#0192【見えない相手との格闘(旧約聖書、ヤコブの脱走と改名)】
1日1分歴史小話メールマガジン発行人の李です。
さんざんラバンの元でこき使われたヤコブですが、遂にラバンの元を脱走することを決意し、行動にでます。
(前回:No.191【欲に目がくらんで騙される(旧約聖書、ヤコブの結婚)】)
<>内は旧約聖書からの引用を基に記述。
<ヤコブは全ての財産と家族を連れてラバンの元を立ち去ります。
ヤコブが出発してから三日目にラバンはヤコブの脱走を知ると追跡を始めました。
やがて、ラバンはヤコブ一行に追いつきますが、その晩の夢で神からヤコブを非難してはならないと命じられます。
しかし欲深きラバンは、構わずにヤコブを叱責します。なぜ逃亡をしたのかと。
これに対してヤコブが猛然と反論をします。20年間の労働とその対価の10回にもわたる反故。
堪忍袋の緒が切れた状態で反発をします。「私があなたのところから盗んだものがありますか。」
事実、ヤコブが持ち出したものは全てラバンが渡すと約束したものでした。
そしてラバンは夢で神からの指示もあったことからヤコブが立ち去ることを認め、ヤコブとラバンは友好の印を誓う契約を結んだのでした。
次の朝にラバンは孫や娘たちと別れを済ませると引き返していきました。
そして、ヤコブは旅を続けながら兄エサウへの贈り物の選定や使者派遣を検討していきます。
それらの準備が全て整ったある夜、ヤコブは起きて二人の妻と二人の側女、それに11人の子どもを連れてエサウの土地へと近づく川を渡らせます。
一人、川を渡らずに残ったヤコブは、そこで何者かと夜明けまで格闘をします。
勝てぬと見た相手は立ちさろうとしますが、ヤコブが掴んで離しません。
「祝福してくださるまで離しません。」
「おまえの名は何というのか。」その人が尋ねると
「ヤコブです。」と答えました。
すると、「おまえの名はもうヤコブではなく、これからはイスラエルと呼ばれる。お前は神と人と闘って勝ったのだからだ。」
ヤコブが「どうかあなたの名を教えてください」と伝えます。
しかし、それには及ばないとばかりに、その人は祝福をヤコブに与えて立ち去ったのです。>
現代における「イスラエル」という国名はここからきているのです。
そして、主である神は、No.190で約束したとおりイスラエル(ヤコブ)を元の土地へといよいよ戻らせることになります。
仲違いをしていた兄エサウと再会し、イスラエルとの関係はどうなっていくのか。
以上、本日の歴史小話でした!
(続き:No.211【疑心暗鬼の和解劇(旧約聖書、ヤコブとエサウの再会)】)
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