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人類はITの変化速度について行けるか?

こんにちは。うつ病休職エンジニアの三十郎です。

2016年出版の「サピエンス全史(ユヴァル・ノア・ハラリ著)」、読まれた方も多いかと思います。世界で1200万部と超えるベストセラー。人類20万年の歴史を極めて客観的な視点でまとめたのが、最大の功績でしょう。

1.20万年は進化を遂げるには短すぎる

宗教的教義を取り除いて考えれば、人類は約40億年の生物の歴史の産物です。よく時計の時間に例えられますが、生物が誕生してから現在までを24時間としたら、我々ホモ・サピエンスが誕生したのは、23時59分56秒となります。

進化は、世代間で進みますから、ホモ・サピエンスの1世代を20年で計算すれば、1万サイクルの世代交代が生じたことになります。1万世代も経れば、祖先から大きく進化したはず思とうでしょうが、遺伝学的には外見的な変化は生じても、基本スペックまで変化するには短すぎるようです。

特に脳については、大きさの大小の変化(今よりも大きな脳を持つ世代も存在した)を経ていますが、現在のサイズにまとまりました。大きければ生存に有利とは限らなかったのです。脳は膨大なエネルギーを消費するため、大きな脳を持つことは、食糧難で滅びやすいリスクを持つからです。

我々が持つ脳は、パソコンやスマホのハードが代わらず、ソフトウェアであるOSがアップデートされ、今日まで適応してきました。Winndows 95が98、2000、Windows 7、8、10と変わったようなイメージです。でもCPUやメモリー、ハードディスク、等は昔のままです。そのハードの限界を超えるために、本やコンピューターを作って補ってきたのです。

本とPC

2.生物の進化とは ?

ホモサピエンス

進化は主にDNAの突然変異によって引き起こされます。人の場合、46本の染色体にあるDNAの塩基(A、T、G、C)対の数は約60億個あるそうです。しかし、細胞分裂中の失敗や、紫外線、化学物質の影響で毎日のように壊されています。その影響で1日に5000個の細胞が、ガン化すると言われています。また、ウイルスのDNAが入り込む場合もあるそうで、哺乳類の胎盤を作るDNAはウイルス由来との説があります。

当然、卵子や精子のDNAも無事では無いですが、破壊されて使い物にならなくなったものは受精できない確率が高いです。受精できたとしても胎盤に着床できなかったり、流産で排出されたりと、正常に生まれるまでのハードルが極めて高いです。

なので、突然変異するのは簡単ではなく、進化はなかなか進みません。ウイルスレベルであれば、毎年はやるインフルエンザが異なるようにDNAが容易に変異できますが、高等生物レベルになるとDNAが変化しても子孫に引き継がれる確率は、運次第です。人は一人一人が異なるように、バラバラのDNAを持っていますが、人の基本設計図部分は異なると生まれてくることさえ困難になります。今生きている、我々の存在自体が奇跡に近いのです。

アインシュタインは前頭葉の溝の数が4本で、常人の3本と異なるらしいですが、それが子孫に引き継がれているかは不明です。ウサイン・ボルトも突然変異なのかもしれませんが、競走馬のように、その俊足が子孫に引き継がれる保証はありません。1代限りで終わる場合も多いのです。

3.ITの急加速度に人はついて行けるのか?

データ量の推移(総務省)

出典:総務省|平成26年版 情報通信白書|ICTの進化が促すビッグデータ

今ほどテクノロジーの進化が速い時代は、人類史において無かったでしょう。テクノロジーが速く変化するのは戦争の時(第1次世界大戦:毒ガス、戦車、飛行機 第2次世界大戦:ロケット、レーダー、核兵器、など)と言われてましたが、今は、それらを凌ぐスピードで新しいテクノロジーが次々に生まれています。我々のアナログ脳は、ついて行けるのでしょうか?

すでにお年寄りは、置いてきぼりです。情報はテレビや新聞から、買い物は現金が主流です。10年後、20年後は、どうなっているのでしょうか?

支払い

現在のデジタル・ネイティブ世代でも、加速するスピードについて行けないかもしれません。その頃には、誰も置いてきぼりにしない、HMI(人と機械の通話装置)の進化も必要でしょう。そこを押さえた企業が人々の支持を集めることでしょう。



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