気がします。 これを書いた当時は、よく聞くけど実際の内容とかはよく知らないなあという感覚で、調べつつ知識をつけようという軽い気持ちでした。ところがちゃんと調べてみたら一つ一つの内容はかなり「濃い」し、わりかし中身がてんこ盛りだったので、「これを2030年ま

        おまえはいつも重そうな鎌を抱えている

          慢性的な生きにくさを感じている

          いつ始まったとかではないけれど、ぼんやりとした息苦しさと一緒に生きている。この息苦しさが生きにくさに直結しているわけではないとは思うのだが、自分の中でどう折り合いをつけていいものかわからない。 ふとした瞬間に自分が周りと同じじゃないことに気付いたり、周りが普通にできていることが自分ではわからなかったり、それを上手く聞けなかったりする。はみ出すことがダメだと考えてしまうから、同じじゃないと苦しくなるのだろうけど、はみ出したまま生きていく勇気もない。 そもそも誰の目線から見て

          慢性的な生きにくさを感じている

          ジョーダン・ベイカー、結婚してくれ

          つい最近、「華麗なるギャツビー(2013)」を見た。Prime Videoでちょうどおすすめされたからだ。何百本もの映画をワンクリックで見ることができるAmazon Primeは偉大である。そしてPrime Studentはもっと偉大だ。 元々「華麗なるギャツビー」というタイトルを聞いたことはあったが、原作を読んだことはなかった。適当な時間潰しのつもりで、本当にとても軽い気持ちで見始めた。結論から言えば、ジョーダン・ベイカー、頼むから私と結婚してほしい。 ところが開始十数

          ジョーダン・ベイカー、結婚してくれ