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あなたが一番好きな動物はなんですか。(2022.10.20)

牧場で働いていた時、発疹が出て痒くてたまらなかった。
月桃のスプレーをもらい、毎日ふりかけていた。


2022年10月20日 日記

発疹さえ愛おしい日々

今まで何度となく人に質問してきた

「好きな動物は、なあに」。

英語の先生をしていた当時、その質問をするのが定番で、
でも、それより前からも、わたしは幾度となく
出会う人にその質問をしてきた。

理由ですか?
特にないのですが、、。
なんか好きな質問。
その人となりもなんとなく、わかる感じがする。

自分はいつも、「犬、馬、カエル。」と答えてきていた
(いまも大好き)

けれど、
牧場で働いて、本当に自分が好きな動物がよく分かった。


いちばん好きなのは、人間。
いちばん嫌いなのも、人間。


動物たちは、ただ生きる。
食べて、寝て、クソして、食べる。
子供を作り、産み、クソして、寝る。

シンプルで、美しい。

なんて、美しいのだろう。

うんこって、こんなにも美しいんだと知った。

毎日、質も違うし、量も違う。
恥ずかしげもなく、ジャーっとオシッコをして、
ぼとぼととウンチを出す。

ああ、なんて美しいんだろう。
綺麗なんだろう。
そんな風に思った。

自分がトイレに行って、おんなじように、
排出するたびに、あ〜わたしもちゃんと循環できてる、
美しいな、かわいいな、と思えた。

ちょっと、あんた何言ってんだよ、って
読んでる人の声が聞こえてきた気がする。。。笑 
自分でもよく分からない。。。笑


——-

結構前に、ここのブログで

「わたしはなんてつまらない人間なんだろう、と辟易している」

みたいなことを書いたが、
あれは間違いだったのだと分かった。
そして思う、環境は本当に大きいな、と。

今日、たまたま子供の頃に、
親から酷い虐待を受けていた人の話を聞いた。

最悪な環境で生まれた人。

今は結婚して、家族も生まれて、
専業主婦をしていると話す
彼女のネイルは美しい、赤いジェルネイルで輝いていた。


わたしの母はよく言っていたし、今も言うけど。


「産んでくれなんて頼んでない」
「こんなクソな世界になんで産まれたのだろう」


とか。
この類の言葉はもう言われすぎで、
わたしゃ耳にたんこぶが出来ている。

前に、自殺する人の気持ちが分からない、
理解出来ないらしい人たちの会話を聞いた。
わたしは、その人たちの会話にうまく入れなかった。

その人たちの「ふつう」では、死を選ぶという選択が、
あまりにも「ふつうでなく」、
そして死というものが
悲しい、辛い、可哀想なことのようだった。

わたしは、

「彼らは今までが幸せな人生だったんだろうな。
親にたくさん愛されて育ったのかな。」

と思ったりした。

それか、ただのバカなのかなって。


——-

「人間が好きでしょ?」

と言われたことがある。
20代そこそこだった頃。
正直に言えば、

「は?なんだこいつ」

と思った。

「いちばん醜くて、いちばんゴミなのは、人間だろうがよ」

とも思った。

あれから約10年経って、
こんな風に思うとは思ってもみなかった。

相変わらず、いちばん醜いし、いちばんカスで、
いちばん罪深いのは人間である、という考えは
変わらないけれど、いちばん好きなのも人間なのだと知った。。 

なんか、すごく丸くなってるみたいでさ、、
発言が全体的に、きもいね、、、ああ、ヤダヤダー。

——-

お世話になった牧場のお父さんの
ピアノと歌が忘れられない。

涙が出た。

カナダのビクトリアでたくさん
お世話になったDanが突然、
バイオリンを取り出して、
演奏し出したこととイメージがダブった。

あの時も泣いた。

演劇をやっていた頃、
初めての公演、、、確かあれは19歳。
友達が観に来てくれて。

公演後、舞台から降りて、
観に来てくれた人たちに挨拶したり、
話す時間があって、
その子のところへ行ったら、
大号泣していて。


「なんでこんなに泣いているの?!」


と聞いたら、

「一生懸命がんばってる人を見ると、
泣いちゃうの。感動しちゃって・・・」

と言われて。

「え?内容で感動したんじゃないんかい」

と思ったけれど、
それと同時に、

「心が綺麗な美しい人だな」

とも思った。

いのちの灯火、
魂の輝きに触れると、
人って感動するんだなって。


ピアノと、歌、バイオリン、演劇、、
その人の本当のいのちの炎の
ゆらゆらとした動きや揺れが感じられる瞬間って確実にあって、
あれに触れた瞬間は、言葉では言い表せないけれど、
すごく尊いものに触れた気持ちになる。

人間として表現することの意義って、
もしかしたらそこにあるのかもしれない。




人間って、人間が好きだよね
なんだかんだ叫んだって、ね
(2023年・夏)

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