最後のマスカラ (バレエショートショート)
大人バレエ生徒の銘辺留さんはメイク自慢がすぎた。
彼女は約百年前にマスカラを発明したT・ウイリアムズなる人物の妹と偶然同じ名前だ。彼は容貌に悩む妹のために、石炭とワセリンを混ぜてまつ毛を長く見せるマスカラを発明した。その化粧品はメイベリン社から現在も売られている。だからといって勝手に指導するのは良くない。
…藍ちゃん、もっとマスカラを使って。アイラインが目立たないと舞台では浮くよ! あら、そこの人、マスカラがダマになっているわ。やり方がまずいのよ。それでなくても、あなたの顔は目立ちにくいからちゃんとして!
藍は銘辺留さんに逆らわなかったが、もう一人は失礼だと怒った。舞台前になぜか銘辺留さんの防水タイプのマスカラ等が全部なくなり、仕方なくそのままで踊ったが汗でメイクが溶けてひどい顔立ちになった。
化粧だってバレエと同様で楽しみたいのに、人の化粧や顔立ちをいうのはやりすぎ。
銘辺留さんは反省したらしく、マスカラの話は自分から二度としなくなった。
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たらはかにさんの企画に参加中です。
今回はバレエメイクの話です。
舞台メイクもいろいろあります。私は普通に付けまつ毛も利用していましたが、きれいにバシッとつけられなくて苦労していました。マスカラは自分のまつ毛とつけまつ毛の境目をなくすために、つけておく人が多かったです。防水タイプ → ウオータープルーフのものを使うのは必須です。そうでないと、汗ですべてが流されてしまうので。
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以下はチャコットのバレエメイクの説明&動画です。よかったらどうぞ。
私もチャコットのを使ってました。三善のものを揃えている人も多かったです。皆さんそれぞれごひいきがありました。
ちょっと昔の日本人バレリーナはもっとブルーのアイシャドウを強調したメイクが多かったように思いますが、今はほんとナチュラルな感じですね。
私の子ども時代のバレエメイクなぞ、私のとても平面的な顔立ちをどうにか西洋人ぽくさせるために、アイメイクは真っ青で、ノーズシャドウは無理やりなノーズシャドウで(低い鼻に二本の茶縦線が走ってるヤツ)、口紅も真っ赤なのが残されています……。今のお子さんが見たら奇妙に感じるだろうと思います。
ありがとうございます。