言葉の精度を上げよ。
あなたの文章は変わったねと言われることが増えた。
褒め言葉として受け取っている。
少し前までは、読み手をほっとさせるため・求められる役割に応じるための、ふんわりと耳障りのいい言葉を良かれと思っていた。
主観をなるべく挟まない、読み手に委ねるような文。
それは、ある意味、私がゆるく属する「業界用語」であるとも言えるんだけど、ね。
もちろんそれがその人そのものなら、それでいいんだろう。
でも私の場合は、そうじゃなかったのだろうね。
ーー分かりにくいです。
ーーあなたが本当に言いたいことは何?
そう訊ねられたとき、こころの中を探しまくって引っ張り出した答えは、我ながら頼りなかった。
訊いてくれて、ありがたかった。
その頃は好きな文筆家・坂爪圭吾さんのいう「本当の思いの何歩も手前を生きて」いたんだろうなって思う。
本当の思いってわがままとは違うんだよ。
いや、わがままかもしれないけれど、それが、与えられた命を生きるってことなんだと思うよ。
そのために、言葉を発するなら、もっと精度を上げたい。
本当の思いと、言葉の距離を縮めるために。
そんな風に思い始めた自分がいる。
本当の思いのまま言葉を綴ったり、行為したりするのって覚悟がいること。
でも、こころと言葉の距離が近ければ近いほど、大げさでなく生きている実感を得られるよ。
あなたは、あなたの言葉を話していますか?
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