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#0230【埋らない兄弟の溝と怒りの行動(旧約聖書、ヨセフの受難)】

1日1分歴史小話メールマガジン発行人の李です。今週は、旧約聖書の物語シリーズをお送りします。

前回の【No.229:繰り返される父の偏愛と兄弟の争い(旧約聖書、ヨセフの夢)】の続きです。

兄たちが自分にひれ伏すという夢を見たと語ったヨセフ。
しかも一度のみならず、二度もそういった夢を見たと語るのです。

更に二度目の夢では、兄たちだけでなく彼の両親すらもひれ伏すと告げました。

元々、父ヤコブのヨセフに対する偏愛に嫉妬していた兄たちは、この話を聞くとますますヨセフに対して憎しみの炎を燃やしました。

<>内は旧約聖書からの引用を基に記述。

<兄たちは出かけた先のシケムという場所で父ヤコブの羊の群れを飼っていました。

ヤコブはヨセフに兄たちのところへ行き、兄さんたちが元気にやっているか、羊の群れも無事か見届けて様子を知らせてくれとお願いします。

ヨセフはハキハキと父の用命を承ります。

しかし、シケムに着いても兄たちはいませんでした。かわりに一人の人と出会いその人に尋ねると、

「彼らなら、もうここを発ってしまったよ。ドタンへ行こう、と言っていたのを聞いたが。」

と教えてくれました。

ヨセフは兄たちの後を追っていき、ドタンで一行を見つけました。

兄たちは、はるか遠くの方にヨセフの姿を認めると、まだヨセフが近づいて来ないうちに、彼を殺してしまおうと企み、相談しました。

「おい、向こうから例の夢見るお方がやってくるぞ。殺してしまい、穴にでも放り込もう。そうすれば、あとは野獣に食われたとでも父に報告すればいいだろう。」

しかし、父ヤコブの長男であるルベン(母はレア)は、この話を聞くとヨセフを助けようとして発言します。

「命まで取るのはよそう。血を流してはいけない。荒れ野のこの穴に投げ入れるだけにして、手を下してはならない。」と主張します。

ルベンはヨセフを他の弟たちの手から助け出して、父のもとへ帰したかったのです。

ヨセフがやってくると、兄たちはヨセフが着ていた父から特別に仕立ててもらった裾の長い晴れ着をはぎ取りました。

そして、ヨセフを捕らえて穴に投げ込んだのでした。>

ヤコブには12人の息子がいますが、ここでヨセフを殺す話し合いをしていたのが、ヨセフを除いた11人なのかは不透明ですが、そのうちの大半は参加していたように感じます。

また、ヨセフには、同母弟がいましたが、彼は参加してはいなかったように思います。

ヤコブの長男であるルベンは、ヨセフに良い印象を持っていなかったとはいえ、ヨセフが死んだ際の父の嘆きと肉親の情からヨセフの命を救って、父の下に帰してあげようと考えていました。

同じ父から生まれた兄弟とはいえ、なぜこうまで違ってしまったのでしょうか。

ヨセフを乗せた運命の歯車はどう動いていくのか。
続きは次回。

以上、本日の歴史小話でした!

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