見出し画像

三極化する不動産投資市場。 物件ごとの自己資金の使い方。 近しい未来の物件取得への思考。

不動産投資において、中古市場では、いい物件が無いと言われる方の意見を耳にします。しかし新築においては、いい物件というのは自分で作ることから、双方の考え方は全く違う観点を持っています。また取得においてもどちらも難しい状況が今後も続くと思われます。そんなことから、今日は、少し先までの未来の取得における僕の思考を記してみようと思います。

中古物件は全体的に償還年数と評価がネックになりつつある。

ど中古のような、築古に関しては次に記しますが、一般的な中古、築10-20年程度の物件において木造は、耐用年数残=償還年数という金融機関での融資は今でも厳しい現状があるため、利回りが上がってきている状態では無いでしょうか。(融資がつかない→売れない)

ここではまずRCに関しては、47年ありますから、20年経っても、償還年数は、27年以上の獲得は可能であり融資には問題ない状態です。
がしかし、木造においては、売れずに、利回りが上がってきても、残存耐用年数が償還年数という地銀、メガ、都銀の様な(保証協会利用はその限りではありません)金融機関では絶望的です。
ですから、ほとんどの方々は、信用金庫、信用組合、組合系の金融機関を使われていると考えます。
その理由は、金利は一律高いけど、償還期間で調整を行なってくれる傾向にあるからですが、それも近い未来は、もうちょっと厳しくなると考えます。償還期間が伸びると、耐用年数超過した融資となり、その分の期間が、評価損としてみられるような傾向になりつつあるという、金融機関の情報よく聞かれる様になってきています。(地銀は前からそういう観点で見ている)
また、耐用年数を超えると償却が使えない(実質は最低4年償却は可能)為に、
利益が出過ぎて(デッドクロスともいう)納税額が爆上がりしてしまう事も考えておかねばならない部分です。
木造中古はそういう点では注意すべきことは多いと考えます。
儲かるけど、儲からなくなりやすいという事です。

最初の一棟目、当時築29年でしたが、30年の耐用年数超え融資を受けました。

取得時の自己資金の考え方。

新築と中古では自己資金の投下における考え方ですが、これは物件特性によって少し違ってきます。
新築物件では、金融機関によっては、金利負担が増えること、最後の資金支払い時に自己資金が不足することへの回避として、建築前の土地決済時からある程度の自己資金の投下を求めるところが増えてきました。
一部金融機関は、いまだに完成後の際に支払うことが出来るため、自己資金を温存できることから、見せ金を保持することが可能なのですが、これに関しても今後厳しくなりつつあります。どちらにしても完成後に自己資金は準備することは当然当たり前の世界です。

中古では2パターンあって、物件購入時に一括で支払うパターンが一般的ですが、ど中古、全空、空室が多い物件などは、購入時に手入れが必要なことから、事業計画自体に、リフォーム費用、大規模修繕費、入居促進費用などをあらかじめ加えて算出された自己資金を購入時に投下しますが、それら費用がかかる分も初期借入できる為、自己資金を支払っても、預金としてはリフォーム代などがそのまま一旦通帳に残ることになります。要は、決済後自己資金をある程度取り返すことができるということです。
その後、業者さんなどに、リフォーム、大規模修繕、広告費などを支払いますから、結局ななくなってしまうのですが、この段階で、もっと安い業者さんを探したり、自分でDIYするなどすれば、本当の意味で、自己資金を取り返すことが可能になります。

当然ですが、預金が予定通りではなく、コストが下がることで戻ってきた訳ですから、金融機関にもそれら説明を行うことは求められます。貸出した資金が当初と違う額面、使われ方をしたことによる、説明責任があります。

2棟目は大規模修繕費を合わせた借り換えを行い、見積もりより安く仕上がった為、預金が増えた。

三極化しそうな不動産の未来、新築RCは劇的に利回りが下がり、中古は利回りが劇的に上がる。 新築木造はその間で停滞。

そう、僕はこれを肌で感じています。その理由は新築においては、過去10年経験し、それ以前の話をゼネコン数社、金融機関から伺っても、もう年々建築費用は上がりっぱなしで、下がる題材が一切ないということです。
8年前は新築RCで8%なんかは軽く超えていて、自己資金もある意味少しでした。しかし現在では5%代半ば(福岡県での話、福岡は政令指定都市上位にも関わらず、過去の慣例から賃料が異常に安い地域。)で着地すればいい方です。(土地からの新築の場合)

