ふじたごうらこ

バレエ文学出版の中の人。バレエと鳥が好き。 クラシックバレエの裾野を広げるべく活動中。…

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バレエ文学出版の中の人。バレエと鳥が好き。 クラシックバレエの裾野を広げるべく活動中。 よろしくお願いします。

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    • 66本

    noteで出逢った素敵な作品、創作者の背中を押してくれるようなエッセイ、お気に入りの記事などをまとめたマガジンです。【小説Tips】【コンテスト・企画情報】に分類されないものを追加しています。

  • バレエショートショート(毎週ショートショートnote他)

    バレエ他舞踊関連作品のみを集めたもの。毎週UPします。 たらはかにさま企画に参加しています。それ以前のものはバレエ文学サイトにあります。主人公はプロを目指すバレリーナ生徒の愛野藍ちゃん。バレエコンクールの受賞歴あり、バレエの先生のご主人、発明家の奨励さん、その友人のブローノバゥナはイタリア人教師兼ゲストダンサー。先生の祖母という設定で90歳代の大先生も時折登場します。

  • たらはかに様企画専用 ショートショートnoteまとめ

    全部短いです。

  • 意見

    画像はパリスヒルトン嬢です。

  • 作品集(電子書籍など)

    令和6年2月5日スタジオ五百石で電子書籍の無料配布を開始しました。 (それ以前のものは地名がついたショートショートのまとめになっています)

最近の記事

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スタジオ五百石始動。電子書籍無料販売開始いたしました。

スタジオ五百石はふじたごうらこ個人のレーベルです。すべて電子書籍で無料販売。場所はアマゾンもしくは楽天です。今まで貯めこんでいた作品のうち、長編などを中心に順次公開させていただきます。やり方がわからないなりに、操作方法を書いたブログなどを参考にして創っていきます。第1作目は、佳作受賞作をupしてみました。 題名は「ハンセン病の雄太」 中編です。(400字詰め137枚) エンタメ小説の話ですのでどうぞ気楽に読んでくださいね。 ただし楽天への登録が必要です。楽天買い回りなどのた

    • 2人劇 「混 線」 副題・タイムトラベルで2つの大阪万博を観た女(脚本版)

      #創作大賞2024  #オールカテゴリ部門 #懐メロ ◎ 登場人物紹介 英子  タイムトラベラー専用税関&警備職員 年齢50歳代のベテラン。 スーツ姿、警棒の携帯あり。歌好き。業務中でも美位子の歌に聞きほれて控えめにリズムを取ったりする 美位子 癖のあるタイムトラベラー年齢50歳代。明朗快活な大阪もん。昭和の服装で登場。手提げ袋には衣類が入ってパンパン 昭和45年の大阪万博と、令和7年(2025年)の大阪万博を観に行った女。 場所  令和7年(2025年)のタイムトラ

      • 春ギター (バレエショートショート)

         ブローノバゥナはイタリア人教師兼ゲストダンサーだ。背も高く、舞台映えする容姿だが、顔面の彫が深すぎるせいか近くにいると体感温度が高く感じる。先日のレッスンではドンキのバジル役でギターを抱えながら踊るシーンをやった。それこそ彼のハマり役で楽しそうに踊る。が、どうも暑苦しい。  まだ春なのにこんなに暑いのはブローノバゥナ先生の顔のせいだよ~と誰かがいうと、ブローノバゥナは怒った。  君たち、日本人なのに意地悪ね? じゃあ、顔は隠すよ? 途端に彼は膝を深く曲げ、背中

        • 春ギター (ショートショート)

           俺は頃合いを見計らって雪解けの山道を歩く。見晴らしの良い場所に出て、小さな石の上に腰掛ける。  原生林が見渡す限り、淡いピンクに色づいている。昔の人間はこれを山笑うって。あちこちで一切に芽吹きが開始されている。  足元にも、ふきのとうの芽が出ていて、そっと採る。天ぷらにしよう。だが生きているのは植物だけだ。小鳥の姿すら見かけないではないか。まったく、この山にいる動物たちはどいつもこいつもねぼすけだ。俺がさっさと起こしてやる。俺はおもむろにギターケースを開け、調音もそこそこ

