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「緩急」がゲームを面白くする

こんにちは、yukihisaです。
今回はゲームの面白さに関する記事です。是非ご覧下さい。


「想像する」という面白さ

https://illustimage.com/?id=2114

僕は、面白さの中に「想像する面白さ」があると思っています。


例えば、クイズの答えを想像したり、ドラマの殺人犯を予想したり…。答えを「想像する」時間は皆さんも面白いと感じることでしょう。


大事なのは「想像すること」で、たとえ想像と答えが違っていても大丈夫です。例えば、想像だにしない答えが返ってくる「どんでん返し」は、結末を簡単に想像できる話よりも遥かに面白くなったりします。

ゲームではどうか?


色違いの宝箱 https://www.resume.id/works/a7efcc3736ea56bc より引用


ゲームでは、「想像する」面白さが広い範囲で使われています。
例えば、色違いの宝箱。見ただけで「中身は?」「どっちの方が豪華?」と想像してしまうのではないでしょうか?


次の図はどうでしょうか。ゲーム「メイドインワリオ」で見た事のあるような状況です。


名著 「ついやってしまう」体験のつくりかた より引用


図を見ると、真っ先に指を鼻に突っ込む様子を想像してしまいます。このように、ゲームでは想像を掻き立てる要素がふんだんに使われているのです。



「想像を外す」面白さ


https://mottekegarou.com/person/post-6467/


ここまでで「想像するのが面白い」と説明しましたが、想像を「外す」ことで更に面白さが増すと考えています。「どんでん返し」はまさに予想・想像を外す面白さです。これがゲームではどう使われているのか見ていきます。


落ちコン


パズドラ より

落ちコンは「パズドラ」に使われる用語で、コンボの後にパズルが降ってきて追加コンボが起こる、というやつです。
落ちコンは自分の想像以上にコンボが繋がる事で興奮を生んでいます。落ちコンの気持ち良さを知っていたガンホーが「コンボだ山田!」という名言でCMを打ったのは実に見事です。


Undertale(ネタバレ注意)


Undertale のアルフィーさん

次に、Undertaleです。ネタバレがあるので未プレイの方は是非本編を遊んでからご覧ください。

Undertaleの TrueEnd における「地下の研究施設」は、想像を外すことでかなり面白くなっているマップです。
元々、Undertaleの世界観は「明るいコメディ」なのですが、TrueEndで地下研究室を訪れると様子が一変し、それまでの雰囲気からは想像もできない話が明かされていくのです。ここでプレイヤーの意識がグッと変わり、一気にUndertaleの世界を印象付けられるのです。


想像を外して「緩急」をつける


ソニックフロンティア より 草原とメカ


「想像を外す」方法は、まず「統一感を見つける」ことです。
統一感とは、Undertaleの「明るいコメディ」のような、作品内で統一されている雰囲気や要素の事です。以下に例を示します。
・パズドラ:淡々と味わえるパズルと連鎖の面白さ
・ガンダム:無慈悲な戦争とその中で成長する人々
・ぷよぷよ:愉快なキャラと世界観
・ソニック:ステージを走り回る爽快感


そして、次に統一感から外れた要素を組み込むと「想像から外れる」面白さを提供できると僕は考えています。上の例に対して、以下のように「外れた」要素を考えてみました。
・パズドラ:ストーリー、アクション性、疾走感
・ガンダム:完全に争いが無い場所での物語、暴走するメカ
・ぷよぷよ:リアルなキャラ、古代文明、メカ、シリアスさ
・ソニック:ゆったりした時間、慎重さ、ハラハラドキドキ感

統一感がある中に「外れた」要素を付け足すことで、作品に緩急が付くと僕は考えています。
実際に、ソニック最新作のソニックフロンティアでは「ゆったりした時間」が「釣り」という形で組み込まれていました。釣りはステージを疾走した脳の休憩時間として優れており、見事に緩急を付けていると感じました。



「第四の壁」は最強

wikipedia 「第四の壁」より


最後に、第四の壁についての話です。第四の壁とは、ゲームや演劇などでキャラクターと現実世界の区別を付けない表現をすることです。「メタ発言」の「メタ」と同じような意味合いです。

第四の壁を意識したゲームは「mother2」なんかが有名で、「主人公がピンチの時に、プレイヤー本人の名前が使われる」という表現があります。これはゲーム世界にプレイヤーを直接関与させる表現です。

我々は普通、ゲームはゲームと割り切ってプレイします。しかし、第四の壁はその前提を崩して表現を行うため、ほぼ確実にプレイヤーの想像を外すことができます。

しかし、この手法は乱用できません。第四の壁を壊すゲームが当たり前になると、「このゲームは第四の壁を意識してそうだな」とプレイヤーが想像できるようになり、「想像を外す」という目的を達成できなくなるからです。


まずはゲームの統一性を見つけて、その統一性から外れた要素を組み込むこと。そして、ここぞという時に第四の壁を破壊する。そういったテクニックが見に付くと人々の想像を超えるゲームを作れるのかもしれません。


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