見出し画像

某県民のならは日記Vol.2 未知のまち、楢葉について調べてみる

前回の話(あらすじ)→https://note.com/1rakiraki_/n/n00d769c5ecb2

 夏休みに楢葉町に行くことになった。つい最近まで名前も知らなかった町に、泊りがけで、だ。人生は不思議なものだなぁなどと思いつつも、一つ懸念点があった。それは、

「何も知らないまま楢葉に行くのは嫌だ!」

ということだった。あらかじめ地域について知っておいたほうが、実際に行ったときに吸収できるものが多いと思う。

 ということで、いろいろ調べてみた。まずは電子辞書で「楢葉町」を引く。そこで出てきた「木戸川」のような耳慣れない言葉をまた引く。細かい部分はネットで調べた。私がよくやる調べものの方法だ。

まずは歴史。

 「楢葉」という町の名前は、平安時代の漢和辞典・百科事典である『和妙抄』の「楢葉郷」に由来するらしい。位置柄、中世には岩城氏と相馬氏の争奪の地であったという。
 現在の町は、1956年に竜田村・木戸村が合併し成立。かつては林業・農業中心の農村地帯であったが、1948年、隣の富岡町との境に福島第二原発が建設される。これについては、後に富岡町でその理由を詳しく知ることになる。

次に、地勢・自然。

 面積は103.64㎢。およそ五霞町5個弱分だ(五霞町は茨城県最小の町。このように物差しとしてよく利用させてもらっている)。思っていたより大きい。地図を見ても、双葉郡の中ではそれなりに大きい方だ。人口は4,000人ほど。

 地形としては、西から阿武隈高地、丘陵、太平洋岸と西高東低の地形になっている。これは実際行ってみてよく分かった。町内を流れる木戸川では、サケの遡上が見られ、アユなども生息する。

木戸川下流のあたり

 比較的寒暖差が小さく、積雪も年1~3回程度。浜通りらしい気候だ。福島というと雪の積もった会津の景色を思い浮かべる人も多いのではないかと思うが、なにせ福島は大きい。海側はほとんど雪が降らず、気候が全然違うのだ。

そして交通。

 JR常磐線、ロッコk…国道6号線が南北に走る。町内の常磐線駅としては、Jヴィレッジ駅・木戸駅・竜田駅の三駅がある。
 南端は常磐自動車道広野インターチェンジに近い。

私の楢葉探検始まりの場所、Jヴィレッジ駅

次に産業。

 かつては馬産や和紙の生産が盛んであったらしい。(実際行ったときには、その痕跡は見つけることができなかった…)
 農業が主産業だが、農工一体の町づくりを進めた結果、建設業や製造業などが伸びを見せているそうだ。現在では、新産業の推進を図っているところらしい。

隣町・広野町との境付近にある工業団地

そして気になる観光。

 主な観光スポットは、サッカートレーニング施設のJヴィレッジ、天神岬、温泉施設のしおかぜ荘、道の駅ならはなど。天神岬には天神岬スポーツ公園というのがあり、キャンプ場やバーベキュー場など、野外レクリエーション施設が充実している。道の駅ならはでは温泉に入ることができる。
 滞在中に、しおかぜ荘以外は制覇した。先輩やならはみらいの方からしおかぜ荘いいよと聞き、とても気になっているのだが駅から遠い…(運転できない)

天神岬のアイスショップ、ウィンディーランドさん。ゆずジェラートが絶品

次に伝統行事。

 木戸川の上流にある大滝神社の神輿が浜まで下り潮水を浴びる、大滝神社の浜下りというものがある。これは県の重要無形民俗文化財にも指定されている。
 鳥小屋行事というものもある。何ぞ?と思い調べてみたところ、害鳥から田畑を守る「鳥追い」と、正月飾りを燃やす「どんと焼き」が一つになった行事で、いわき市周辺の太平洋岸地域で続く風習だそう。ということは茨城北部にもある?と思い調べてみると、いわき市に隣接する北茨城市にもあるようだ。初めて知った。

そして特産品。

 ユズとサツマイモが有名らしい。かつて楢葉は「ユズ栽培の北限地」とされていたそうだ。1986年に「ゆず香る文化の里」を作るべく部会が結成され、町内各家庭にユズの苗を配布したそうだ。
 町としてサツマイモを推し始めたのは、意外なことについ最近である。「白はと食品工業」と共同し、2017年にサツマイモの試験栽培を開始したそうだ。今では国内最大級のさつまいも貯蔵庫まである。生産圃場を管理しているのが茨城県行方市の「なめがたファーマーズヴィレッジ」の立ち上げを手掛けた方と知り、意外なところで繋がりがあるなと驚き。
 ユズにしてもサツマイモにしても、「特産品は自分たちで開発していくぞ」というような気概を感じる。楢葉のユズとサツマイモのこれからに期待が膨らむ。

町内産のサツマイモを使った干し芋

 いろいろ調べていると、これらを実際自分の目で見れる日が待ち遠しくなってくる。今回はこの辺りにして、次回はまだ触れていないかなり重要な部分、震災のことについて触れようと思う。

 ご清覧ありがとうございました。

参考文献
日本大百科全書(ニッポニカ)「楢葉(町)」
ブリタニカ国際大百科事典小項目事典「楢葉町」
百科事典マイペディア「楢葉[町]」
世界大百科事典 第2版「楢葉[町]」
楢葉町「町勢要覧」https://www.town.naraha.lg.jp/admin/cat337/005602.html
観光ならは「大瀧神社の浜下り」https://www.town.naraha.lg.jp/kanko/event/006437.html
楢葉町「正月伝統行事『とり小屋』」https://www.town.naraha.lg.jp/blog/007644.html (2022.01.11)
復興庁 福島の今「Hand in Handレポート『楢葉町の美味しい“季節の実り”を体感!』」https://www.fukko-pr.reconstruction.go.jp/2018/fukushimanoima/shiru/reports/report-19/index.html (2020.12.10)
未来 ワーク ふくしま「楢葉町をサツマイモの産地に!農業女子が挑む福島再生への取り組み」https://mirai-work.life/magazine/4105/ (2023.01.18)
復興庁 福島の今「Hand in Handレポート『楢葉町の美味しい“季節の実り”を体感!』」https://www.fukko-pr.reconstruction.go.jp/2018/fukushimanoima/shiru/reports/report-19/index.html (2020.12.10)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?