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ホームステージングで注意していること。 室内のポテンシャルを最大値にする。

賃貸住宅、分譲住宅でも、海外のようなホームステージングを行う事が近年増えていることと思います。
ステージングを行うことを仕事としている方もおられるようですが、
僕や師匠が思うステージングに関して、今日は画像を多めで僕たちの価値観を記してみようと思います。

画像協力:師匠

僕らのステージングの目的は、入居付ではない。

注意すべき点は数多くありますが、要点を押さえると意外と簡単です。

僕らの目的は、物件価値を表現する際に、写真のクオリティが上がるような
ステージングを目的としています。

写真は、物件の空気感を切り取る道具ですから、ステージングを行う際には、
視覚的に洗練されたイメージを如何に伝えられるかを重要視して
物の選定、設置位置、見せ方に工夫をしています。

要は、ステージングされた部屋を見せて、入居促進にするということを第一の目的にしていません。
世間は、空室にステージングを施し、生活をイメージしてもらうでしょうが
それはおまけ的な要素に過ぎません。

物件の外観、内部のビジュアルの最大値を写真として残す行為は、
後々にとってもとても重要ですから、その内容が
どこにでもありそうなステージングでは意味がありません。

この部分に対しても、他とは違う、空気感を作り出すような演出が重要なのです。

多色避けて、室内の広さを空気感を伝える。

師匠の2019年の物件より。 カラーリングテイストを揃え、期待値を高める。

カラーリングが増えると、室内の映像はごちゃごちゃし、奥行きや空気感を失います。 
その理由として、ステージングされた家具がメインに写ってしまうからです。
室内のポテンシャルを最大値に持ってゆくためには、
室内のベースとなるカラーを軸に家具を決めなくてはいけません。

テイストを揃えることは、洗練された空気感を醸し出します。

可能な限り低い家具を使い、家電を設置する。

生活感を一気に感じてもらうのには、TVなどの家電を設置すると着座のイメージが増幅されます。

室内の広さを最大化する際には、家具の配置を可能な限り低く、低く設置します。
そして、室内ベースのカラーリングテイストから、大きく外れないような
家具、家電を配置しますが、写真の見え方を注意して、位置を最適化します。
これはセンスが最も問われるところです。

ラグの配置、テレビの位置は、写真の見え方で、決して中央がいいとは限りません。

キッチンの魅力を伝えるには、周りに物を極力置かない

最低限に留め、設備や使いやすさが見える、わかるものに仕上げる。

よくキッチンにごちゃごちゃと、多色の色々な物を置いているステージング業者さんなどが多く見かけられます。

これは主観なのですが、ステージングされる方々は、ステージングすることが
目的となっている場合が多く感じます。

それは、目的を見誤っていると思いますし、誰のためのステージングなのかを考えると、室内、設備などの写真上のポテンシャルを上げることが目的ですから
間違っていると感じます。

極力小物は置かない。置くならば、一点豪華主義で固めるなどし、全体の雰囲気に
悪影響を与えない事が宜しいかと思います。


見ただけで工夫や仕掛けがわかるように表現する

クローゼット内部にも、適切なステージングが存在します。

トイレ、クローゼット、ベッドルームなど、適材適所に合わせたステージングも行うことは、写真上でわかりやすく、内覧時のイメージも、特徴を理解しやすいものとします。

室内のテイストを壊さないような配置を施し、差別化をクローゼットなどでも
表現することは大切ではないでしょうか。


モチーフを表現する、部分的クローズアップで空気感を伝える。

室内の空気感を一枚のアイキャッチ画像で伝えることが出来る写真は重要です。

楽譜を置き、近くにギターを立てかける、植栽を置き、空気感を整えるなどし
ペルソナ(ステージングのターゲット)を表現する工夫を施すことも
面白い仕掛けではないでしょうか。
若い女性で音楽が好き、楽器なども近くに置くことで、誰をTGTにしているか
話さなくても伝わるのは、一般的なステージングでは行われていないような
手法です。(これは僕の嫁さんのステージングの一環)

バルコニー、室内から見える景色もステージングの対象

師匠の築20年の木造戸建ての意匠。空気感を出す部分は、室内から見える場所も目を配ります。

ステージングは何も室内だけではありません。
バルコニー、テラスに至っても、簡単な家具の設置で空気感を演出できます。

その他写真 室内の高さを演出するには、家具家電は腰から下に設置することを念頭に。

このように、設置する家具の高さは、写真撮影時には大きく広さに影響します。

また内覧時においても、写真と室内とのギャップを与えないように
空気感を整える為に、先に記してきたような

多色を避ける
室内カラーリングのベースに準じる
物は極力置かない
家具家電は低い位置に設置する
室内以外にも手を施す(クローゼット、バルコニーなど)
モチーフを用いる

以上のような内容で、行うと良いと僕は考えています。
師匠に教えられたこともありますが、僕自身、昔から腰から下にしか
物を置かない性質でしたので、もともと身についていた感覚ではありますが
実際に師匠の作った物件の室内、写真などは
いつになっても洗練されていることから、僕自身もセンスを磨いている最中です。


最後に、もう一度伝えますが
師匠、僕が行うステージングは、入居促進のためではなく
物件のポテンシャルを最大化し、表現するためのものであり
写真のクオリティ、空気感を如何に切り取れるかを考え
ステージングを行っているという側面をご理解ください。

写真だけで、全ての物件の入居が決まることもあるのは、
そのような取り組みの一環であります。


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