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夫の自営業が上手くいかない理由

夫は鍼灸師・マッサージ師だ。歩けない人たちの家へ行き、マッサージ、鍼灸をしている。主に訪問マッサージ・鍼灸をしているが、小さな診療所も構えており、通院の患者さんも治療する。

開業してこの5月で4年ほど経つが、なかなか上手くいかない。最初に予定していた売上より、今も10万ほど少ない。大学卒の初任給よりも低い。

自営業には扶養という概念がないため、国民健康保険料は家族の人数が増えるほど負担額も増える。今は¥10,000/月くらいだが、事業を始めた1年目は白色申告、高額の領収証も何枚か紛失して処理できなかったり、私も専従者で働いてなかったため、¥35,000/月くらいだった。

そのうえ、国民年金は私と夫の2人分払う。約16,500×2=約33,000

それから家賃、光熱費、食費、消耗品費、通信費、保険料、保育料などで毎月キツイ。赤字分は結婚前に貯めていた私の貯金から補填してるが、本当にキツイ。家族旅行なんて夢の夢。現実はお惣菜なんてもったいなくて買えないし、日々成長していく子供たちの洋服や靴を買うのでさえ、すっごく悩む。

どうして夫の事業は上手くいかないのか。私なりに4つ考えてみた。

①状況、環境が変わった

元々、夫は10年以上前にこの事業をしていた。当時夫はいわゆるサラリーマンとして会社勤めをしながら、副業で訪問マッサージ・鍼灸をしていた。夫と出会ったとき副業は上手くいっており、最盛期で3人の従業員を抱えていた。
国も在宅医療を広めようとしているときで、今ほど同業者がいない状態で、田舎では稀な存在だった。
今ほど制約も少なかったので、事業を継続させやすかった。

今はあらゆる所で訪問診療をしている。
また、以前はなかった6ヶ月毎の経過報告書をかかりつけ医に渡すようになり事務作業が増えた。
訪問鍼灸・マッサージを患者さんが受けるためには、患者さんのかかりつけ医の同意書が必要だが、悪質な同業者が高額の医療費を請求していたことがあり、同意書をなかなか書いてもらえなくなった。

診療所からの距離によって診療報酬の点数が変わるが、近場は加点されたが、長距離は減点され、さらに訪問診療自体の点数が減点され、トータルで診療報酬の点数が減った。

(夫から教えてもらったことを私なりに解釈して文章にしているので、間違っていたら教えていただけると嬉しいです。)

(ちなみに前回は、これ以上事業を大きくするのは難しい、それはツマラナイと言って、従業員の1人に事業を譲った。そしてすぐ潰れた。)

(もう一つちなみに、結婚当初はいわゆるサラリーマンとして整骨院へ勤めていたが、独立しても家族4人で生活するだけの収入は確保できるだろう、と再び訪問事業を始めた。)

②広告活動を行っていない

夫はクチコミの力をとっても重要視している。今 来てくれている患者さんが、新しい患者さんを紹介してくれることをとても望んでいる。

そのため看板も掲げていない。正確には開業後1年以上経ってから、自作の看板をフェンスにくくりつけた。が、1年も経たないうちに台風で壊れてしまった。それからそのままだ。掲げていたと言っても、肩よりも下のところに看板はあったので見えにくかった。そのうえ、その看板の前に自分の車を停めていた。

また、夫の診療所はネットで検索しても全く引っかからない。似たような名前のところが出てくるだけだ。2ヶ月ほど前、「国の管轄が変わって厚生労働省のホームページに診療所の名前が載るようになる。」と少し嬉しそうに、そして自慢げに報告してくれた。と言っても、それは開業届け出している全国すべての診療所が載るらしい。別に夫のところだけではない。が、先日検索しても出てこなかった。

厚生労働省のホームページがなんちゃら夫が言ってるちょうどそのとき、家にタウンワークの冊子が配られたときだったので、「ねえねぇ、1回線はタダだし、タウンワークに電話して掲載してもらうのはどう?」と提案しても夫「ん〜。考えとく」。

また、私は数年前、職業訓練でパソコンのスキルを勉強し、資料作りや簡単なホームページは作れる。なので提案してみるが、却下される。「こんなの作ったよ!」と実際に作ったのを見せてもみるが、「おー、ありがとう。」と言うだけで、実際には使ってくれない。「使ってくれた?」と時間を置いてから聞いても、「ん〜、まだ。」と。

私は普段、SNSは使わない。mixiもFacebookも使わなくなって何年も経つし、Twitterは登録したのみ、Instagramは登録さえしていない。でも、この時代、全くSNSを使わないのもどうかと思い、夫に提案した。何かしら登録して、せめて1週間に1回ずつ、発信していこう、ネタは一緒に考えるし、私がアカウントを借りて発信してもいい、と言っても「SNSはイヤ。」と。

