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完全保存版【少年野球バット選びの全て】2023-24


はじめに

こんにちはN尾です!
今回はnoteでやりたかった企画第一弾!
『少年野球【バット選びの全て2023-24】』です!

子どものバットを選ぶ時、親は愕然とするんですよね。
メーカーと種類の多さに。。。
『何を買えば…』という声をよく聞きます。
後悔しないバット選びをしてほしいです。
お悩み解決法をステップ毎にまとめてみました。

バット選びの道

ステップ1 計画を立てる

まずはこの目安表をご覧ください。

そうです。買うバットは一本では済まない事が多いのです。
少年野球を始める学年にもよりますが、
身長は1年生から6年生で40cmは伸びます。
自分の身体に合ったバットを選ばないと、
せっかくの楽しい野球が辛い思い出になりかねません。

<長さと重さについて>
選ぶ長さと重さはチーム状況などが絡みます。
体格に合わせて1年ごとに買い替える事ができるならそれが一番ですが、現実的ではないでしょう。
買い替えるたびに、そのバットに順応するための練習も必要になります。
例えば、その子が1年生で、すぐにでも試合に出ないといけないチーム状況なら、350~450gのものを選びます。
しかし、上級生が多かったり、試合に出始めるのがもっと後なら少し重い物を選んだりします。
要するに、そのバットを最前線で使う時はいつなのか、という事です。

<バランス(重心)について>
バランスは大きく分けて三種類あります。
カウンターバランス(手元)
ミドルバランス(真ん中)
トップバランス(先端)です。
カウンターは飛距離『低』・バットコントロール『高』『初心者向け』
ミドルは飛距離『中』・バットコントロール『中』『中級者向け』
トップは飛距離『高』・バットコントロール『低』『上級者向け』
こんな認識で良いと思います。
けれど、実際は振ってみないと分からない部分です。
超初心者でも、トップバランスのバットと相性が良いなんてザラです。
『しっくりくる』という事が最も重要です。

<身長・体重について>
実は身長はあまり重要ではなく、体重の方が重要と言われます。
歴代本塁打数1位の王さんは177cm、2位の野村さんで175cm、3位の門田さんに至っては170cmしかない。
しかし、1位から10位まで共通している事があります。彼らの全盛期は全員80kg以上だったと言われています。体重が重い方がそれを動かすために筋肉量も多いと考えます。身長が高くとも華奢な身体では重量級バットは振れません。
ですので、その子の体形もバット選びの重要な要素です。

<価格について>
そして最近のバットはとても高価になってきています。
価格を日割り計算しても良いと思います。
バットの平均的な値段は20,000円くらいです。
この価格なら2年間(730日間)は使いたいと僕なら考えます。
20,000円÷730日=27.4…円/日
日割り計算で27円を下回ってくるとコスパが良いですね。
漠然で良いのでイメージしてください。
これらの要素を総合的に判断して計画を立てます。

ステップ2 素材を選ぶ

素材を選ぶのは、方向性をハッキリさせるためです。
バットの素材は大きく3種類に分けられます。
素材にはそれぞれの特性があります。

①ポリウレタン(PU)
価格:¥30,000~
とにかくぶっ飛びますが、重くて扱いにくいため高学年向け。
低学年用がラインナップされていません。
ホームランを打ちたい、速い打球を飛ばしたい子はこれです。
打球部が柔らかくて定価¥30,000超えは、大体これです。
この素材を選ぶのは、しっかり振れる子です。
飛ぶ飛ぶと言われても、基本ができていない子は飛びません。
小柄で華奢な子には不向きな部分があります。

②カーボン・FRP
価格:¥15,000~¥30,000
軽いのに反発係数が高い・バランス型です。
メーカー側が振り抜きやすさと飛距離の両立を強調している事が多いです。
打球部がポリウレタンっぽいラバー素材を使っている物もあります。
カーボンは自転車の素材に使われるくらい衝撃吸収能力が高いです。
芯を食えば打感も良くぶっ飛んでいくのですが、芯を食わないと衝撃が殺されてボテボテになり打感も最悪になります。
この素材を選ぶのは、バットコントロールと飛距離を両立したい子です。

③金属
アルミ合金・超々ジュラルミンなど
価格:~¥18,000
軽いものから重いものまで。
短いものから長いものまで。
反発係数も高いですが、上記2種には及びません。
バットコントロールしやすく打感も良い。
価格が安く、エントリー向け。
ミート重視で脚のある子。
野手の間を抜ける打球を打つ子が使っているイメージです。

