「忍びの者」(1962)

市川雷蔵演じる石川五右衛門が百地三太夫の命を受けて織田信長を暗殺しようとする話。

主人公は忍者であることを悩んだりして、決して痛快な時代劇ではない。後半、一途な藤村志保の遊女を身請けし、二人の幸せはミッションの達成にかかっているという古典的なパターンになり、がぜん面白くなるんだけど、信長が暗殺されるわけがないし、五右衛門は釜ゆでにされるはずだし、ハッピーエンドなんてありえないと暗い気持ちで見ていたら、あらら、あらら。

50年代までは独立系で社会派の映画を作り、70年代には「戦争と人間」「金環蝕」などの社会派大作を作った山本薩夫監督は60年代に大映でこんな娯楽作品を作っていて、その中で田宮二郎主演の「白い巨塔」が生まれたんだなあ。未見だけど。おっ、手ごろな価格のDVDありました。さっそく注文。

2016年3月18日

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