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        スタジオ五百石始動。電子書籍無料販売開始いたしました。

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        記事

          オバケレインコート(バレエショートショート)

           バレエスクールなのになぜか肝試しが開催された。いつもの先生が用事で休みなので奨励さんと代行教師のブローノバゥナが企画しオバケ役もやった。  といっても普段は誰も行かない衣裳部屋で待機してレインコートを着て驚かせるだけ。奥にある、お菓子を取ったら成功だ。  怖くないらしく子どもたちも、チョコバーを握って部屋から余裕の表情で出てくる。だから藍も気楽に一人で参加した。ところが奨励さんとブローノバゥナは藍には本気で怖がらせるつもりだった。レインコートにロットバルト役に

          オバケレインコート(バレエショートショート)

          オバケレインコート(ショートショート)

          あなた、わたしが見えるのでしょ? だったらこのレインコートをあげます。御礼はあなたが今持っているカップ酒の残りでいいですよ 俺は残業の疲れを癒すために酒をあおりながら歩いていた。相手は浮浪者だ。透明の安っぽいレインコートを出している。 俺は疲れてすぎてその話を受けた。 浮浪者は、俺の酒を飲んだ後、消えた。雨が降ってきたので俺はそのレインコートを着た。フード付きだが足もおおわれ、でかすぎた。その瞬間俺はオバケになったようだ。道行く人が皆俺の方を見て、驚いている。 おい、

          オバケレインコート(ショートショート)

          深煎り入学式 (ショートショート)

           俺は鉄の上にいるようだ。真っ黒で、周囲が盛り上がっている。天井は真っ白。どういうことかと思っていたら、足元がやけに熱くなってきた。いや、マジで熱い。フライパンの上にいるようだ  ふと、目の前にヤジルシマークが出現した。狂おしく点滅している。俺は足をやけどさせながら、ヤジルシに向かった。ヤジルシは俺の速度にあわせて後退していく。  どこからか、声が聞こえてきた。  ……これが炒めるということです。炒るともいいます。つまり食材に火を通すことです。  と、視界が開けた。茶色

          深煎り入学式 (ショートショート)

          深煎り入学式 (バレエショートショート)

           新学期になって、藍のいるコンクールクラスにも新入がきた。全員バレコンの入賞歴あり。そこへ奨励さんがなにか持参してきた。 「皆さん、レッスン開始前ですが、今から匿名アンケートを取りますよ~これは回答ボタンだよ~受け取って~」 という。普段なら警戒するが、先生公認だというので、素直にボタンを握った。 ※あなたは、このクラスで今より上手になりますか? はい20,いいえ0 ※しかしもっと有名なスクールから招待されたらあなたは移籍しますか? はい19、いいえ1 ……好条件で

          深煎り入学式 (バレエショートショート)

          命乞いする蜘蛛 (ショートショート)

          ここは、宇宙合法の人身売買ならぬ、動身売買所。地球産は高騰しているが客は途切れぬ。 7Dネットに新入荷告知をUPするごとに客がアバターを使って来店する。ほらもう来た。一番人気は2本足の地球人。どの星にいても精神的に耐えれるかどうかで決まる。知能と気位が高いし、繁殖も地球人オスが途絶えた現在、宇宙法で一代限りしか飼えぬ。その状態で飼い主に懐かせるのは至難の業で本物の富裕層でないと飼えぬ。 二番人気は八本足の地球蛸もしくは十本足の地球烏賊。切っても生えてくる美味しい足。墨も吐

          命乞いする蜘蛛 (ショートショート)

          命乞いする蜘蛛 (バレエショートショート)

          リラの精は訪問者を前に険しい顔だ。 そなた、名と身分を名乗れ それから用件を申すのが筋であろう …わたしはカラボス。蜘蛛の化身、そして魔法使い。オーロラ姫の命名式に呼ばれなかったというだけで、嫌がらせをして百年の眠りにつかせたものの、森を訪れた王子に返り討ちにあい、その王子はオーロラ姫に目覚めのキスを与えて結婚した。わたしのしたことは、悪かったのかもしれないが、それで皆が幸せになった それがどうした? 何をしにきた? わたしのやったことが、「眠りの森の美女」 として、

