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【韓国論文】韓国語でよりレベルの高い文章を書けるようになるには


1.進学目的の韓国語学習者

韓国の大学や大学院に進学するために韓国語を勉強する人は、会話以上に文章が書けるかどうかが重要になってきます。
一般的に、大学や大学院は最終的に論文を書くことが目標になるからです。
学問目的の学習者は、短期間で高校まで韓国語で勉強してきた韓国人学生と同じ土俵でやっていけるだけの作文を書く能力が必要に迫られます。

今回は、大学生活で必要な韓国語能力を鍛えるために文学作品を活用した授業を実施してみた論文を紹介します。

共有する論文:キム・ユンギョン「文学作品を活用した外国人作文指導事例」


2.文学から韓国語を深く理解してみる

この論文は、外国人留学生を対象に文学作品を活用した、大学の作文講義の教授ー学習事例を提示することで外国人留学生の学業基礎の力を強化するための講義運用の参考になるようにすることが目的です。

研究対象になった外国人専門の作文講義は、韓国語教育よりは大学で必要な作文能力を強調して運営されました。
つまり、外国人留学生も大学の一員として認められるだけの基礎的文章能力とコミュニケーション能力を育てることが、この講義の目的になります。

具体的な講義の教育目標は次の通りです。

  • 大学生が備えるべき基礎的な作文の理論と方法を覚える

  • 韓国語の正しい正書法と良い文章の書き方を覚える

  • 大学で要求される学術的な文章の作成方法を覚える

  • 多様なジャンルの文章を読み、分析することで文章の基礎を固める

授業の運営段階は、①準備学習→②作品鑑賞→③作文実習→④発表の4段階で行われました。

これまでは、受講する学生の韓国語のレベルがTOPIK3級から6級と揃っていないため、同じ講義案でのしっかりした教育的効果を期待しづらい問題がありました。
講義の難易度によっては、授業がつまらないという学生や受講を諦めてしまう学生もいました。
文学作品の活用は、韓国語のレベルが違っていても全員が興味を持って参加した点で、上記の問題をある程度解消できることが期待されます。

また、様々な国籍の留学生が作文発表で、互いにそれぞれの経験を共有しながら留学生としての仲間意識や受講生の間の親密感ができていき、授業に対した所属感が高まって、講義の参加度が向上した結果になりました。

加えて、学生たちは、韓国現代文学を読んでいくことで大衆文化に限定される韓国文化体験と理解の幅を広げる効果がありました。
K-POPをはじめとした大衆文化を通じて韓国文化を経験する留学生は多いが、このような文学作品の鑑賞で韓国の言語と文化を新しく理解する機会を持てるようになる点でも、文学作品を活用した作文講義は興味深い文化授業になれると考えられます。

論文の筆者は、今回の事例から、外国人学生がちゃんと韓国語を駆使すること以上の大学の専攻や教養授業で要求される学問基礎の力を強化するための講義案をいろいろ模索して、多様な専攻の外国人留学生がそれぞれの学問領域で成功的に進められるようにするべきだと主張しました。


3.読書は効率のいい学習法

日本語でも同じですが、大学や大学院では、語学堂や友人との日常会話では触れられない韓国語の語彙や表現を使いこなすことを求められます。
また、会話と違って作文は長い文章を読んだり書いたりするため根気も必要です。
でも、興味がない話題の文章を読み書きをするほど苦痛なこともありません。

文学作品を使った学習は、一作品で、自然な韓国語会話が登場する上に日常会話では登場しなかったり自分が使う機会が少ない上級語彙や表現も効率よく学べます。
韓国も豊富でたくさんの文学作品が流通しているため、自分の興味関心に合った作品を見つけやすく、面白くなければ途中で止めて作品を変えればいい話です。
気に入った作品は、何度読んでも面白いので自然と復習もできて、わかる部分が増えるたびに作品に対する理解を深められて、韓国文化や社会に対する学びにもつながります。

個人的にも、教材を使った学習につまずいたり飽きてしまったりしたとき、ほかには進学や就職など、韓国で何かを頑張りたい人ほど、韓国で読まれている文学作品に挑戦することをおすすめします。


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論文

キム・ユンギョン「文学作品を活用した外国人作文指導事例」『リテラシー研究』第10巻第3号、韓国リテラシー学会、2019年、pp.569 - 590

김윤경 「문학작품을 활용한 외국인 글쓰기 지도 사례」『리터러시연구』제10권 제3호, 한국리터러시학회, 2019년, pp.569 - 590



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