開業当初作った名刺も切れてそのまま。「かっこいいデザインにしたいんだよね〜。」と言って、そのまま。

新聞の折込チラシも考えてる、と言ってたが、そのまま。

そのまま、そのまま、だ。

③スキルアップ・自分磨きをしない

夫は痛みを取るのは上手い方だと思う。
私も何人か他の人の治療を受けてきたが、腕はいいと思う。
私の父は脊柱管狭窄症、すべり症、ヘルニアなどよくわからないが腰や足に色々抱えていて、私より色々な診療所・整骨院へ行き、色々な人から治療を受けてきた。通い始めたら、とりあえず半年近く同じ所に通う。けれどなかなかよくならず、治療が終わった直後でも痛みや痺れが残る。でも、夫がたまに治療すると一時的ではあるが、痛みや痺れが取れるらしい。今のところ、一瞬ではあるが、痛みを取ってくれる人が夫だと言う。
また、患者さんの中には2時間かけて通う人がいたり、東京から宮崎に帰って来た患者さんが「東京でもこんないい治療はなかなか受けれない!」と大絶賛してくださり、脳梗塞の後遺症で歩けなかったが、少しずつ歩けるようになってきた方もいる。

実際、若い頃はとても勉強し、苦労したらしい。
鍼灸・マッサージの専門学校に3年間通いながら、鍼とマッサージでそれぞれ別の師匠の下につき、昼は学校、夕方からは整骨院で働いた。師匠のところではお礼棒鋼も兼ねて10年いた。
指が潰れてもマッサージし続け、そのおかげで今はいくらマッサージしても指は痛くならないらしい。
専門学校時代は仲間8人とお互いに興味のある勉強会に参加し、それに自分の考察も加えてお互いに発表して実践しあったり、それを患者さんの了承を得て治療して効果を確かめたりしていた。
人工骨をどのように入れるのか知りたくて医者にお願いして外科の手術を見学させてもらったり(今は出来るかわからないが)もした。
一軍のプロ野球選手の治療もしてきたし、逆子の治療も美容鍼もできる。
とにかく色々な勉強会に参加し、実践し、経験し、自分のものにしてきた。

でも、わたしと結婚してから一度も勉強会に行ったことはない。

夫曰く、新しく出ている治療方法よりも昔からの治療方法の方が効果がある、とのこと。
勉強会に行かないのか聞いても、あの治療方法は自分に合わないから、とか、新しいように見えて実は根本的には昔からの治療法と一緒だから、など言って行かない。

私は、そういうものなのか…?と疑問に思ってしまう。

また、寝る前の歯磨きは毎日見るが、朝は顔や歯を洗わず、寝癖もついたまま出掛ける。たまにするが、ほぼしない。
加齢臭も口臭もある。
煙草は止めたからまだいいものの、緑茶が嫌いでコーヒーばかり飲むので、元々の口臭にコーヒー臭も混ざり、隣で会話されると気になって息を止めたり、少し距離を取ったりすることがある。私もたまに治療してもらうが、たまに加齢臭やら口臭やら臭いことがあるので、患者さんに申し訳なく思う。

夫は自分の臭いにも他の臭いにも鈍い。

最近は診療所の掃除もさせてくれないので、隅にホコリが溜まったり、変な臭いがしてないかとても気になる。

本人曰く清潔感が大切と言っているが、よくわからない。

④私が伝えられない

②③のことは夫に伝えないとな、と思うが、最近、夫は怒りっぽい。
夫「とんぷーはなんでもかんでもオレのことを否定する。いつもいつも否定する。」と怒る。そんなつもりはないのだが。
おかしいと思ったら意見は言ってはいる。私も言い方が悪いかもしれないが、なんでもかんでも否定してはいない。

それで「例えばどんなことを否定してる?」と聞いても、夫「わからん。もう忘れた。」ばかりで、具体例を挙げてくれない。反省して次に活かそうにもそれも出来ない。


そう言われてみれば確かに、以前は「歯磨きしないの?顔洗わないの?汚いじゃん。してよ。」「ちょっと汗臭いからこれに着替えて。」とかズバッとストレートに言っていた。
でも、「言い方を考えて!」と言われたので、優しく遠回しに言うように変えてみたが、
私「歯磨きした?」
夫「時間がないから後でする」(結局しない)

私「目やについてるよ(心の声:顔洗いなよ)」
夫 手で取る

私「寝癖ついてるよ」
夫「セットしたの」

私「汗かいて気持ち悪くない?着替えたら?」
夫「いや、もう昼過ぎだし。そんな汗もかいてないし。」
「汗かいたけど、洗濯物増やすと悪いからさ。」

など。言い方を考えてこのように言うようになったが伝わらない。
どのように言い直せばいいかわからない。

どうしたものか。

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