          命乞いする蜘蛛 (バレエショートショート)

          きみ、なんで、こんな会社に入社してきたの? (エッセイ)

           わたしには子どもが3人います。2番目の子は美術が好きで、高校も美術コースを取り学生向けの美術展や公募で成果も取って美大へ行く……はずでした。が、第一志望の美大に落ちたら「もういい。受験はおわり」 っていう……。去年の話です。専願だったがそこの美大は落ちても次がある。一回目が落ちたら二回目、三回目も挑戦できるのに、彼は聞き入れない。  どうも一回目で受かって当然だと思い込んでいたのが、落ちて自信をきれいさっぱりとなくしたらしい。彼の特性、いや個性でもあるが、親のわたしもどう

          きみ、なんで、こんな会社に入社してきたの? (エッセイ)

          桜回線 (ショートショート)

           我が桜という樹木は桜同士で特殊なチャンネルを持ち、開花時期を自分たちで決める。もちろん南の桜から行動を起こしていくが、他の樹木も追随してそれで日本の山や平原は春らしくなる。ええ、私は樹齢100年ほどの若桜ですが、そういう大事なことは、ちゃんと知っています。よろしくお願いします  この回線を初めて使う新入りか。あと少しで人間の言う巨大地震が来るのも感じているかね?  微力ながら色々な異変は察知しております。私のいる山も産廃ゴミを埋めるために崩されているので、被害が出るでし

          桜回線 (ショートショート)

          桜回線 (バレエショートショート)

           今藍たちは、バレエクラス全員でピンクのチュチュを着て桜の花輪をつけて、桜の精に扮している。最初は硬いツボミなので皆でゆったりと踊り、開花すると華やかに、去り際には春風にあおられ狂乱の程で激しく舞う。  こういった踊りごたえのある振り付けはうれしい。  ところが肝心の本番で、藍の隣で踊っている子が足をくじいたらしい。異変を察知しても藍は笑顔を崩さなかった。その子の手を取り舞台袖に導く。友人たちも振り付けを変えず、その子を囲んだままで移動しながら踊り続ける。  言葉を交わさず

          桜回線 (バレエショートショート)

          岡目八目 (依頼されて文章添削したときの話)

          ※今回の話の目的は、依頼された文章添削→感想文を成仏させることです。 岡目八目ってなに? という人のために、コトバンクから意味を引用します。 ↓ ↓ ↓ 当事者よりもはたで見ている者のほうが物事の真相や得失がよくわかり、的確な判断ができることのたとえ。 ↑ ↑ ↑  今回の表題はわたしのことです。文章添削を依頼されたらわたしはその資格がないながらも一生懸命期待に応じるべく動きます。以上前置き。 」」」」」」」」」」  わたしが文章好きなのを知っている人が、ある人の小説

          岡目八目 (依頼されて文章添削したときの話)

          三日月ファストパス (バレエショートショート)

           藍は今、舞台中央の天井からつるされた三日月型のブランコの上に座っている。ブランコの下に群がる人々は、踊りを競い合う。藍は三日月の天使役として、眼下で踊る人々を選抜する役目だ。創作バレエ上の役だが、とても気分が良い。  しかし、この三日月は揺れる。三日月の椅子にすわり、片手は三日月に添え、もう片手はずっと皆に手を振らないといけない。笑顔でいるが、内心はハラハラしていた。  いやだわ、リハーサルではこんなに揺れなかったのに、落ちたら確実にケガをするわ、怖いなあ……。だんだんと三

          三日月ファストパス (バレエショートショート)

          三日月ファストパス (ショートショート)

           ぼくたちは、迷子らしき見知らぬお婆ちゃんに会い、安全な公園まで連れて行った。すると見たことのない車が近寄ってきて、中から見たことのないおじさんが出てきて、そのおばあさんを車の中に入れた。  おじさんはぼくたちに「世話になったお礼に、三日月に待たずに行けるパスをあげるよ」 と紙きれをくれた。そして車ごと消えた。声に出さず頭の中に響くようにして話しかけられていた。  紙きれは確かに三日月の形をしている。太陽にかざすと読めぬ文字が3Dに浮かび上がって紙きれごと消えた。  突然足

          三日月ファストパス (ショートショート)