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今月のおすすめ新譜 Emily Reo - Only You Can See It

ドリームポップってなんぞや

昨今インターネットに転がっているサイケな映像にあるコメント欄を覗くとよく、

「インフルエンザの時に見る夢」

というのを見かけるが、ほんとにこんなん見た覚えあるの?といっつも疑問になる一方で、

自分「ドリームポップって良いよな~~~。」

って考えているもんなんでこれは明らかな矛盾ではないのかと気づいてしまったので、「 そもそもドリームポップってなんぞや?」とwikiで調べたところ、

1980年代から発展したロックのサブジャンルのひとつ。元来はめまいを誘うような浮遊感のある音世界が特徴で、エコーやリバーブ、ディレイ・エフェクトなどを駆使して演奏される。

と出てきたので、「なるほどな、実際の夢を比喩した表現ではないんだな」と定義的に理解したところで、どこか腑に落ちない結末を迎えてしまった。

という話をEmily Reoの新譜を聴いていて考えついたのだが、そんなEmily Reoの新譜「Only you can see it」はジャンル分けするとドリームポップである。

Emily Reoとは

Emily Reoとはアメリカのブルックリンをベースに活動する音楽家でアーティスト活動の他にエンジニアをやっている方らしい。
こちらに可愛らしいホームページがありますので見てください。

今回レビューする「Only you can see it」は彼女の6年ぶりの作品で、今作は彼女一人でレコーディング、作曲、アレンジメント、プロデュースを務めたとBandcampの彼女のページにて書いてある。いわゆるDIYミュージックというやつだ。

音楽性

個人的に今作はドリームポップであると感じた。しかしやや音を詰め込み過ぎてる傾向があると思うので、wikiのドリームポップ定義にあるような浮遊感は人によってはちょっと感じづらいかもしれない。
しかしながら、その音の多さや派手な装飾がダイナミックに稼働しており、豪華絢爛なドリームポップ的な世界を演出している。

また、アレンジがかなり個性的でありながら秀逸であり、他ではちょっと見られない音を出していると思う。

Ghosting

例えば「ghosting」という曲では、AメロBメロの歌メロから進行するこのサビは意外に感じられた。サビまでの歌メロは結構力強さというものがあったが、サビでは一気に力を解放し、音の旋律の流れに沿って美しいメロディ進行になっている。

Balloon

似たような感じで「力強いメロディ→力を解放した緩やかな歌唱」という展開で「Balloon」という曲があるが、この曲では更に、「しっかりめに歌う→ゆるく歌う」からサビで更に「力強く歌う」と緩急をつけた曲展開はかなり面白い。また昨今流行っているロボ声なるオートチューンがあり、こういった曲展開だけでなく今作は様々な細工がされている。

Strawberry

こちらの曲は最近MVを出したようだ。この曲では後半に見られる子供っぽい声でアルファベットをスペルコールしているアレンジが非常に聴き心地が良い。Emily Reoはアメリカで活動するアーティストであるが、この作品を聴くとちょっと北欧ポップっぽい感じがするので、北欧のポップが好きな方がいたら是非この作品に触れてほしい。

まとめ

今作はDIYな作品らしい、他では観られない独特の世界観のある作品である。最初聴いた時から、煌めいた世界を演出するアレンジに惚れこんでしまった。ポップが好きな人ならぜひぜひ聴いてもらいたい作品なのである。

Emily ReoのBandcampページはこちらから。

#音楽 #レビュー #インディーポップ #ドリームポップ #EmilyReo


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