僕が過去2年以内に手伝った方で、6%前半の利回りで、低いなあ、、って思っていたけど、融資が通り、建築が始まった際の市場では5%後半が当たり前になり、工程会議などで管理会社からは、この物件利回り高いですねという話をいつも聞いていましたので、半年毎に利回りが0.2%程度下がってきている感覚でした。

最近では、5%前半に突入してきている為、自己資金も融資利回りで7%以上でないと融資が通らないような状況になってしまいました。3億円程度で最低5000万円程度の自己資金という感覚です。
このことから、新築RCはもう誰でも建てられる時代が終わって、自己資金を持っている人でなければ建てられない世界だということです。

6年前に建設を開始した新築RC。本当に自己資金は少しで済んだ時期があった。

中古に至っては、先に記した通り残存年数の考え方がベースにある以上、売り物件というのは利回り重視の世界に突入しきていると感じます。ここでは、物件の利回りが高いということから、信用金庫、信用組合などの組合系では、収益評価が基準のため、自己資金は逆に利回りが高いと少なくなってゆきます。しかし金融庁の指示もあるため、それでも0.5〜1割は覚悟する必要があります。
このことから、これから先の中古利回りは上がり、物件も相当数出てくると予想されます。活況な時ほど、物件は出てこず、水面下で売買、だけど売れないから表にどんどん出てくることで、他の売主さんもそれに同調するしかない状況が訪れそうな感じです(いくつかそのような取引を最近経験しました)

7年前に作った新築APの写真。現在ではこのように造作したり差別化個性を表現した物件でなくては戦えなくなっています。(長い目で見て)

新築AP、新築木造などに関しては、また実情が違ってきています。ウッドショックなどは落ち着いてきていますが、新築RCと同様に、設備、資材などの高騰影響は受けているのですが、メーカーの利益を削って、利回りがある程度取れるような金額設定に落ち着きを取り戻しています。活況から、苦境の現状ではそうするしか方法はないからであります。
また、融資期間が最大限に取れる新築木造だからこそ、安く作ることに長けているメーカーは確実に売りやすい値段設定とし、数は売れないけど、融資はつくことから、地道路線に変更をしている会社が増えたと実感しています。
それでも6.2-7%程度の利回りですから、金融機関目線を確実に気にしているな(融資利回り基準)という雰囲気が感じられます。
そんなことから、新築を取り組みたい方は、今後も新築APは手頃であることから、若い世代の自己資金が少ない方にとってはいい投資先ではないかと思います。

しかしながら、この10年程度で供給された新築RC,新築アパートの数の多さから、適切な間取り、賃料、そして差別化という部分は必ず求められる時代になってしまいましたので、3-10年保有の意思のある方は、独自の思いを形にすることをお勧めいたします。(完成直後に価格競争に巻き込まれないようなものづくりを行うこと)

過去の新築AP。デザインにこだわることも大切な差別化。ステップアップには新築APは最適です。

物件種別毎に、それそれのステージが明確化した未来を感じます。

新築RCは、確実に富裕層、土地持ちなど、自己資金、資産に余裕のある方だけが取り組める世界になりつつあります。
中古物件は、売れないことから利回りがかなり上がる時代に。RCの中古は耐用年数に応じて値段が設定される時期にきているとも思えます。
新築AP、新築木造は程度な価格設定と多様性のある物件を作ることが求められる時代になってきたと思います。

築古から、中古RCや新築AP、そうして将来はRCにチャレンジしたいという
ステップアップの構図が出来そうな予感です。現にRCマンションは僕自身も多額の自己資金を投下したり、土地を先に現金で購入したりと、資金があるからできる不動産取得の現状があります。
過去だとそうはいかなかったけど、この10年の経験は無駄ではなく、良い市況に乗れたものだと感じています。

今日のお話、どうでしたでしょうか。早く新築RCやっとけば良かったとか思う方もいると思いますが、そんな市況になってしまったのは、過去の10年の色々な問題やコロナ、紛争、為替や相場の変動が大きく相互作用してしまっています。
大切なのは、惑わされず自分に合った不動産投資を行うこと。
誰かにそそのかされることを避けて、信頼できる人に相談を行なったり、
自分で能動的に行動して進むべき道を明確にされることをお勧めします(^-^)

サポートをいただける皆様には、質問や、思い、ご希望などありましたら、遠慮なくご連絡ください。 ブログ記事、何らかのサポートを検討したいと思います。まずはご希望をお聞かせください。今後もよろしくお願いいたします。