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Material, or+日本のグラフィックデザイン2023+赤坂氷川神社

思いがけず良い天気の中、昨日は今月の平日一人休暇してきた。出発ギリギリで、雨傘持参の予定を日傘に変更していた。それで間違いなく正解だった晴れの日。

東京ミッドタウンにあった、イロハモミジの夏色の実を眺めているうちに、お天気雨が降り出していたらしい。木の下から出て気づいた。

メインの目的地は、21_21の「Material, or」展。近くの氷川神社にも、後で行こうとしていた。前回、近くに行ったときには、暑過ぎて諦めたお詣り。昨年の川越氷川神社のお守りをお返しして、新しく授かれるといいなと思っていた。

21_21に向かっているうちに、東京ミッドタウン・デザインハブのポスターが視界に入ったので、まずそこへ向かうことにしていた。イロハモミジから、建物入口まですぐ。

「日本のグラフィックデザイン2023」を面白く眺めてきた。以前に行った21_21の展覧会のデザインがあったり、見覚えがあるデザインもちらほら。たくさんの楽しいデザインをまとめて見られるここは、長居してしまう場所。

正面からはずれると、とても凹凸感・光沢感のある、何となく立体のような平面のポスターがあったり。(宮崎遥・グループ展出品作品)

令和元年の台風で壊れてしまった古い橋梁の、英語も日本語も入っている古い図面を興味深く眺めたり。5冊セットで橋梁のデザインになっている、ノートらしき冊子のデザインも楽しかったり。(千曲川橋梁復旧)

21_21前庭の芝生では、透明で柔らかいアールの衝立らしきものがある、ステージらしきものを建設中だった。何を作っているのかわからなくても、その構造を、それはそれで興味深く眺めた。

GALLERY 3では吉岡徳仁展が開催中なのかと、途中でポスターを見かけて思っていた。が、勘違いだったらしく、GALLERY 3の中も含めて工事中の雰囲気だった。

先ほど調べて気づいたが、屋外では吉岡徳仁展の「炎のモニュメント - ガラスの炬火台」を作っていたらしい。実際に炎が灯る日もあるらしく、それは見てみたいなと思った。展覧会の会期は9月14日から。

メインの「Material, or」展。
こちらも写真は会期中なので出さないが、いろいろと面白く、笑ってしまったりもしながら長居した。

「建築設計:キツツキ」というアオゲラの巣。生木を二つに割った状態で展示されていた。入り口付近を少し上り勾配にするなどの機能性、建築の方法の説明もあり興味深かった。穴の中の質感は、先日「海」展で見かけた丸木舟の舳先のようだった。

「calling coals / coal's calling」。
印刷屋・大工・農家・編組作家と、採取した炭の関わりを展示していた。

味わいのある手書き文字で、考えたままを書いている様子は、思考過程を楽しむだけではない、素朴な可笑しさがあった。
メインは山形で採取した炭との関わりだが、イギリスの国立石炭博物館での話も興味深かった。

別な作品だが、「Wanting to know why, so making」という言葉に、楽しいことだなと思った。日本語は「なぜだかわかりたい。だからつくってみる。」と書かれていた。

「『性質の彫刻』ビー玉」は、そういうことができる素材だったのか、と笑ってしまう展示だった。

「アンフィテックス」は、蓮の葉に着想を得た、フッ素フリーの撥水する布。実際に水を流して展示されていた。他にも、自然界にある機能や成分を使った素材の話は、いくつか展示されていて興味深かった。

大きな光学ガラスも展示されていた。「宇宙を観察するためのものになった」光学ガラスの「つぎはなんだろう」という話だった。以前に見た吉岡徳仁作品を、何となく連想した。やっぱり茶室が美しいのでは? ベンチもキレイだったな、と。

