#0023【ジャンヌ・ダルク(フランス、15世紀前半)】

こんばんは! 1日1分歴史小話メールマガジン発行人の李です。

今日から3月ですね。

女性特集第二弾は、英仏百年戦争でフランスを救ったジャンヌ・ダルクの登場です。

英仏百年戦争は、イングランド(イギリス)とフランスが「フランス王位」を争って戦った約100年(1337年~1453年)にわたる戦争です。ジャンヌが登場したときには既に90年が経過していました。

フランス王位を巡る争いの主役は、イングランドのヘンリー6世とフランスの王太子シャルルとなっていましたが、フランスの主要都市の大半はイングランド軍の手に落ちています。

戦況はシャルルにとって悪化の一途を辿り、もはやフランスがイングランドに飲み込まれてしまうのは、時間の問題のように見えていました。

このような情勢下、争乱の地から離れた田舎娘であったジャンヌは不思議な体験をします。「シャルルを助けてフランス王位に就かせよ。イングランドをフランスから追い出せ。」という神の声が聞こえたのです。

1428年、当時16歳だったジャンヌは親類に頼み込み、故郷の村からフランス軍が集結している街に連れていってもらいます。しかし、田舎娘が王太子シャルルにお会いしたいと申し出ても、守備隊長は了承してくれません。「神の声を聞いた」と伝えても嘲笑されるだけでした。

ジャンヌは諦めず何とか貴族の知己を得ます。彼らの前で予言を行い、それが当たりました。

翌1429年にジャンヌは遂にシャルルと会うことができました。

シャルルは、藁にも縋る気持ちでこの少女にイングランド軍に包囲されているオルレアン解放を命じます。

ジャンヌは短く整えた髪に華麗な軍装を身にまとった男装の姿でオルレアンへと赴きました。

到着時、フランス軍は疲れ果てていました。

そこに突然「フランスが勝利する」という神の声を聞いた少女が現れ、味方を鼓舞します。神の加護を信じているその少女は勇敢にも軍勢の先頭に立って旗を振りました。

その姿に励まされたフランスの兵士たちは大いに奮戦し、オルレアンの地からイングランド軍を駆逐します。1429年5月のことでした。

この劇的な勝利から潮目が変わります。

イングランドに占領されていた都市が次々に解放されていきます。オルレアンの勝利から2か月後の7月には、フランス王が戴冠式をするランスの地まで辿り着きます。

ランス到着の翌日にシャルルは、シャルル七世としてフランス王に即位しました。その晴れやかな場にはジャンヌも居合わせました。

シャルル七世が即位したもののイングランド軍はフランスの各地にまだ勢力を残しています。

ジャンヌは再び戦場に戻りましたが、1430年に戦場で捕虜となってしまい、イングランドに拘束されます。

神の声を聞いたと主張することや男装をしていたことなどがキリスト教徒として「異端」だとされ、ジャンヌは裁判にかけられます。翌1431年に有罪判決を受けて火炙りの刑となり、19年の短い生涯を終えます。

死後の復活を信じるキリスト教徒にとって、遺体が残らない火炙りは死刑方法の中でも最も重たいものでした。

英仏百年戦争はジャンヌ死後からも22年間続きますが、最終的にシャルル七世はイングランドの勢力をフランスから駆逐することに成功します。戦争が終息すると、フランスの手によってジャンヌの裁判がやり直され、1456年に無罪判決を勝ち取りました。

フランスを救ったジャンヌ・ダルクには、その短い生涯を彩る様々な伝説・伝承が生まれます。そして多くの芸術家によって彼女を主題とした作品が生み出されていきました。

死後約500年が経った1920年には、ローマ教皇によってジャンヌ・ダルクは聖人と認定され、今も多くの人々に愛されています。

以上、本日の歴史小話でした!

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