とは言うものの、金属製でもホームランは打てます。
遠くに飛ばす事が目的ならPUを選びますし、野球の根源的な楽しさやロマンを追求するなら金属、その中間がカーボンFRPと言った感じです。

ステップ3 メーカーを選ぶ

ここからは、完全に好みの問題です。
デザインも含めて、カッコいいと感じる事が重要です。
ご両親からおススメされるメーカーもあるでしょうけど、『このバットを使う俺カッコイイ!』と思えるのが最重要。
更に下の項目で現行モデルをまとめてみました。

計画例

筆者の次男は1年生から野球を始めました。現在3年生。1~2年生は300g台の金属製バットで楽しんでもらう、3~4年生は試合に出る事も想定し400g台のFRPバット、5~6年生は500g台でのカーボンバットでチームの最前線へ。
大谷翔平が好きだったため、最初の2本はasicsを選びました。
3本目は逆張り大好きな僕の好みでルイスビルのカタリスト3Tiの予定です。

長男は3年生から野球を始めました。現在5年生。
体格が大きかったのですがモチベーションが低く、どうせすぐ辞めるだろうという事で3~4年生は中古の82cmのミズノ金属製バットを使いました。
これでホームランを打ってモチベが爆上がりしたため、4~5年生は80cm580gのカーボンバットを選びました。
そして最近、最後のバットとして80cm600gのPUバットに変えました。
メーカーはミツワタイガー。
Jグリップと呼ばれる独特のグリップを図書室の本で知り、一目惚れ。

各メーカーの現行モデル(2023)

MIZUNO

ミズノ

≪PU≫
ビヨンドマックスレガシー
ビヨンドマックスオーバルVA

≪カーボン・FRP≫
ウィルドライブブルー
プロフェッショナルセレクション
BAセレクション
ヒッティングナビ

≪金属≫
【グローバルエリート】Jコング
【グローバルエリート】Vコング02
ウィルドライブレッド
VコングZERO

飛ぶバットの始祖『ビヨンドマックス』を擁するミズノ。
『レガシー』はPU素材の原点であり頂点。
『オーバルVA』は芯材が楕円形。打球面で打球の質を変える事ができます。
さすが天下のミズノ。カーボン・金属とほとんど死角がありません。
ヒッティングナビはカーボンで超軽量にカウンターバランスという、扱い易さ全振りの初心者向けバットです。
強いて言うなら、『レガシー』との差別化か、はたまたZETTとの差別化か、カーボン製の超長距離打者向け複合バットがない事が気になります。

ZETT


ゼット

≪PU≫
該当なし
(モンスターブラックキャノンの少年モデル発売が待たれます)

≪カーボン・FRP≫
ブラックキャノンGT
バトルツインST
ヒットマシン

≪金属≫
ゼロワンステージ
グランドヒーロー
スイングマックス

名器『ブラックキャノン』シリーズを擁するZETTですが、少年野球ではPU素材のバットを頑なに作らず頑張っています。『ブラックキャノン』の『ブラック』はカーボンが黒い素材である事から。カーボンを三重構造にしたり、芯材にラバー素材を巻いて表層をカーボンにしたり、『カーボン使い』という印象が強いです。国産メーカーのカーボン製で拘るならZETTは良いですね。

SSK

SSK

≪PU≫
MM18

≪カーボン・FRP≫
ライズアーチ3XXX(スリーエックス)
ライズアーチJ

≪金属≫
スカイビート31K RB J
ネオフライトRB J
クロノマスターRB 
ライトキングJ
ラインドライブ
ウィンドリーム

SSKは硬式の技術がそのまま軟式に下りてきているのか、金属バットのラインナップが充実しています。MM18はポリウレタンの厚みが18mmであることから。一般用ではMM23が出ました。業界ではポリウレタンを如何に厚くするかの競争が激化しています。他社が芯材を中心から外して無理矢理24mmにしたりとかしているのが非常に興味深いです。他チームを見てもPU素材のバットはやはり『レガシー』が一番見かける中、たまにMM18、ライズアーチを見かけます。その度に『渋いなぁ!』と思っています。

asics

アシックス

≪PU≫
デュアルフラッシュ2(カタログ外)

≪カーボン・FRP≫
スターシャイン2nd プラス

≪金属≫
NEOREVIVE (S)(M)

アシックスはもう少しバットに力を入れたら良いのに。次男がスターシャイン2ndプラス使っていますが超名バットです。デュアルフラッシュ2を他チームで見た事があるのですが、無茶苦茶飛んでました。現行から外れてしまったようで、寂しい限りです。