「ガラスの茶室 - 光庵」と、ベンチ「Water Block」は、暑い日に国立新美術館で見た屋外の作品。茶室の室温は気になった記憶もあるが…
「Water Block」は、GALLERY 3で始まる展覧会で見られるらしい。

土瀝青どれきせい」という、秋田県の天然アスファルトの話もあった。いろいろな用途に使われてきた歴史を、興味深く読んだ。

「ただ金属を編むだけで。」と書かれていた、金属製ネット。角度によっては見えなくなる細さの金属を、驚きとともに眺めた。

「時の声」は、自然に還りそうにない、アクリル樹脂のスティックによる造形だった。が、紫外線で剥がれやすくなる粘着剤で組み立てているらしい。どうやら自然に解体が始まるとのこと。

さすがに展示中に崩れてくる訳ではなさそうだが。大きな造形が崩れるのは、展覧会場では望まれないだろうが、どれくらいで崩れてくるのか眺めてみたい気もした。

展示後の再資源化についても説明されていた。「工業製品を自然の一員にする。」という考え方らしい。

中庭では、珍しくない道具が楽しいアートになっていた。

「Touch with your ears, look with your ears, make with your ears」という言葉も、興味深く眺めた。

「削りかけ」という古くからの木の造形も展示されていた。職人さんの美しい技術による作品を、近くで見て楽しんだ。

建物内からでも感じられた良い天気

強い日差しと、平坦な土地に住んでいると、驚くほどの高低差の坂だらけの中、赤坂氷川神社へ向かった。

御社殿の前で、お賽銭を入れてからふと気づいたのだが、お詣りする人は何人も足早に御社殿に向かっていたのに、拍手かしわでの音を聞いた記憶がなかった。

あー、ここは二礼二拍手一礼でお詣りする神社ではないらしい?と気づいた。が、気づくのが遅過ぎたので、とりあえず大きな音は出さないことだけ気にした。作法は間違えたが、落ち着いてお詣りした。

参拝より前に…
激しい坂を避けるように、何となくルートを選んで到着してみたところ、鳥居が複数あると事前に気づいていたというのに、鳥居のない出入口から入ってしまった。いろいろと大目に見てもらうことにする。

足早な参拝者たちと書いたが、若い人たちも含め、地元に住んでいる人や働いている人たちに、大切にされている場所なんだなと思った。とても慣れた作法での動きは、視界に入ったときに心地良かった。

私のように、のんびりと眺めている人がほぼいなかったのは、蚊に刺されるという理由もあったのか。イチョウの大木をボーっと眺めているうちに、足首を何ヶ所か刺された。

大きな木は、イチョウだけではなくたくさんあった。大銀杏おおいちょうはもちろん大きかった。注連縄しめなわがされた方のイチョウも、古そうな大きな木だった。どちらも幹の根本から、驚くほどに大きなウロがくくれていた。

大銀杏の根元
高さに驚いた大銀杏。夏色の葉はきれいだった。

大銀杏は、区の天然記念物らしい。東京大空襲の被害も受けつつ、それでも、この大きさで今も生きていて、樹齢は450年と長く、鮮やかに黄葉するらしい。何だか畏敬を感じた。

お守りは、鎮守の「いちょう守」を授かった。今朝、付いている鈴の中に、ビニールテープを差し込み、鳴らないように工作した。それから、前のお守りを付けていた場所に留めた。前のお守りは、納め所を御社殿の近くで見つけられ、参拝の前にお返しできた。

昨夜、鈴を鳴らさないアイデアは、WEB検索して調べてあった。そのまま使えるアイデアはなかったが、うちの材料でできることをした。小さく切ったビニールテープをUにして、とげ抜きで差し込んだ。検索結果には養生テープと書かれていたが、うちにはない。

昨日の境内では、遊び場に子どもがいないのを良いことに、少しブランコに座ってゆらゆらしていた。低いブランコから見上げた、大きな木々の隙間から見える青空の高さに、暑い日中でも秋なのかな、と思ったりした。