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『三国志後伝』について

中国明代に書かれた講談小説に、『三国志後伝』という小説があります。

こちらは三国志演義の続編スピンオフとして書かれ、その後、中国では忘れられていましたが、なぜか、江戸時代の日本において翻訳されていたという数奇な運命をたどった書籍であります。

現代でも、原書が世界に2冊しかないという希少な書籍です。

大学時代のその翻訳である『通俗続三国志』、『通俗続後三国志』と出会い、その後も愛読していた(笑)していた自分としては、思い出深い作品となります。

何度か三国志で有名なサイトやブログを運営された方が一部翻訳に着手された以外、誰も扱ったことがない作品で、本当に知る人ぞ知る作品でした。

近年、河東竹緒さんがカクヨムで翻訳され、それを契機に、コメント欄が色々と私が河東さんと話して、論文などを調べていく過程で色々な事実が判明し、wikipedia、togetter、ニコニコ大百科と記事にしていって、様々な謎が分かりました。

この時に私が初めて歴史マニアを名乗っていいと感じた次第です。中国史ではなく、日本の書誌学としてですが(笑)

ニコニコ大百科「三国志後伝

wikipedia記事「三国志後伝

【三国志後伝】 三国志演義の続編として刊行され、日本で翻案されて独自に発展しつつ、各国を渡り続け生き残り、中国で復活を遂げた数奇な書物の話

400年前の三世ものスピンオフ三国志小説! 江戸時代から日本各地で読まれ続けた三国志演義続編の日本語翻訳に関する話。

また、これは他の方のサイトの分も含めて集めた記事です。簡略な紹介やガジェット通信、翻訳も含まれています。

これ以上調べるのは、文献を洗いざらい当たる必要があるとは思われ、私では困難と思われます。

これ以外にも私がいろいろと書いた記事もあり、中でも、

日本で明治時代に刊行された三国志後伝の翻訳である『絵本通俗続三国誌』では、挿絵を水野年方という高名な浮世絵画家が描かれています。

挿絵20

おそらくは『絵本通俗続三国誌』を民間で所持して、どういった書籍であるか認識しているのは世界で私だけと思われますので、このまま、忘れ去られるのは惜しいです。

おそらくは、発行された「武田とし」さんは現代でいえば、百万ぐらいかけてこの書籍を発行したのではないでしょうか?

少なくとも挿絵になった人物の人物紹介も原稿としては残していますので、今後はその記事を使ってどしどしと紹介していきたいと考えています。

こちらをその内容をまとめたマガジンです。


挿絵19

三国志後伝」は三国志の人物の子孫が登場して、無理やりとはいえ歴史に絡むので、ゲームや小説、漫画との相性はよく、三国志の歴史が五胡十六国とまでのつながりを持ち、新たな三国志世界を開くためのきっかけになるのでは、と思っていました。

しかし、名のある学者や小説家、大きな出版社がバックアップでないため、一般の方にアピールできず、20年前とは違って、史実とは違う作品は歴史があっても軽く見られてしまう傾向があるようで残念です。

『三国志後伝』は、日本人が好きそうな多数の人物がでていて(個性は薄いですが)、日本人の方に支持されたのは納得です。

いくつか、ここで挿絵を画像として掲載していますので、よろしければご覧ください。

挿絵23


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