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TOPコレクション セレンディピティ@東京都写真美術館

セレンディピティ展行ってきた。

セレンディピティっていいよね。
チラシの説明文も魅力的で期待していたのですが、正直それほど「セレンディピティだ!」と思うこともなく、これまでのコレクション展とあまり違いが感じられないまま見終えてしまった。ので、それについて考えたことをメモ。

いや、展示の内容は良かったのです。ただ私の思う「セレンディピティ」を感じるのが難しかった、というだけで。

何故か。

理由は2つあって、まず1つは私の思う「セレンディピティ」が本来の意味よりかなり狭いということ。

副題に「日常のなかの予期せぬ素敵な発見」とある通り、偶然の発見にちょっとした快感を得る(ハッピーやラッキーを感じる)こと全般を、セレンディピティと呼べると思うのだけど、
個人的には、近いタイミングで触れた別ジャンルのモノに共通項を見つけた時に一番強く「セレンディピティー!!」と感じる。
今回もタイトルから無意識にそれを期待してしまったのだが、これに近い感覚を作品単体から得るのは難しいよね、ということな気がする。

そういう意味で「ふたつの写真を編みなおす」の章は、私の思うセレンディピティ的な共通点を探ることができて面白かったが、セレンディピティは探るものではないからな…。

理由のもう1つは、「偶然の発見にちょっとしたハッピーやラッキーを感じる」ほうのセレンディピティを、アート鑑賞において割と習慣的に(特にセレンディピティとは思わずに)享受してしまっていること。

趣味のアート鑑賞なんて、たぶんこれを享受しに行ってるようなもんなんですよね。(得られるものは必ずしもハッピーやラッキーだけではないが。)

そのように捉え直すと、確かにこれらは「セレンディピティ」で、先日の会場も、セレンディピティの宝庫ではあるだろう。
今回だと、畠山直哉の「あ、水滴側にフォーカスするとこうなるんだ…」とか、鈴木のぞみの「窓枠に風景を定着させる!?」とか、相川勝の「え、これゲーム画面?」とか、井上佐由紀の「誰かが最後に見た光をきっかけに誰かが最初に見た光を撮る…」とか。
じっと観ているうちに印象の変化があったり、キャプションで思いがけない事実を知ったり、そう言われたら全部セレンディピティ的であるなぁと思った。


TOPコレクション セレンディピティ@東京都写真美術館
2023.4.7(金)—7.9(日)


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