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#0088【エンリケ航海王子(ポルトガル、15世紀前半)】

1日1分歴史小話メールマガジン発行人の李です。

エンリケ航海王子は、大航海時代を切り開いたポルトガルの王子です。

大航海時代に、世界に新しい航路が切り開かれました。これはイスラム教徒によって地中海が封鎖されたことに伴い、イスラム商人を介さずには中東・インド・東南アジアとの交易が出来ない状況に追い込まれたキリスト教・ヨーロッパ世界で起こった一大事業です。

西洋人によるアメリカ大陸の発見、アフリカ西岸を南下してのインド到達、太平洋横断を経た世界一周など数々の大事業が成功しました。

この大航海時代の幕開けをしたのがエンリケ航海王子です。
ちなみにエンリケ航海王子はパトロンとして活動し、彼自身は航海には出ていません。

1414年に21歳だったエンリケは、父ジョアン一世の命令でジブラルタル海峡(イベリア半島と北アフリカの間にある海峡、大西洋と地中海のはざま)の北アフリカ側にあるセウタ城塞の攻略を命じられて成功します。

1416年には領地の村に、造船所・天体観測所・航海のための学校などを建設し、各種の航海術や地図製作技術に大きな発展をもたらすこととなります。

ここを拠点にエンリケ航海王子の部下たちは、アフリカ西岸の探検を進めていきます。

徐々にアフリカ西岸を南進していき、1444年にはセネガル川とヴェルデ岬に到達して、ギニアに入りました。これは海路でサハラ砂漠の南端に達したことを意味します。

これによりエンリケは、サハラ砂漠を通過するイスラム教徒のキャラバン隊に頼ることなくアフリカ南部の富を手に入れる航路を確立することに成功しました。

アフリカ南部から大量の金が流入されてきた結果、1452年にはポルトガルでは初となる金貨が鋳造されました。

エンリケ航海王子の念願がひとつの形になりました。

1460年にはシエラレオネ沿岸にまで達しましたが、同年エンリケ航海王子も世を去ります。王子が残した施設や開拓者精神は保たれ、多くの冒険者たちが世に出るきっかけとなりました。

エンリケ航海王子の没後500年を記念して、1960年にポルトガルの首都リスボンに「発見のモニュメント」が建てられました。

この巨大なモニュメントは船をモチーフとし、軸先にはエンリケ航海王子が立ち、その後ろに多くの航海者たちが続く形となっており、大航海時代を切り開いた王子の功績を今に示しています。

以上、本日の歴史小話でした!

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発行人:李東潤(りとんゆん)
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