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#読書

「COZY BOOKSHELF」/本の日のブックカバー

11月1日は「本の日」だそうで。 8月末にブックカバーイラストのコンペがあることを知り、締め切り当日にガッと制作したものです。 結果は落選でしたが、いい気晴らしになりました。 あまり描き込まず、ゆるゆる、表情はわからないけれど思い思いの読書を楽しんでいるかんじ。が伝わればいいなと。 あらためて、こういう世界を描くのが好きなんだな〜と。 10/27〜11/9の2週間は「読書週間」。 コンペの結果はこちら↓ 大賞の作品、とても素敵。

装丁の想定『飛ぶ教室』

『飛ぶ教室』 著:エーリヒ・ケストナー今回は岩波少年文庫の2013年版(第10刷)を読みながら制作しました。 ケストナーがこの小説を書いたのは1933年。 『アンネの日記』のアンネが日記帳を手にしたのが1942年なので、だいたいそれくらい昔っぽく見えるビジュアルにしたいなと。 ドイツの学校は基本的に制服がないらしい(日本では「ギムナジウム」ときくと『ポーの一族』みたいな制服を思い浮かべるかもだけど)ので、1920〜1930年ごろのトラッドスタイルを参考にしたり、船長に引き取

装丁の想定『雨ふる本屋』

梅雨なので、2016年の作品ですが雨にまつわる児童書を。 『雨ふる本屋』 著:日向理恵子 原作の吉田尚令さんのイラストと作品全体の雰囲気、自分が小学生だったらまちがいなく手にとるなぁ〜と思う佇まいでした。 文章も詩的でかわいかった。 「自分だったらこんなふうに描きたいな」という思いと、「物語本編と吉田さんのイラストが好き・原作もぜひ読んでみてほしい〜」という布教的な思いが混在して、主人公ルウ子ちゃんのキャラデザは原作寄りです。 赤いボーダーの服と赤い長靴が印象的。 制作過

装丁の想定『ふたりのロッテ』

12/13は双子の日。 ネットでは11/25が「いい双子の日」なんて言われていたりするけども。 『ふたりのロッテ』 著:エーリヒ・ケストナー私はタイトルに惹かれて実写映画から入りました。 実写版はいくつかあるようですが私が見たのは『Charlie & Louise: Das doppelte Lottchen』。 双子の名前が「シャルロッテ」と「ルイーズ」で、時代設定も現代よりにアレンジされています。お転婆なシャルロッテの愛称が「チャーリー」で、いかにも真面目なルイーズの格

「チーズの惑星」

あけましておめでとうございます。 2020年最初の1枚は 子年→ネズミといえばチーズ!ということで、ある英語のフレーズから着想を得たこちら。 「月はチーズで出来ている」 "The Moon is made of green cheese" 英語の言い回しで「ばかげた信念」というかんじでしょうか。 要するに「月がチーズでできているわけがない」ということですね。 幼い子供への伝承として浸透しており、創作物語にもよく使われるモチーフのようです。 (green cheeseとは「

装丁の想定『秘密の花園』

「装丁の想定」 実在する本の表紙に使われるイラストをイメージして、個人的に制作した絵のシリーズ。2010年くらいから細々と描き続けています。 こちらは2017年の作品。 日本図書設計家協会主催「第3回 東京装画賞」応募作です。 この年は課題図書3冊ぶんすべて制作・応募しました。 『秘密の花園』は受賞はなりませんでしたが… 『秘密の花園』 著:フランシス・ホジソン・バーネットイギリス植民地時代のインド。乳母と使用人まかせで育ったつむじまがりのメアリは、十歳にして両親を亡くし

装丁の想定『あ・うん』

「装丁の想定」 実在する本の表紙に使われるイラストをイメージして、個人的に制作した絵のシリーズ。2010年くらいから細々と描き続けています。 こちらは2015年の作品。 日本図書設計家協会さん主催「第3回 東京装画賞」にて東洋インキ賞をいただきました。 『あ・うん』 著:向田邦子 サラリーマンの水田仙吉 その妻・たみ(「阿吽」と称される夫婦) 仙吉の親友でたみに懸想している門倉修造 …の3人を中心に、昭和初期の庶民の暮らしを描いた小説。 昭和初期のお話なので、そこはかと

装丁の想定『バスカヴィル家の犬』

「装丁の想定」 実在する本の表紙に使われるイラストをイメージして、個人的に制作した絵のシリーズ。2010年くらいから細々と描き続けています。 こちらは2017年の作品。 日本図書設計家協会さん主催「第5回 東京装画賞」にて東洋インキ賞をいただきました。 実在する本の装画を描き、ブックカバーとしてデザインした状態で応募するコンペです。イラストだけでなくカバーデザインまでやるコンペはちょっと珍しいですね。 『バスカヴィル家の犬』 著:アーサー・コナン・ドイル 名家バスカヴィル

装丁の想定 『人間椅子』

noteでご紹介する作品第1号は、2016年作のこちら。 『人間椅子』 著:江戸川乱歩要するに、椅子の中に潜む人間のお話。 乱歩の中でもお気に入りです。まー気色の悪いお話なんですが、語り口調がテンポよく読みやすい。そしてオチが清々しく、意外と読後感が爽やか。 乱歩初心者にもよいのではないかなーと個人的には思います。 直観でゾワッと、気持ち悪い!と思ってもらえたら嬉しいなぁと思いながら描きました。グロいのではなく、上品ながらもおぞましい、触感に訴えかけるものにできたらいいな