Rawlings

ローリングス

≪PU≫
HYPER MACH 4ORCE
HYPER MACH AIR
HYPER MACH 3

≪カーボン・FRP≫
なし

≪金属≫
5150
STAR ACE

ハイパーマッハフォースはPUの中にエアパッドを使うという、もう原理がよくわからないテクノロジーが使われています。差別化に頭がいっぱいで迷走している感じが、僕は大好きです。しかし、金属の5150は古き良き重厚な金属バットという感じがしてこれもまた良い。日本の『故きを温ねて新しきを知る』という言葉がよく似合う企業です。今は独立しましたがアシックスが経営していた時代があったからかもしれません。

DeMARINI

ディマリニ

≪PU≫
K-POINT

≪カーボン・FRP≫
PHENIX

≪金属≫
VOODOO

『渋い…いや渋すぎる』『拘りが強い』というイメージがあります。何よりもバットのグリップ上部に燦然と輝く『MADE IN USA』の文字。大体が中国生産や台湾生産の中、異色を放ちます。色々と試し打ちした中で、僕が一番しっくりきたNo.1はこの『phenix』です。パラドクスコンポジットというググっても出てこない謎のテクノロジーが使われています。

Louisville Slugger

ルイスビルスラッガー

≪PU≫
該当なし

≪カーボン・FRP≫
ニュートロン2
カタリスト3Ti

≪金属≫
AC21

『カーボン製No.1』と名高いカタリストシリーズのルイスビルスラッガー。『レガシー』に対抗しうるカーボン製バットで、カーボンの割には重量があります。PUで芯を食ったらあまり手応えがなかったりするのですが、このカタリストはグリップのしなりからか、バット全体が反発する感覚があり、物凄い手応えを感じます。
打てば打つほど飛距離が伸びると言います。ほんまかいな…

EASTON

イーストン

≪カーボン≫
ADV
Ghost X React
Ghost X Hyperlite

他チームでたまに見かけるたび『おっ?!』となります。ロゴが大きく黄色いバットのため、一発でそれとわかります。謎のメーカーでスポーツゼビオで売っているのを見かけた事がありますが、カーボン製のバットがメインのようです。調べてみると自転車のフレームも作っているらしく、そのノウハウが活かされているようです。

現行から外れた名バット達

ミズノビヨンドマックスギガキング
素材:FRP+PU
『レガシー』誕生で過去になってしまった名器。
飛距離、振り抜きやすさのバランスでレガシーに敵わないものの、その重量から繰り出される飛距離はまさに『ギガキング』の名に相応しい。同じスイングスピードで比較すればギガキングの方が飛ぶという噂も。

ミズノビヨンドマックスEVⅡ
素材:FRP(打球面EVA素材)
4、5年生御用達のこのバット。試合で一番よく見かけるバットです。完全に3〜5年生をターゲットにしてるとしか思えないラインナップで、振りやすさや飛距離のバランスも然ることながら1万円台後半の価格帯で「ビヨンドマックス」というステイタスまで得ることができる。まさに名バット中の名バットであることは間違いないのに…ミズノよ…何故、現行から外したんだ…。

ZETTブラックキャノン各種
素材:カーボン
ZETTの部分でも触れましたが「ブラックキャノンに外れ無し」というのは本当のようです。『ブラックキャノンLT』や『ブラックキャノンV1』など、過去に色んなブラックキャノンが出ましたが、どのレビューを見ても評価が高い。
過去のブラックキャノンが安価で売られていたらチャンスかも知れません。

美津和タイガーレボルタイガーイオタ
素材:PU
美津和タイガーレボルタイガーワンサイドダブル
素材:カーボン
長男のバットです。美津和タイガーは別会社にバットの企画制作を委託していたのですが、その契約が満了を迎えたため完全にバット部門が無くなってしまいました。手根骨骨折を防ぎ、スイングスピードを上げると言われるJグリップは、このままロストテクノロジー化するのでしょうか?!

終わりに

いかがだったでしょうか。
むちゃくちゃ私見が入っていますが、バット選びのコツを自分なりにお伝えしました。
『使用開始から使用終了までをイメージ』
→『素材を選ぶ』
→『メーカーを選ぶ』
→『可能であれば試し振り(打ち)をする』
この順番で失敗は少ないと思います。

そして僕が何よりも言いたいこと。
めちゃくちゃ欲しかった念願のバットを試し振りして、振りにくいと感じたとしても、それを諦めてはいけないということです。
自分に合った道具を選ぶことも重要です。
けれど、人間は変化成長ができます。
努力で道具側にアジャストできるのです。
『気になるあの子は高嶺の花だから自分は見向きもされないんだ』
じゃあ自分を磨けよっていう事です。

以上です!
皆さまに最高の一振りとの出会いがありますように…

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